【質問】
「汚いものや悪を否定するのではなく、受け入れて大事にして綺麗にしてゆく」について教えて下さい。
【回答】
世の中には、
「失敗したものは排除しろ」という考えがあります。
それは、
「悪いものを切り捨てることで、世の中が良くなる」という思想があるからだと思います。
この悪いものを排除すれば、世の中が綺麗になるという思想を、
仏教の視点から言いますと、
「不浄」に対して「浄の迷い」と言ってもよいかな、と思います。
仏教では、
「汚いものを排除して、綺麗になろうと思う心」こそ、
「最も汚い心であり、心が醜くなる」と教えられます。
仏教で綺麗な心とは、
「汚い状態を綺麗にしてゆくことが好きな心」であって、
「綺麗な状態が好きな心」ではありません。
だから、綺麗な環境を汚すものが現れても、その相手を否定することなく、
その人が汚した所を、気持ち良く綺麗にしてゆく。
たとえ綺麗にしても、綺麗にして汚されたとしても、
「何で汚すのか」と怒りを起こさずに、
「これで掃除が出来る」と喜ぶ。
悪を排除する心は、綺麗な状態が好きなだけです。
「汚れても、汚した人が責任を取って掃除をすればいい」と思って、自らが動こうとしない。
汚いものや悪を否定するのではなく、それを受け入れて、大事にして綺麗にしてゆく。
そうしてこそ、自分の心も綺麗になるのだと知らされます。
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