トランス脂肪酸
 
トランス脂肪は今、海外では最も危険視されている脂肪酸です。
しかし日本人でそれに気付いているひとまだまだはわずかなようです。
トランス脂肪は、不飽和脂肪を加熱し、水分を蒸発させ、脂肪を凝固させたものであって、もとは不飽和脂肪だったものが飽和脂肪になっています。
こうした脂肪は人工のもので自然には存在しないのですが、なぜこうするかという一番の理由は保存という意味でも長持ちするからです。
 
海外の消費者はトランス脂肪の危険性に気付き始めています。
ニューヨーク市が初めてトランス脂肪を完全禁止しました。
トランス脂肪は、糖類とともに、糖尿病、高血圧、コレステロール疾患、心臓血管の病気、癌、リウマチ性関節炎、カンジタ症、アレルギー、うつ、慢性疲労などあらゆるものに関与するとされています。
トランス脂肪は、身体にとって異物であり、細胞(DNA)を損傷させる能力を持つ危険な物質なのです。
砂糖や人工甘味料と同様に、そのダメージは蓄積していくことになり、相乗的な悪い効果が推測されます。
 
みなさんがご存じのマーガリンと呼ばれる物質は部分水素添加植物油で作られたバターの模造品、つまりトランス脂肪酸の一種です。
マーガリンというのは、本来、屠殺用の家畜を太らせるための二級のバターであって、分子式の水素を増やすだけでプラスチックに早変わりする代物なのです。
強い力をもった食品産業が、金儲けのためにこんなものを売っているだけなのがよくわかります。
彼らにとっては、人々の健康はどうでもよいし、そもそも彼らは決してこのようや食品を食べないし、政府もあなたを守ってはくれたりはしません。
なんで政治家がこれを規制してくれないんだ!って言っている段階で、重度の依存症です。
まず自分たちで動くのが生物として当然のことなのです。
 
「単不飽和」と「多価不飽和」の植物脂肪の違いも知っておいて損はありません。
多価不飽和脂肪には、炎症を起こすオメガ6脂肪酸が含まれます。
単不飽和脂肪には、非炎症性のオメガ3脂肪酸が含まれます。
よくオメガ3が健康に良いと言われますが、オメガ6も体には必要です。
必要なのはそれをいい比率で採ることであり、現代人はオメガ6が多くなりすぎていることこそが問題なのです。
オメガ3が入っている油を意識してとることが重要ですが、植物油は基本的に熱を加える料理に適していないので、そのあたりも注意する必要があるでしょう。
 
<おかんと医者の社会科見学より引用>