「全仏オープン(ローランギャロス)では私に罰金を科せられ、賞金とポイント獲得に対する私の訴えも却下されたので、私にできることは前を向き続けることだけです
 そもそもあの場面あの時間敬意あの裁定は、審判団の失態であることは明白でありグランドスラム(英: Grand Slam)は、失態を恥じることはあれ、被害選手の提訴を却下できる立場にない。加藤未唯選手に伝えるべきは次の誠実な態度です。

We, the referees, were fooled by the lies of the opposing pairs. Even though I didn't even see the moment I hit it, I was lied to that I was relentlessly eating and bleeding, I made a rash decision based on subjectivity

(私たち審判団は対戦ペアの虚言に騙されました。
当たった瞬間も視ていないのに執拗に食い下がり流血までしたとウソつかれて、
主観から軽率な決定をしてしまいました)
i am sorry(申し訳なく思います)

Inappropriate withdrawal of points/prize money I send back to you correct and apologize (ポイント・賞金の剥奪は不適切でした
お返しします 訂正してお詫びします)

We also forced the Tournament Director to unwittingly lie, saying, "It's clearly written in the rulebook."
I gave the pain of "second rape" to Kato, who had already been damaged
(私たちも大会ディレクターに「ルールブックに、明確に書いてある」と思わずウソを発表させてしまいました。すでに被害に遭われてる加藤選手に”セカンドレイプ”の苦痛を与えてしまった)

 ・・・これがないのですから「却下された」で終わらせると、これは悪しき前例を放置することになるので――トーナメントでは試合のやり直しは無理でも、ポイント・賞金は最低でも選手に返還するべきだ、こういう失態のないように規約の見直しも必要だ――とするのがプロテニス協会の姿勢だから、加藤未唯選手としては、よく協議を重ねてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴することではないでしょうか。


 大会規約に「プレー中のアウト・インの判定を確かめる」とあるからと、それ以外をNOと決めつけて拒否する理由にはならない。こういうことはふつうに考えて映像を確認すれば済むことであり、大会規約を変更する必要もない。
 この問題は、ある条件下で起こり得る〈思い込み〉による100%誤審の典型例。
「ボールパーソンが泣き止まない→それはきっと危険球に違いない」というバイアスに嵌ったこと。先入観や騙し騙されることで人が陥りやすいことでもある。
 これを未然に防ぐに規約改正は必要ない。
 「もしかして…」と立ち止まる柔軟な発想があればよい。今回でいえば加藤選手から「映像みてもらえば」と指摘が出た時に「OK」と応じていれば済んだこと。

 

 


 メディアの報道のなかにも曖昧な表現がある。
 例えば「ボールガールへの返球が後頭部を直撃」といったもの。
 正確には「背中。首の付け根に近い、肩の後ろの肩甲骨に」と言わないとミスリードになる。これがあるから「頭部に当たったなら危険球だ」に誘導される。
 下から上の順に、肩甲骨、頸椎骨、頭蓋骨。
問われるのは位置と球威。頭部直撃は「頭蓋骨」を指す。実際に当たったのは背中の「肩甲骨」とみられ、そのあいだには頸椎骨がある。これだけ離れて、緩い球なら危険球とは言い難い。それを危険球とすることにもナブラチロワは怒っている。

 ある指摘に寄れば、ボールパーソンが動かずにいれば頭部どころか身体のどこにも当たらず、打球はボールパーソンの左右に避けたとされる。打球が飛んでくるのを察知したボールパーソンが驚いて思わず屈みこんだことで却って直撃したらしい。
 これは交通事故でいうと、さっさと渡れば無事だったものをクルマが来ることに“ハッ”と気付いた瞬間に恐怖で立ち止まってしまい、そのままドン!と当たる現象を思い起こすとよい。
 いつ・どこから飛んできても~と注意していたならば、球が飛んで来る左右どちらかに一歩、難なく身を移動させることもできたし、両手が塞がっていてもこの場合の最優先は身を護ることだから、球を持ったままでも打球を払うことも、持ってる球を足元に手離してキャッチすることもできたのです。
 インプレー中であれば、サーブを打ち返された打球が飛んで来るから直撃を避けながら拾うだけでよい。インプレーが止まった状態だから邪魔な球を打って返されることは当然これは想定内のことであり、自分のいるコート側の選手にボールを渡すことだけに集中してしまったボールパーソンの〈うっかりミス〉でもある。
 これは車の運転でいうところの前方不注意の漫然運転(脇から子供が飛び出す可能性を忘れて漫然と無警戒な運転をしていた)にあたる。緊張感が過剰に高まるか逆に慣れ過ぎて漫然と立っている時にどこでも起こり得る現象です。

 加藤未唯選手よ。「却下されました」で終わらせてはいけない。
「私にできることは前を向き続けることだけです」では言葉が足りない。
アンフェアにして恣意的に用いる余地が残る。
「悪い前例を放置してはなりませんからスポーツ仲裁裁判所に提訴することを決めました。それについてプロテニス協会とも前向きに協議中です。こういうことに慣れてる専門の弁護士と、ツアーの合間をみながら協議することになりました。やれることやりきります」と言い切らないといけない。


 加藤未唯選手としては煩わされることも避けたいのかな?
 大坂なおみ選手は世界ランキング1位になったこともある。その裏では態度が悪いの問題発言の、行方不明の、とふりまわされ、不当に処分されてランキング落とされたりした。それを泣き寝入りしないで必死にやり返す“交戦力・経戦力”が意味を為す。
 それは単なるテクニック・スタミナ・歴戦の経験といった実力だけでもなければ、幸運だけでもない。もうひとつの要素「闘い続ける姿勢(メディアを味方につける)」に負うところも大きい。それで処分撤回させたこともある。
 勝負の世界には宮本武蔵のような泥にまみれた強靭さ――己を知る・敵を知る・地の理を知る――も必要。無駄なく勝ちを納める試合巧者のこと。

 大坂選手を支えてきたプロコーチも今回の騒動では加藤選手を鼓舞してくれた。
 プロテニス協会が「アンフェアな裁定ではダメだ」と言い切るためにも、ここは当事者(この場合は加藤選手)が折れないこと、逃げないことが前提となる。
 日本人選手は「悲劇のヒロイン」として人気が出るなら、損して得取れwwwなんていう弱い面がなきにしもあらずなところがある。