【質問】
「四摂事(ししょうじ)」について教えて下さい。
この教えは「みんなの人気者になれる方法」だと聞きましたが、どういう話なのでしょうか。
【回答】
「必ず人に好かれる方法」
「みんなの人気者になれる方法」を、お釈迦様の経典から、お示ししましょう。
お経に出て来る、みんなの人気者であるハッタカ君の話を紹介します。
ハッタカ君は、ハッタカ・アーラワカ、という名前の若者で、
赤ちゃんの時に、お釈迦様に抱いてもらったことがあります。
これは、とても珍しいことで、ハッタカ君は大きくなってからも、お釈迦様にとても可愛がられたそうです。
このハッタカ君は、とても多くの人に好かれ、どこに行っても沢山の人が周りに集まって来て、にぎやかなのです。
あまりに人気があるので、ある人が、お釈迦様に、
「なぜハッタカ君は人気があるのか」と尋ねました。
するとお釈迦様は、
「ハッタカの心の中に、
ちょっとした秘密があります。
ハッタカは、四つの真理の生き方を
守っています。
だから、あれほど人気が、
あるのです」
とお答えになったそうです。
その四つとは、
ダーナ（布施・ふせ）
ペイヤワッジャ（愛語・あいご）
アッタチャリヤー（利行・りぎょう）
サマーナッタター（同事・どうじ）です。
人格を高めるための教えとして、説かれた仏教の大切な教えである
「四摂事(ししょうじ)」です。
まず、ダーナとは布施と訳されていますが、英語のgiveギブに当たる相当する言葉です。
つまり何かを与える、施しをする、ということです。
ハッタカ君は、いつでも人を助ける行動をしていたそうです。
「助ける」といっても、その人に出来ることなら、何でもいいのです。
何か知りたい人がいたら、知っていることを教えてあげる。
手伝って欲しいと思っている人がいたら、手伝ってあげる。
そのために、彼は人に好かれて、人が集まって来た訳です。
人に何も与えないで、
「人間関係がうまくいかない」と悩んでいる人々が沢山います。
何も与えない人は、他人から見ると、
「居ても、居なくてもいい人」になってしまいます。
「与える、施す」という行為によって、社会の中で色々な良い関係が築けるのです。
二番目の、ペイヤワッジャ（愛語）とは、美しい言葉、相手が喜ぶ言葉をしゃべることです。
腹が立った時でも、
相手をけなさないように、プライドを傷つけないように言葉を選ぶ。
誰かを叱らなければならない時でも、
相手の人格を大事にして、人間として、その人の立場を大事に守りながら、叱ります。
「間違いを正してくれて優しい人だ」
と相手が感謝してくれるように教えてあげるのです。
ハッタカ君は、人に対して、いつも優しい言葉でしゃべっていたのですが、
これだけでも、大変な人気者になれるのです。
三番目の、アッタチャリヤー（利行）は、「人のためになる生き方、人の役に立つ生き方」という意味です。
無駄な行動をしないこと、役に立つことをすることです。
この世は、無駄なことだらけです。
無駄な話、無駄な勉強、無駄な仕事、無駄な工事、などなど、
これらのことから、身を遠ざけることです。
本当に必要なことを、徹底的にやる人は、他人にとって必要な人になります。
世の中には沢山の人間がいますが、
「あの人でいなければ、私達は困る」という人は、殆どいません。
あなたが、そういう人になれば、
求めなくても、人々が周囲に集まってきます。
四番目の、サマーナッタター（同事）とは、
「どんな人も、どんな生命も、平等で同じだ、という気持ちで生きる」
ということです。
ハッタカ君は、リーダー的な存在ではありましたが、親分肌ではありませんでした。
みんなと友人として、兄弟として、
平等に付き合っていました。
だから、みんなが彼のところに集まってきたのです。
みんなと対等な友人として、付き合ってくれるので、一緒にいると楽しいのです。
以上が、人気者になるための、
四つの秘訣です。
もう一度、繰り返しますと、
🔘ダーナ（布施・ふせ）
つまり、色々自分に出来るやり方で、他人を助けること。
🔘ペイヤワッジャ（愛語・あいご）
つまり、よく考えて、相手の喜ぶことを話をすること。
🔘アッタチャリヤー（利行・りぎょう）
つまり、人の役に立つ人間になること。
🔘サマーナッタター（同事・どうじ）
つまり、平等であることです。
これは、あらゆる時代、あらゆる場所で通用する教えです。
今日からでも、すぐ実行してみて下さい。
これは、お釈迦様が発見された真理ですから、きっと効果が現れると思います。
私も頑張って、実行していきます。
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