「DNAで骨が曲がってる!?」これは本当の話でしょうか。上部頸椎の関節角度が左右で違うのはレントゲンを撮ると映ります。

このレントゲンは中学生A君の「Nasium View(鼻孔像)」です。鼻の両側に逆ハの字の線が見えるでしょうか、この線が「後頭顆ライン」といい、頭蓋骨と第一頸椎(C1 Atlas)の関節面になります。

なかなか見にくいと思われるので、骨を青いラインで描写しました。そして、頭蓋骨の中心に赤いラインで垂線を描き、後頭顆ラインを辺に持つ二等辺三角形を書き加えました。左右の関節面の勾配の違いがさきほどよりわかり易くないですか?

さらにシンプルなイラストを描いてみました。頭蓋骨と第一頸椎(C1 Atlas)の関節面はテーパー構造になっていて、自重により自動的に中心位置を維持できるようになっています。しかし、我々は有機体なので、完璧に左右対称にはなっていません。この画像ですと画面左側(モデルの左頬側)のテーパー角度が強いため、第一頸椎が左側へズレやすい傾向が示唆されます。

骨をつなぐ関節面が左右で対称にならない原因が「DNA」なのかどうかはよくわかりません。左右が非対称に成長する事実を受け止めて怪我の予防をしていくことが大切だと思います。不得手方向への運動やストレッチを根性で無理強いすることはやめたほうがよいとこのレントゲン画像から判断できますね。


次回は第一頸椎が左側へズレやすい傾向を具体的に解説していきます。ご購読ありがとうございます。


教科書的な一般論なため、このモデルさんの正確な状態を記したものではありません。自然科学に由来するカイロプラクティック哲学の考え方をご紹介する目的の記事になります。

 

 ご興味を持ち詳しく知りたい方は賀来 史同 (著)「上部頸椎カイロプラクティック―哲学・科学・芸術」を手に取っていただけると幸いです。次回は第一頸椎が左側へズレやすい傾向を具体的に解説していきます。ご購読ありがとうございます。

 

レントゲン撮影:今井先生のご紹介により併設医療機関にて撮影していただけました。

 

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