20世紀までは誰もが核戦争ばかり意識していた。
いまも核戦争の怖れが消えたわけではない。
けれども21世紀の今では、原発とテロといふ新たな組み合わせが現実味を帯びる。
もうひとつ忘れてもらっちゃいけない厳しい現実がある。
それは子供のいない世界こそ、いちばんの悪夢であるということ。
子供とは未来の希望そのもの。存在するだけで社会の活力になる。
1945年夏に日本は戦争に負けた。
神武の建国神話以来はじめて他国に侵略占領された。
それでも国破れて山河あり。たくさんの子供たちがいた。未来に希望が残された。
戦争というのは国家間の紛争解決の最終手段。武力の衝突。
それを可能にするのは幾重にも世代が存在するからである。
生き残って親になった大人たちは必死だった。額に汗して懸命に働いた。
そうなのだ。懸命に働きさえしていれば子供を育てていける。
懸命に働行けさえいれば生活も豊かになるし未来が開ける。だから皆必死に働いた。
民は単なる労働力に非ず。使い捨てる消耗品に非ず。
松下幸之助、井深大みたいな、しっかりした倫理観の指導者・経営者もいた。
わかっていても真似できない。他国が羨む日本の底ヂカラだった。
今年もまた桃の三月、桜の春を迎えようとしている。
晴れの卒業を迎える小学生、中学生、高校生、大学生。
みんなの成長を慶ぶ。
大人たちよ。子育ては手を抜くなかれ。親だけの責任ではない。
子供の恩恵は測り知れないものがある。
この社会に生まれてくれたことを心から感謝せよ。
いつのまにやら梯子酒♪・・・じゃなかった
いつのまにやら社会の価値基準、人々の価値観が歪んでいった・・・
我が子に、いいものを着せたい、いいものを食べさせたい
いい教育をうけさせたい、安定した収入を得られるように・・・といふ親心
どこも壊れてないのに次々に買い買えたがるマイカー、易くない家賃、マイホーム資金・・・
共働きしても、どこかしら犠牲を伴う家計。確保したい教育費。
限られた所得のなかで無理をする少子高齢化の罠。
国の根幹がなんであるか人々が気付きはじめた時、
すでに日本の社会は構造的にどうにもならないところまできていた・・・
まだ日本の未来は終わっていない。
ゴーストタウン化の阻止。商店街の再生を考えよ。
それにはコンビニを大幅に減らし郊外型大規模店舗も減らすこと。
回収工場式クリーニング業を規制すれば、街のクリーニング屋さんの熟練の腕が生きる。
流通に頼らず地産地消を基本とする。なんでも生産地域でまかなえるように。
専業農家を支え促進し農薬を使わない体にやさしい農耕栽培に。
八百屋・魚屋・肉屋・菓子屋・豆腐屋・酒屋・米屋・洋品屋・履物屋・本屋を歩いて会話することは、地域社交の復活、無駄な医療の改善にもつながる。
少子化を阻止するためにも教育を根本から見直したい。
子供の教育ではない。子供を育てる大人の再教育が先。
「大量生産・大量消費・コストダウン神話」から「ていねい製造・だいじに消費・再生修理」へ。
ものを壊れないうちから飽きたら買い替える発想をやめる。
壊れたら修理してでも再生する思考を身に着けさせる。
熟練の技術職人が生きる。街の電気屋さんが生きる。
万事にいえることながら便利を求めすぎるとツケを払わされるということ。
過度な贅沢は禁物なれど充実は是。少欲知足の思想の徹底を。
植木等と昭和の時代 (別冊宝島 2545)
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