【質問】

「色即是空、空即是色」を、身近な例を通して、教えて下さい。

【回答】

「色即是空、空即是色」とは、『般若心経』に説かれている有名な経文です。

私達は、何か苦しいことがあると、「こんなに苦しいのは、目の前に、こういう思い通りにならないことがあるからだ」と思ってしまいがちです。

そして、この苦しみを解決するには、

「目の前の、この人が自分の前からいなくなるか、自分がこの場から離れたらいい」と思ってしまいます。

しかし、仏教では「目の前の嫌なことがあるから、自分が苦しむ訳ではない」と教えます。

苦しみは、自分の心が生み出すのです。

苦しいのは、相手の存在によって、自分が否定されているように感じるから、苦しいと思うかもしれませんが、

しかし、否定しているのは相手ではなくて、自分が自分を否定しているのです。

自分の心が、自分を否定している。

この唯識の真理が分かれば、

自分の中にある苦しみを空じることが出来ます。

これが、有名な般若心経の「色即是空」です。

また、他人を否定すると、自分が発信した感情が跳ね返って、世界を通して、自分が否定されているように感じます。

誰かが自分を否定しているから、自分が否定されているように感じるのではなく、

自分が否定しているから、それが世界を通して、自分に跳ね返ってくるのです。

だから、誰も自分を否定している人はいなくても、自分は否定されているように感じて苦しむ。

これが、「空即是色」です。


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