私たちは時間の流れを感じるのが怖い。

それは時間が進むと、それだけ死に近づいてゆくからです。

死とは、今、自分だと思っている自分が消滅する瞬間。

魂は続くが、自分は無くなる時でもある。

そんな自分が無くなることを魂は知っているから、私たちは無意識のうちに死を恐れ、死に向かう時間の流れさえも感じないようにする。

だから、時間の流れを感じないように欲に走る。

欲を満たしている間は時間の流れを感じない。

五時間過ごしても七時間過ごしても、あっという間に過ぎ去ったように感じる。

あっという間に時間が過ぎ去るので、何時間過ごしても何年過ごしても、自分の中では少ししか時間が経っていないように思って、まだまだ時間があると思ってしまう。

その為、どれだけ欲に流れていても、満足することなく、時間があったら欲に流れようとしてしまう。

しかし、自分の中では時間が流れていなくても、現実には膨大な時間が流れているから、早送りをしているように時間は流れている。

でも、自分の中では、あっという間に過ぎ去るから、それだけ時間を過ごしたと思うことなく、どれだけでも時間を無駄にしてしまうのです。

欲に流れている人は死を恐れながら、あっという間に死がやってくる。

こんなに早く死がやってきたことに驚きながら死んでゆく。

それでどんなに後悔してやり直したいと思っても、やり直しができる訳ではない。

欲は楽しいが、恐ろしい。

時間を早送りするものが欲だと深く理解して生きてゆかなければならない。

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