■学校から濃厚接触者扱いされ差別的扱いを受けた小学生■

3月10日(木)に東京都某市内の小学2年生が学校側から濃厚接触者扱いされ、差別と偏見扱いを受けました。
翌11日には、濃厚接触者ではなく健康状態に問題がないにも関わらず、学校を休まされました。
ご本人の承諾を得て経緯を綴ります。

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●3月7日(月)
放課後、家の外でA君と息子がゲーム機で遊ぶ。
2人ともマスクなしで遊んでいた。
夜、A君は体調を崩していた。

●3月10日(木)
【朝の教室内】
クラスメイトB君が、クラスメイトA君が陽性だったと教室内で話していた。
B君の証言により、息子が月曜の放課後にA君とマスクなしで遊んでいたことが話題になってしまう。
クラスの子たちに話が広まっているようなときに先生が教室に入ってくる。

【朝の学活】
朝の健康観察時間中、先生がA君の名前を呼んだ時にクラスの子たちがざわつく。
子供の名前を呼んだ時にクラスがざわつくことは、これまでになかったそうだ。
息子がA君とマスクなしで遊んでいたことについては、その後担任がA君のお母様と電話で話した時に知った。
確かに一緒にスイッチで遊んでいたことを知り、息子へも確認をとった。

【担任からの電話】
こういう状況で「外ではあるがお互いマスクを外し1m以内に一緒に15分以上いた」ということで、濃厚接触者の条件に当てはまると担任に言われる。
外でも当てはまったかな?と思い確認すると、外でも顔を近づけて15分以上一緒にいたという事実があるようなので濃厚接触者だと言われる。
ただ、学校外での出来事なので、学校側としても強制ではないが、お迎えに来られますか?どうしますか?と聞かれた。赤ちゃんもいてすぐに動ける状況ではなかったのと、学校外で起きた出来事で息子が濃厚接触者という事実を認めるようでもあったので、今日はそのまま学校に残らせてください、と返答した。

【夫への連絡】
夫から「外でも濃厚接触者になるの?」と聞かれた。
「先生がおっしゃったから濃厚接触者らしい。条件が当てはまるそうだ。」と伝えて電話を切る。

【担任との電話】
夫との電話中に着信があったので、折り返し担任へ電話をした。
担任が管理職と話した結果
 ・このまま学校で過ごしてもらうと児童の不安もあるので、給食は一人別で食べてもらう。
 ・今、息子は教室内で一番後ろの席なのだが、前の児童と距離を取るために床の板一枚分ほど後ろに下がって授業を受けさせる。
 ・これまでは喘息のこともあってマスクはしんどくなったら外しても何も言わないということだったが、今日に限ってはマスクを外させない。
 ・事後報告で申し訳ないが、1時間目の体育は見学させた。

以上のことを伝えられ、お母様のご了承がいただけましたらそうさせてほしいと言われた。
息子が嫌な気持ちになることは分かっていたが、何度も「濃厚接触者」というような言葉を聞かされ、このまま引き下がって帰宅させるよりはいいのかもしれないと思い、「わかりました」と承諾した。

【夫への連絡】
状況を報告すると、本当に濃厚接触者なの?と聞かれた。
もう承諾してしまったので仕方がないかと話し、電話を切る。

その後時間が経つにつれ、授業の中で一番好きな体育を見学させられてさみしそうな息子の姿、学校の給食が大好きでおかわりするのを楽しみにしている給食時間に1人別で食べさせられている息子のしょぼんとした姿が思い浮かぶ。
まだ給食時間には間に合う時間だったので、再度学校へ電話をかける。

【担任への電話】
先程の息子への対応は、息子に対する差別ではないか?と担任に詰め寄る。
すると、他の子供たちが不安がる、これは息子を守るためでもある、と言われる。
あとで何かあったときに、息子がマスクをしてなかったからとか、一緒に給食を食べたからとならないためにもと言われた。
そう言われると、確かにそうかもしれないという気持ちに変わってきて、「では、先生にお任せします。よろしくお願いします。また息子が帰ってきてから状況を聞いて電話するかもしれません。」と電話を切った。

【息子の帰宅】
下の子のお迎えがあって外に出たときに、息子が帰ってきた。目に涙を浮かべて帰宅してきた。
一日かけての様々な学校からの要求は、ひどく息子の心を傷つけた。
「明日もずっとマスクしなきゃいけないのなら、給食みんなと食べられないのなら、学校には行きたくない。」とひどく落ち込んでいた。

【息子から聞いた学校での様子】
<1時間目 : 体育>
大好きな科目であったにもかかわらず途中から見学するよう担任から言われ、外で見学して過ごす。

<2時間目 : 算数>
担任に呼ばれて職員室にて状況を聞かれたため、授業は受けられなかった。
このとき、「○○さんには濃厚接触者の疑いがあります。でも、保健所ではないので先生には決められません。」というようなことを言われ、以下の3つのことを守ってほしいと言われる。
 1. 手洗い・うがいは石鹸をつけ、いつもの2倍丁寧にすること。
 2. いつもは喘息で苦しくなるから外してもよかったマスクは、家に帰るまでしっかり鼻まで着用し、決して外さないこと。休憩時間も外遊びだとマスクを外しちゃうので、今日は教室の中で過ごしてくださいと言われる。
 3. お母さんと今から電話でお話するので、それで決まったことは必ず守ること。
他にも、給食はみんなとは別部屋の学習室で食べること、前の席の子と1mくらい空けて着席することなどを言い渡される。

以上の話をされた後、学習室へ行かされ、1時間目に着ていた体操服からの着替えをし、教室に戻る。
着替えるための洋服は先生に教室から持ってきてもらった。
教室へ戻るとほぼ授業は終わっていた。

<中休み>
いつもは鬼ごっこをして遊ぶのに、この日はマスクを外せないため遊べなかった。
外でみんなと一緒に遊びたかったと言っている。
外で遊べない他のクラスメイトと一緒に、教室で5時間目にやる作業をして過ごした。

<3時間目 : 国語>
1m離されて授業を受ける。

<4時間目 : 図書>
担任の先生ではなく図書の先生だったからか、特に何も言われることなくみんなと一緒に普通に授業を受けられた。

<給食>
教室で食事をよそってから、学習室(教室から2部屋先の別部屋)にて、先生と2人で食べさせられる。
「自分が学習室で一人食べているのをみんなに見られて恥ずかしい」思いが強く、この日の中で一番いやな気持ちになった。
途中で担任が学習室に入室してきて、お代わりがいるかどうか聞いてくれ、担任と一緒に教室へ行き、お代わりをして学習室でまた食べた。

<昼休み>
中休みと同じく、外に出てみんなと遊べなかった。よりいやな気持ちになる。

<掃除>
いつも通りにやったが、マスクを外すことができず、床掃除の雑巾がけが苦しかった。

<5時間目 : 生活>
クラスメイトと一緒に同じ机で作業をする。
この時間に関してはいつも通りにできた。

<下校時>
マスクをして帰っている途中、苦しくなって少し外したら、そばを歩いていたクラスメイトに「○○、マスク!」と言われ、またマスクをつけないといけなくなって苦しかった。
これまでは帰りは外して帰っていても何も言われることがなかったので、担任に「○○さんは帰るまでマスクをします」とクラスメイト全員の前で言われていたためと思われる。

<学校への電話>
息子から聞いた今日の状況を伝え、こういうことがあって明日は行きたくないと言っていることを伝えた。
本人が一番どうしたいのか聞くと、「みんなと一緒に給食食べたりしたい。」と言っている。後でどうこう言われたとしても、これまで通り学校で過ごさせてほしいと話す。
学校外でのことであり、今回はうちのことがたまたま話に出ただけで、他にもこういう例はあるかもしれない。プライベートなことだし、児童にうまく説明して欲しいとお願いした。
担任からは、○○さんからの思いは聞かせていただきましたので、管理職と話してみて再度お電話させてくださいと言われ、承諾した。

<友達との遊ぶ約束>
息子は放課後に友達と遊ぶ約束をしたと嬉しそうに話していたが、担任との電話を切るともじもじしていた。
お友達はまだ来ないの?と聞くと、その子のお父さんが「今日は遊べなくなった」と言いに来たと言う。息子は「たぶんおれが濃厚接触者だからじゃない?」と言っていた。
お友達のおかげで元気が取り戻せるかもと思っていた矢先のことだったので、余計にかわいそうに感じてしまう。
「濃厚接触者かもしれない」ということで先生が息子にとった行為によって、友達と遊んでもらえなかったのかと思うと、余計にひどいという思いが募る。

<友人への電話>
気持ちがやりきれなくて、友人に電話をする。
話を聞いてもらい、濃厚接触者の条件には当てはまらないことがわかる。
担任との電話でのやり取りの中で、「ほかの子供たちが不安がる」「息子を後から守るため」と言われ、そのときは気が動転しており、ろくに自分で調べもせず認めてしまったが、友人と話した後で調べると、そもそも濃厚接触者の定義には当てはまらなかったし、ほかの児童たちの前で見せしめのような扱いをされ、息子が傷ついたことに深く憤りを感じている。

<学校からの電話>
2時間ほど経って担任から電話があり、すぐに管理職に代わると言われ、副校長と話した。
学校医に相談したところ、息子は濃厚接触者ではないが4日間の体調の経過観察をお願いしたいので、明日は一日休んでほしいと言われる。
学校医というものがどういうものか急に言われてもわからなかったが、濃厚接触者ではないと学校側も認識していたようだ。
明日は休んでも、クラスメイトには息子は濃厚接触者ではなく様子を見るために1日だけ休むこと、月曜には普通に学校に登校するということ、その際には絶対に息子が差別を受けないようにしてもらうこと等を約束し、子供たちの夕食時間でもあり忙しくて粘るのもしんどくて電話を切った。

翌日の欠席は、こちらが望んでいたわけではなく学校側が勝手に決めたことである。
ただ、もしこのまま学校に登校したとしても、また同じことを繰り返されて息子がつらい思いをしただろうという思いもあった。
欠席を承諾したことに対しては副校長の「ありがとうございます」のみで、この日息子が受けた差別的扱いについては、一切の謝罪がなかったことが納得いかなかった。

●3月11日(金)
<担任からの電話>
息子の体調の変化はないか?と開口一番に言われた。感染したかどうかの確認のような言葉で心底びっくりした。
やはり息子が受けた差別的扱いについては、一切の謝罪がなかった。
学校側のこの差別的行為により深く傷ついている息子への謝罪を強く希望している。
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学校側が濃厚接触者の定義すら把握せず、保健所へ確認することもなく安易な判断をして「濃厚接触者の条件に当てはまる」と決めつけることは大問題です。濃厚接触者ではないと判明した後も一切謝罪はありません。
濃厚接触者ではない児童に対して「濃厚接触者」だと言い、先生や児童から一日中バイ菌であるかのような差別と偏見扱いをされ、お子さんもご家族も大変傷ついています。
健康で何の問題もない児童が授業の規制を受けたことは、憲法第26条の教育権の保障を逸脱する行為です。

学校運営ガイドラインには「偏見や差別につながるような行為は、断じて許されるものではない」と書かれており、偏見や差別から児童生徒を守ることが学校や教師の責務です。
学校が濃厚接触者でない者を濃厚接触者扱いすることは、他の保護者や児童からの偏見や差別を助長することにも繋がります。実際、お子さんは放課後に友達と遊ぶ機会も奪われました。

この件に関しては谷本先生にご指南いただき、週明けに校長へ謝罪を求めます。

他にもこのような事例はあると思います。
誤った対応から身を守るためには、保護者側も正しい知識を身につけておく必要があると感じました。

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よろしくお願いいたします!

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