「時間よ止まれ」
彼女を時計が見えない席に座らせた。
終電を気にさせたくなかったから。
この店を見つけた時から連れてきたかった。
静かに流れるジャズと小さな電球が彼女を照らし。
まるで彼女が僕の恋人のように見えて。
気取ってバーボンなんかを頼んでみたけど。
彼女は店のインテリアを見渡してポツリと言う。
「今度、彼を連れてきたいな♩」
失恋はバーボンよりも苦く。
彼女は終電よりも5本も早い電車で帰っていく。
時間よ止まれ。
でも、時間は人の感情など関係なく刻んでいく。
後悔をしたくないなら、
時間を止めたいと思うより1秒の大切さを知る方がいい。
秒針があと何回刻む間生きていられるのだろうか。
母と父の命の炎が消える瞬間に立ち会えなかった後悔。
親の死で自分の死の現実を知る。
やりたいことがあるのに何故躊躇しているのか。
だから僕は躊躇という言葉を消し去った。
我慢した後に幸福が来るのではない。
幸福は決断の後にやって来るものだ。
必ず終電の時間は来る。
決断するなら今しかないのである。
時間は止まらない。
#今日は愛知で米糀作り
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