トラウマは深層心理に閉じ込められる

我々は、幼少期に強い影響を与え、それ以後も強く作用し、我々の心や行動に影響を与える存在として、トラウマについて学ぶ必要がある。トラウマという言葉はほとんどの人が聞いたことがあるだろう。定義としては、大きな精神的ショックや恐怖が原因で起きる心の傷のことである。直訳すれば精神的外傷や心的外傷となる。

トラウマについて一般には理解されていない、いくつかの重要事項について説明しておこう。
まず、トラウマは傷となって残り、忘れられないものとして解釈する人が多いが、トラウマは人間心理の中では容易に深層心理に封じられ忘れ去られる。実際には確実にトラウマは残っているが思い出せないことの方が多く、これは内海式の精神構造分析(20章参照)や、現場で精神問題の対応をしていれば観察できることである。また、本質的なトラウマは大きな一時的ショックで起こるものだととらえている人が大半だが、実はそうやっておこるものではない、と理解できるかはとても大事である。トラウマが強く残っていくためには、それ以前の前提や条件付けが存在している。

トラウマがあると、人はトラウマと同じ体験を避けるようになる、と考えるのは一般人の錯覚であり、むしろトラウマと似た体験を引き寄せるようになる。これは「周波数の絶対法則」を参考にすればよいかもしれない。また、これもよく勘違いされるが、トラウマを処理して消せる方法は存在しない。もし存在するとしたら、それは洗脳や機械処理と同じで非常に危険な方法である。
しかし、トラウマに向き合って乗り越えることは不可能ではない。真の意味での精神療法とは、記憶をかき消したり催眠をかけるようなインチキな手法ではなく、トラウマを直視する作業である。
その意味でも真の精神療法は傾聴とか癒しとは無縁であり、非常につらい作業となる。ただしそこに向き合えた人は非常に様々な問題が好転する。

<心の絶対法則より抜粋>

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