【質問】
 
苦しみは、何が生み出すのでしょうか。
 
【回答】
 
仏教では「全ての苦しみは心が生み出すものだ」と教えます。
 
色眼鏡をかけて、世界を私達は見ています。
 
色眼鏡とは、阿頼耶識に収まっている経験と、末那識という我のフィルターで私達は世界を歪めて眺めているのです。
 
この色に喩えているものは、心の状態を指します。
 
例えば「いつも責められているのではないか」と思って、ビクビクしている人は、

ちょっとした相手の言動でも、責められているように感じて苦しくなります。
 
また「馬鹿にされているのではないか」という世界の中で生きている人は、

相手が丁度、挨拶を返してくれなかっただけで「馬鹿にされた」と思って腹を立てます。
 
このように私達は「相手はこういう人だ」と決めつけて見ていますが、

それは自分の心が、そんな世界の中に生きているから、そのように見えるだけで、
現実には自分が見ている世界とは違うかも知れないのです。
 
では、この心の世界とは、どのようにして決まるのでしょうか。
 
それは自分の心から、普段、どんな心が起きているか、それで決まります。
 
例えば、人のことをいつも馬鹿にしている人ならば、
その人の心は「馬鹿にされているのではないか」という不安に包まれますし、
 
人を責めている人は「自分は誰かに責められているのではないか」という不安が起きてきます。
 
このように、天に向かって唾を吐いているように、
他人に向かって起こした感情は、鏡のように自分の元へと跳ね返り、返って来ます。
 
だから、いつも何かの不安に怯え苦しんでいる人は、間違いなく、自分の心から起こした思いによって苦しんでいるのです。
 
自分の心の世界は、自分の心から起こす思いによって決まる。
 
これが仏教で教えられる因果の道理であり、
これを体得して、苦しみから離れてゆく教えが、仏教なのです。


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