上久保教授の共同研究者の高橋淳教授のFB記事、F友限定だけど共通のF友でもある竹林医師がシェアされているので、私も気を良くして(笑)シェアして皆さんと共有します。
一流学者の書き物なので短いながら読みやすく読み応えはあります。
※私の理解では第一節の内容は、当初一年で新型コロナは収束する、と考えられていた根拠かと思います。そこへ、想定外の変異ウィルスですかね。

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変異によって「感染力」がより強いウイルスになるのは難しい。生物はそんなに便利なものではない。1つの変異で「感染力」を上げる進化は、2020年末の段階で既にプラトーに達していたと考えられている。

しかし、そこから始まったのは多数の変異を同時に獲得することで「感染力」を上げる進化である。Alpha, Beta, Gamma変異株の出現だ。

そしてさらに「感染力」の上がった変異株は、Alphaの子孫から生じると思われていた。しかし、実際には全く別の系統からDeltaが流行した。Omicronもそうだ。それらが先行した変異株を駆逐できたのは、先に流行したウイルスに対して成立した「免疫を回避」できるからである。現在日本人はDeltaに対して免疫を持っている。しかし、OmicronはDeltaに対する免疫では防げない。だから今、爆発的に感染拡大しているのだ。

なぜDeltaもOmicronも過去の変異株とは全然別の系統から出てきたのか。「感染力」上昇は既に感染力の高いウイルスをさらに進化させる方が効率的だが、「免疫回避」のためにはむしろ全く別の系統から出る方が有利である。Delta、Omicronは「感染力」ではなく、「免疫回避力」でそれ以前のウイルスを駆逐していると考えられている。ワクチン接種が進むほどDelta、Omicronが感染拡大してきたことを示す私の疫学データも、その状況を反映しているのだろう。

しばらくするれば、皆Omicronに対する免疫を持つようになって収束する。そしてまた、全く別の系統からOmicronに対する免疫では防げない新しい変異株が出て、感染拡大する。今存在する風邪ウイルスもインフルエンザも皆同じ原理で毎冬流行してきたのだ。

このままでは、SARS-CoV-2のパンデミックは終わらないだろう。重症肺炎の流行はもう終わったのだと皆が気づくまでは。

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