春夏秋冬の味
 
春のキーワード「苦味」
春野菜には解毒作用や抗酸化作用の働きの高いものが多く、冬の間にため込んだ老廃物を排出したり、暖かい季節へ向かって心身をいきいきとさせてくれるのです。
春野菜特有の苦味成分にはビタミンCや抗酸化作用のある「ポリフェノール」のほか、植物毒の一種ですが、新陳代謝が衰える冬の間にため込まれた老廃物を排出してくれるデトックスの働きを持つ「アルカロイド」という成分が入っています。
アルカロイドは大量に摂取すると中毒を起こしますが、普段の食事の中で摂る分には問題ありません。
東洋医学の原点ともいわれる「陰陽五行説」では食べ物にも陰と陽があり、5つの味(五行)に分類されます。
そして、体内に取り込まれた五味は、それぞれの五臓六腑に作用するといわれています。
 
夏のキーワード「体を冷やす」
夏野菜は火照った体を冷やす作用や夏バテに負けないようスタミナがつくよう調整するもの、暑さで奪われやすいビタミンCが豊富なものが多いのです。
よくできたもので、体を冷やす野菜は暖かい地域で夏に収穫するものが多く、体を温める野菜は寒い地域で冬に収穫するものが多いと、東洋医学では教えます。
そして、上に向かって育つ野菜は体を冷やす野菜が多く、逆に下に向かって育つ野菜は体を温める野菜が多いのです。開放的になる季節と内向的になる季節の違いが、野菜の育ち方にも表れているようです。
 
秋のキーワード「ジビエ」
「食欲の秋」といいますが、この季節は美味しく、かつ栄養素も高い食品が豊富です。
内にこもる冬に向けて、栄養を蓄えるという時期でもあるからです。
秋から冬にかけて見逃せないのが、何といっても「ジビエ」です。
家畜と違って、野生で育った鳥獣の肉は筋肉質で脂肪分が少なく、高タンパク・高ミネラル・低カロリー。
鉄分や動脈硬化を防ぐリノレン酸がたっぷり含まれているものが多いのが特徴です。
この時期の旬であるキノコと並んで、ジビエは放射能の影響を受けやすいので、産地を選びますが、大量にインターネット通販で購入して冷凍保存し、私は春先まで楽しみます。
 
冬のキーワード「鍋」
和出汁のシンプルな鍋にしゃぶしゃぶ、すき焼き、豆乳鍋、キムチ鍋、坦々鍋、タジン鍋……。
「水溶性ビタミン」を多く含む白菜やにんじん、ブロッコリーなどは、茹でるとビタミンが水に溶けてしまうといいますが、鍋の場合は出汁やスープも一緒に楽しめるので、栄養素を余すことなく堪能することができます。
鍋ものはどちらの家庭でも冬の風物詩ではないでしょうか。
そこで使う野菜やお肉、お魚の素材を「本物」にするだけで、いつもの鍋もグッと美味しくなるはずです。
間違っても、つけダレに食品添加物が入った市販のポン酢なんかは用意しないことです。
 
<あなたを殺す食事生かす食事より抜粋>

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