MやAV、TVといったアルファベットの並びに絵のマークが。人を撮るときは顔のマーク。風景撮るときは山のマーク。花を撮るときはチューリップのマーク、運動会など動いているモノは人が走っているマーク、夜の人の撮影には人と星のマーク、フラッシュを使わない場合って感じで別けられています。
それぞれのシーンに応じて、カメラが最適な撮影条件に設定してくれるというシロモノ。何を設定してくれるのでしょうか?ということで一つずつ確認してみます。鉄道写真で使わない、夜のフラッシュ撮影とフラッシュ禁止モードは割愛です。レンズは単焦点35㎜f1.4を使って同じ被写体をモードだけ変えて撮影してみました。
まずは
人の顔モード
このモードで撮影すると
ISO100 f2.0 1/200
AFモードはシングルモードでAFエリアは自動選択です。f2.0と絞りは開放気味なので、ピントは一部しか合いません。人の顔の写真(ポートレート)を撮るといったときの設定は、解放気味で背景をぼかす設定がカメラの設定のようです。一般的なポートレート撮影も背景をぼかす作例が多いのでそれを狙った設定かと思われます。
次は、山のマークの風景写真
ISO125、f5.6、1/30
コレもAFモードはシングルでAFエリアは自動選択でした。こちらは絞りを絞り被写界深度を深くしています。先ほどの設定とは打って変わってピントの合う範囲は広くなっています。奥行きのあるモノを撮るのに適しています。風景写真の基本設定は、被写界深度を深くしておくまでくっきりなので、絞りを絞り込む設定になっています。絞りを絞るだけではシャッタースピードが落ちるので、気持ちISO感度を上げてきています。
次は花のマーク
小さいモノを大きく撮る接写の設定になります。
ISO400、f4.0、1/200
AFモードはシングルでエリアは自動選択です。絞りは絞っているのでピントの合う範囲は広くなっています。接写は小さいモノを大きく拡大する撮り方なので、手ブレが厳しくなることからISO感度を大きく上げてシャッタースピード稼ぐ設定になっています。マクロレンズを使った撮影では背景がボケボケの写真なのに絞りは絞る設定になっています。勘違いしてはいけないのは、マクロだから背景をぼかすのではなくて、近くのモノを大きく撮るから必然的に背景がぼけてしまうといった方が良いのかもしれません。狙ったモノをくっきり撮るのが基本ですから、小さい故にピントの合う範囲が狭くなるので絞る設定にしているモノと思われます。
最後に動きもののマーク
走る鉄道を撮るならコレでしょうって感じです(笑)
で撮ってみると
ISO400、f2.8、1/400
AFモードはサーボAFとシングルAFが自動で切り替わります。でAFエリアは自動選択になりました。ピントがどこに合わせたいところはカメラ任せです。動きモノを撮る設定なので、ISO感度を上げて、絞りも開く方向に設定しています。ポートレートほどは解放してませんが、背景はボケ気味です。
ざっくりまとめると
①人の顔(ポートレート)・・・絞りを開けて背景をぼかす設定
②山のマーク(風景)・・・絞りを絞って背景をくっきりにする設定
③花のマーク(接写)・・・絞りを絞って、手ブレしないようにISO感度を上げてシャッタースピードを上げる設定。
④走る人のマーク(動きモノ)・・・ISO感度をあげて、かつ絞りをあけてシャッタースピードを上げる設定。ピントもサーボAFを使えるようにしている。
全てはどれだけピントを合わせるかが一番最初に来るからではないかと思われます。なので、多くの本では絞り優先AEを推奨したり、プロカメラマンも絞り優先を使うのかもしれません。
カメラのオートモードが何をしているのかというと、絞りでピントの合う範囲を何を撮るのかで調整をして、手ブレしやすいときにはISO感度を上げてシャッタースピードを稼ぐということをやっているだけです。撮るモノに応じての撮り方はというと、ざっくり4種類の撮り方を覚えて自分で使いこなせるようになる必要があります。
さて、鉄道はというと微妙ですね。はっきりと設定はコレって言うのがありませんから。ピントを合わせる、動きを止めるというのが基本になりますから、シャッタースピードを稼ぐ設定の④が近いのかもしれません。AFモードが自動選択のサーボなのでこの辺は自分で使い方を考える必要があります。奥行きもくっきりの写真も求められるときは②の設定でシャッタースピードを稼ぐことを考える必要があると思います。
自分は絞り優先で動きを止める為の方法は、流し撮りまたは追い撮りが基本なので②の設定でサーボAFを使う設定がメインです。この辺の使い方は習慣化しておくと楽なのかもしれません。