やはり小頭症の原因は住友化学の農薬?
 2016年前後、ブラジルで小頭症で生まれてくるケースが激増。当初、2015年11月に非常事態宣言されたジカ熱ウイルスのためだ、と言われたが、ジカ熱ではそんな関連は確認されておらず、また発生地域が食い違うとして、その本当の原因がモンサントの農薬だというニュースが世界を駆け巡った。実際のこの農薬はモンサントの農薬ではなく、モンサントのパートナーである住友化学が販売する蚊幼虫駆除剤ピリプロキシフェンであり、ブラジルのリオグランジドスル州では使用禁止となった。
 住友化学は安全を確認しているとプレスリリースを発表。懸念を否定し、販売を継続する意欲を見せている。
 しかし、この農薬をオタマジャクシに与えると明らかに甲状腺ホルモンの生成量が減る。甲状腺ホルモンが減ると神経細胞の生成が影響を受け、結果的に脳細胞も十分発育できなくなるという。死亡率も高く、実際にオタマジャクシの脳は十分発達できない結果になった。
 
 2014年にサッカーのワールドカップがブラジルで開催され、2016年はリオ・オリンピックが開かれた。それに向け、激増する蚊の対策としてこの農薬が都市部で大量に撒かれた。
 だいたい蚊が激増する背景は農薬の使用でカエルやトンボなど蚊の天敵が激減してしまうこと。カエルは全身農薬を吸収しやすく、農薬の影響も受けやすい。天敵を失った蚊は激増する。そしてジカ熱やマラリアの被害を広げてしまう。そこでその蚊を減らすためにさらに農薬を使うわけだが、さらに天敵の生存に影響を与えてしまう。農薬によって生まれた問題をさらに農薬で解決しようとする、そしてさらに被害が大きくなる。これでは永遠に問題は解決せず、すべては農薬企業の利益になってしまう(これは環境破壊ビジネスと呼ぶべきだろう)。
 
 この悪循環を止める唯一の方法は天敵が復活できる環境を作ること。生物多様性を取り戻すこと以外、ありえない。この悪循環により広範な人びとが苦しむことになるが、衛生的な水を得られない貧困層の人びとがもっとも影響を受ける。原因を早く除去できれば回復も期待できるはず。原因が早く究明できなければ水俣病のように苦しみが拡大するだろう。一刻も早い原因の確定と、農薬規制が拡がることを期待する。
 
GMWatch:農薬が小頭症に与えた影響について、9月15日に公開された論文について
Study shows anti-mosquito pesticide pyriproxyfen link with microcephaly
https://www.gmwatch.org/en/news/latest-news/19889

2016年2月11日の投稿
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/1251535314873296

2016年2月13日の投稿 住友化学とモンサントの関係
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/1252568868103274
追加して書いておくと、そもそも住友化学はモンサントのパートナーとなることによって市場を拡大した。モンサントの遺伝子組み換え作物栽培に住友化学の農薬が使われることになり、遺伝子組み換え大豆の南米生産拡大と共に、住友化学も南米展開が拡がった。つまり、コバンザメ商法。モンサントに従うことで成長する。日本の政策が米国追従となるのも企業には実利がある。もちろん、市民にとっての利益は1つもない。そして経団連の会長はすでに住友化学は2代目が現役。

2016年2月15日の投稿 リオグランジドスル州で使用禁止に
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/1254055217954639

2016年2月21日 住友化学の主張について
https://www.facebook.com/InyakuTomoya/posts/1257342820959212