ケルン放送交響楽団、ギュンター・ヴァント指揮で、ブルックナー全集を聴く。
4番、6番聴きました。

対照的な4番、6番。
交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』は、1874年にその第1稿が完成した交響曲。
「ロマンティック」というタイトルと比較的親しみやすい曲想で、演奏頻度も高い。
たびたび改定され、ここでの演奏は第2稿をもとにしたハース版。

一方、交響曲第6番イ長調は、1879年9月から1881年9月にかけて作曲された。
改訂はされなかたとされる。
全曲通しの初演は、ブルックナーの死後5年経過した1901年3月に行われている。
ブルックナー中期の傑作といえるが、演奏機会は比較的少ない。

似ていないのだが、なんとなく、内なる生命力を感じる点で、この2曲は似ていると感じる。

6番のヴァントの演奏が素晴らしい。
対位法的な構造美が素晴らしい。

大自然を愛好する気持ちが交響曲の中でのびのびと表現されている。とされるが、
非常に厳しい演奏であり、真摯さが伝わってくる。
次の7番、それ以降を意識しているのかもしれない。

聴きごたえのある演奏だと思う。

 


【収録情報】
アントン・ブルックナー:
・交響曲第1番ハ短調(1891年稿/ウィーン稿)[ブロシェ版]
録音:1981年12月

・交響曲第2番ハ短調(1877年稿)[ハース版]
録音:1981年12月

・交響曲第3番ニ短調(1889年稿/第3稿)[原典版]
録音:1981年1月

・交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』[ハース版]
録音:1976年12月

・交響曲第5番変ロ長調 [原典版]
録音:1974年7月

・交響曲第6番イ長調 [原典版]]
録音:1976年8月

・交響曲第7番ホ長調 [ハース版]
録音:1980年1月

・交響曲第8番ハ短調 [ハース版]
録音:1979年5、6月

・交響曲第9番ニ短調 [原典版]
録音:1979年6月

ケルン放送交響楽団
ギュンター・ヴァント(指揮)

録音時期:1974年7月~1981年12月
録音場所:シュトルベルガー・シュトラーセ・シュトゥディオ、ケルン
録音方式:ステレオ(セッション)