【ロシア恐怖症】

ウクライナで紛争が始まってから、世界中のメディアがいっせいにロシアをたたき始めた。この2年間のパンデミックで、メディアがいっせいに同じことを報道し始めることがあるのはもう知っている。こんなにいっせいに同じ方向に向いたからには、何かの意図があって大衆操作しているに違いないと疑いたくもなる。

各国の政府は経済制裁をするべきだといい、ロシアに出している支店を引き上げてくるやら、ロシアの企業とは取引をやめるとかいう事態になった。ロシア系だというだけで差別してもいいみたいな空気ができて、ロシア人の店をボイコットしろとか、ロシア系の人を診療しないと言い出す病院まで出てきたそうだ。ロシア出身の音楽家は、公にプーチンを批判するように強要され、拒否したら仕事から降ろされるというようなことにまでなった。そればかりか、コンサートからチャイコフスキーの演目が削除され、チェーホフやドストエフスキーを扱うのをやめる書店まで出てきたらしい。

ロシアのニュースはネットからもブロックされることになり、それどころかシェアしただけで罰金を取るというようなことまで言っている国もある。それが中立国であるオーストリアだというのだから、聞いてあきれる。その一方で、ロシアに対するヘイトスピーチは許可されることになったというのだ。これはまるでかつてのユダヤ人狩りと同じだ、とドイツとロシアのハーフのジャーナリスト、アリーナ・リップさんは言っていた。

まるで、ロシアが諸悪の根源で、ロシアさえ消え去れば、この世界は平和になるとでもいうかのようだ。こうしたヒステリックとも言える反応を見ていると、この2年間のパンデミックとまったく同じ物語じゃないのかと思えてくる。ウィルスがロシアに取って代わっただけのことだ。ウィルスの恐怖があおられ、ウィルスを排除するためにいかなる犠牲も払うべきだと思わされていたのが、今度はその対象がロシアに変わったのだ。ロシアこそはこの世界に残虐をもたらす存在で、ロシアを排除するためにあらゆる努力をしなければならないと。

その結果、起こることはまた同じなようだ。言論を制限され、行動を制限され、経済が破壊される。そして、そのすべてはロシアのせいだということにされるわけだ。

私たちは今まで、ロシアは共産国で全体主義で、自由も人権もなく、貧しい生活を国民に強いているのだと思ってきた。西側の国は共産国ではないのだから、自由で民主的で豊かであり、ロシアからは皆が西側に逃げ出したがっているのだと、そういう物語を信じてきた。

だけど今、西側の国だって実は自由でも民主的でもなかったことがだんだんわかってきている。結局のところグローバリストたちが牛耳っていて、うまいこと選挙を操作していたし、政府は国民の利益ではなく、グローバル企業の利益のために税金を流していることもわかってきた。そして、そのためには情報操作もし、真実を暴露する人々が仕事を失ったり、消されたりといったことさえいくらでもあったのがわかってきている。

それなのに私たちは、ここは共産国ではないのだから、そんなことがあるはずがないと思い込まされてきたのだ。ある意味、ロシアはそうやってあらゆる西側の闇を投影させられてきたのかもしれない。こんなことはロシアの話であって、私たちの国の話ではないのだと。そうやって私たちは、自分たちの国の中にある闇から目をそらしてきたのかもしれない。

このウクライナの戦争では、私たちはまさに、ロシアに投影してきたその闇に向きあわされているのじゃないかという気がする。主流メディアに出てくるウクライナの惨状の画像のほとんどがフェイクであることがわかってきたと思ったら、実はこの戦争が始まる8年も前から、ナチ化したウクライナ政府によって、市民の無差別攻撃が行われてきたこともわかってきた。事態は、西側主流メディアが見せようとしているものと、まったく逆だったのだ。残虐行為を行っていたのは、西側に操られたウクライナ政府の方だった。そしてロシアは、その残虐からウクライナ市民を救い出そうとして軍を出すことになったらしいこともわかってきた。

ネットから閉め出されたロシアのニュースサイトは、さぞかし共産国的なプロパガンダで埋まっているのだろうと思いきや、ごく普通に中立な報道をしているだけなので、覗いてみて驚いた人も多い。西側のメディアは、ここ数年ほとんどグローバリストのお金で経営しているようなものなので、どこからか来るアジェンダでいっせいに方向を変えたりするようなありさまなのだけれど、ロシアのニュースサイトの方は、かつて西側の新聞がまだともかくも中立を保っていた頃の報道と寸分変わりはないようだ。

たとえば、先日ロシアとフランスとドイツの首脳が電話でウクライナの情勢についての会談を行っていたというのだけれど、それについて、ロシアはウクライナからの避難回廊をウクライナ軍が攻撃するのをやめて欲しいと申し入れ、ドイツとフランスは、ロシアにウクライナでの軍事行動を停止するよう申し入れた、とロシアのニュースでは書いていた。西側のニュースサイトでも、この会談のことを取り上げていたけれど、ウクライナの避難回廊についてロシアが要求したことは書いてなかった。ただロシアに対して攻撃をやめるよう要求したということだけが書いてあった。これではまるで、ドイツとフランスが戦争をやめろと言っているのに、ロシアが頑強につっぱねたかのように聞こえる。

となると、ロシアのニュースサイトを閉め出せというのも、ロシアがプロパガンダを広めているからとかいうことではないのがわかる。これはむしろ、西側の方の問題なのだ。西側がメディアの情報操作で、隠しておきたい情報を、ロシアのニュースが表に出してしまっては困るということなのだろう。

東西の壁が崩壊するまでは、ロシアの人々はジーンズとか靴とか西側の製品を欲しがって、西側からの旅行者の持ち物を売って欲しいと言ってきたりしたそうだ。だからロシアは経済的に貧しくて、誰だって西側に行きたいに決まってると思われてきたようなところがあるのだけれど、あるいはそれこそが西側のプロパガンダにすぎなかったのかもしれない。

今、経済のグローバル化によって、安い品物があふれるようになったけれど、労働力の安い国で大量生産される製品には、かつての品質はなくなり、すぐに壊れてしまうようになった。そうした品物を次々と買うために、私たちはお金に追われていて、物が少なかった頃より、ある意味、生活の質は貧しくなっている。

西側の進んだ現代医療というものも、実は製薬会社に操られて、人の健康を損ねるようにできていたこともわかってきたし、政府や医療機関も、人々の健康などよりも、製薬利権の方を優先していることもわかってきた。一方ロシアでは、西側で弾圧されてきた自然医療や波動医療などに国費で投資してきていて、西側の研究者たちが手弁当でやるしかない状況なのに、ロシアではちゃんとした国立研究所でスタッフを抱えていたりする。これもまた、どちらが豊かなのかわからない。

ロシアの「経済的貧しさ」というものも、実は西側経済のプロパガンダにすぎなかったのかもしれない。かつてのロシアには、アメリカのファストフードもコーラもなかったけれど、人々の健康状態はずっとよかったらしい。東西の壁が崩れてから、東ブロックにファストフード店ができるようになり、それからクローン病などの胃腸の自己免疫症が急に増えたという話を聞いたことがある。まだ西側資本が入る前の東ブロックでは、商店にも大した品物は並んでいなかったけれど、人々はのんびりと暮らしていて、老人たちは家の前のベンチに座って、車も走らない村の広場で子供たちが遊んでいるのを眺めていた。どこの家でも、裏庭で野菜を育て、鶏を飼ったりしていたから、お店のものなどそれほど必要なかったのだと思う。西側の国では、多くの人たちが神経を病んでいて、子供たちまでサイコセラピーを必要としているのに、東の国の子供たちは心理的に健康そのもののように見えた。

ロシアは、「邪悪な西側資本主義」から国民を守っていたとも言えるわけなのだけれど、かつては嘲笑的に受け取られていたその言葉も、今では真実味をもって受け取れる。そして今、西側に操られてナチ化したウクライナ政府が、市民に暴虐を働いている一方で、ロシア政府はウクライナの人々を西側の魔の手から解放しようとしているようだ。

私は、どちらがいいとか、どちらが理想だとかいうことを言いたいのではない。ただ、世界中がロシアへの恐怖をあおっているこのときに、私たちはロシアに初めて向き合わされることになるのじゃないかと思う。この2年間に、ウィルスというものについて向き合わされてきたようにだ。私たちはウィルスについて多くの情報を集め、免疫システムについて学び、自然のウィルスは恐ろしいものではないことを学んできた。そして今、ロシアに向き合わされ、私たちはロシアを通して、西側の闇を見、ないと思ってきた別な可能性を見るのだと思う。それによって、西側資本主義というマトリックスから、さらに深いレベルで私たちは自分たちを解放していくことになるのじゃないかと思っている。

***
画像は、ロシアのナターシャさんから西側への動画メッセージ。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=5725891270759666&id=100000165488492