ありのままの私への道～自己受容～

ありのままの私への道～自己受容～

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30Apr
- 保育園歴⓵～子ども3人×産後８週仕事復帰の私の場合
  結婚したら辞めるよね。妊娠したら辞めるよね。そんな職場で初の産休取得者となった私。私の辞書に育休という単語はなかった。産後８週×３回出産。産後8週での職場復帰には、子どもの預け先が必要だ。あのころは月齢低いと認可保育園は入園無理で、預け先が極々限られていて。。。預け先を振り返ってみる。子ども3人。それぞれ、３＋5＋３＝11か所私、頑張ったなぁ。。。笑子どもたち、頑張ったなぁ。。。第1子のころは、保育園入園交渉もへたくそで、ただただ福祉事務所に何度も出向いた。保育園に入園しなければ困る理由を担当者に訴える。今ははっきりとしたポイント制だが、当時はまだ緩かったのだろう。事情を訴えたもん勝ち。足を運んだもん勝ち。だとアドバイスをもらった。そういえば、希望通り入園出来なかったことがない。3人で預け先11ヶ所。ひとつは義実家だから10ヶ所希望通り入園。これ凄い。。。公務員なら保育園入園基準第一位にいるから当然希望保育園に入園しやすいが、公務員の中に普通のサラリーマン家庭は我が家だけ、であることも何度かあった。交渉術、結婚して鍛えられた。あ、もしかしたら、事業をする両親を見て得たこともあったのかもしれない。しつこい。私はあきらめない。保育園は吟味に吟味を重ねるし、これと決めたら、四方八方からせめどころを探す。しぶといな。
29Apr
- ケーキを選ぶ2人の母。あまりの違いに目を見張る。。。違和感。。。羨望。。。私はこうなりたい
  小学校に上がった頃かと思う。私の母、父の妹である叔母の2人に私は目が釘付けになった。我が家は本家。夏休み、冬休みには誰彼となく親戚が集まった。叔父、叔母、いとこたち。賑やかな中、箱に入ったいくつものショートケーキがあった。母はまず、子どもたちにケーキを選ばせる。常にそうだ。それまでそんな母に違和感を感じたことはなかった。でもその日は違った。叔母は、まず、自分のケーキを選んだのだ。ぎょぎょっ💦そんな叔母を見ても母は、いとこやわが子を呼びケーキを選ばせようとする。そこで初めて、母のいつもの行動に違和感を感じた。そして私は叔母のセルフィッシュな行動に羨望した。わが母は自分より子どもを優先する。叔母は子どもより自分を優先した。わが母は、常に我慢しているのではないか。それは食べたいケーキを我慢するなんてみみっちいことでは無い。普段から自分を抑え、子どもを、夫を、家族を優先しているのではないか。常に我慢しているのではないか。そこに違和感を感じたのだ。叔母はあっけらかんとケーキを選ぶ。食べ始める。幸せそうに。私は目が釘付けになる。叔母の行動に羨望したのだ。私はこちら側になる。自分を大切にする自分になりたいと思った。ところが、それを実行できるようになったのは、つい最近のこと。私は自分を受け入れられず、自分なんてと思い続け、家族からの愛を受け入れられず、愛がないと嘆き続ける。家族を大切にしていたかと言えばそれも不十分。自分の価値は稼ぐことだと、ストレスフルで壊れそうになるほど働いたこともある。自分を受け入れられないことで、無用な我慢をしていた。今、やっと手に入れた。やっとありのままの自分を受け入れ、大切にできるようになった。自分を愛することを手に入れた。自己受容を得た。世界は変わる。人生は変わった。あの時羨望した、自分の好きなケーキを自分で選べる自分になれたかな。。。
28Apr
- 親戚に囲まれた環境に、夫は改姓して乗り込む。。。私の後ろめたさは何？
  私の旧姓に改姓し、私達家族は義父の家に引っ越す。義父の自宅の両隣は、義父と同じ姓。つまり同じ姓が3軒続いている。両隣は義父の二人の弟だ。もともと義父が子どものころ、平屋で住んでいたその土地を3つに分け、長男の義父は3分の1を相続したのだ。義父の弟家族に挟まれた義父の家に、私たちが同居する。私たちは姓を変え、間に入り込む。表札をかける。。。そもそも夫が私の旧姓を名乗ることに、義父はどういう思いだったのか。夫は次男だ。次男だからいいってもんじゃない。実際、義父と同居したのは次男の夫だ。夫の兄は地方に家を構えて事業をしている。義父と同居することはない。夫が姓を変えることに反対もせず、義父は私たちを受け入れてくれた。それどころか、私は一度も改姓について義父からも義父弟からも尋ねられたことは無い。同居20数年で一度もだ。根っからジェントルマンの義父。ジェントルマン遺伝子を持つ兄弟よ。私は後ろめたかった。誰もに後ろめたかった。夫に。子どもたちに。ひとことも反対しない義父に(義母は亡くなっていた)。隣にいながら何も言わない義父弟2人に。義兄に。義兄家族に。夫の会社に。夫の同僚に。私の職場に。私の同僚に。私の両親、妹には、私はまた別の感情を抱く。いつか書く。結婚時は夫の姓⇒離婚⇒翌日同じ夫と再婚時に私の姓。そこまでして守るべきことだったのか？私の後ろめたさが証拠だ。私の後ろめたさが証拠なんだ。
27Apr
- 本籍は。。。お義母さん、お義父さんが寂しがるから。。。
  結婚する時、夫の姓を名乗った。その前、私の姓を名乗ることは出来ないか夫に打診した私。夫は「今は無理。」と言った。その代わり。。。の気持ちだったのか、夫は二人の本籍を、私の本籍地に置くことを提案した。「お義母さんやお義父さんが寂しがるかもしれないから。」夫はそう言った。たしかにそう言った。泣ける。夫はそう言ってくれていたじゃないか。すかさず、「本籍を私の実家にすると、戸籍謄本を取り寄せるのに手間がかかるよ。」と私は言い放つ。実際私の実家は飛行機に乗って帰省する距離だ。それにしてもだ。こんな言葉より先に言うことはあったんじゃないか。まずは夫がそう考えてくれていた事に感謝だろーよ。バカバカバカ～。私は一事が万事こうだった。愛が来たら、否定する。現実を突きつける。現実が来たら愛がないと嘆く。こうやってブログを書く中で、私は忘れている過去を思い出している。夫の愛を思い出している。夫はやさしかった。夫はやさしかったんだ。自分を愛せないって罪だ。自分を愛せないと他人の愛を受け取れない。生きづらさを感じてはいても、自分に向き合おうとしなかった私。今ごろ振り返って、泣いたって遅い。夫はその時、30年も前に、心で泣いていたんだ。愛が伝わらないと泣いていたはずだ。
26Apr
- 戸籍に傷。。。結婚、離婚、再婚。。。そこまでして姓を変える意味は？
  一旦決めた苗字を変えるには相当の時間と理由が必要だ。たとえそれが妻の旧姓だとしても。家の存続だとしても。そう簡単には認められない。「離婚するしかないな。。。」夫はつぶやく。「。。。え？」「離婚して翌日再度結婚する。それしかない。その際に苗字を変えればいい」そこまでして苗字を変える必要があるのか。こだわっているのは私だ。私だけだ。夫にとって全くメリットはない。戸籍に傷がつく、そう思った。子どもたちの戸籍が汚れる。どんなに調べても、苗字を変えるまで時間が無い私たちには離婚&再婚しかないことがわかった。夫は「大したことじゃない。。。」淡々と言う。そして、「離婚の時、子どもは俺とあなたどちらに付ける？」と聞く。「私でお願い致します。」すかさず言う。こんな時にも、私は将来の離婚の可能性を考え、一時も子どもを手放す事実を作りたくなかった。離婚の可能性は十分にあったから。
25Apr
- 離婚するしかないな。。。７年３ヶ月のお嫁期間。。。
  結婚して数年たっても、私はまだ自分の実家の名前を継ぐことへのこだわりから逃れられないでいた。夫の声を期待を抑えて待っていた。「苗字をそろそろ変えようか」と。夫は何も言わない。私は、時々思い出してはため息をつく。義母が若くして亡くなった。義父は一人暮らしになった。義父は寂しい。「2階空いてるよ～」と何度か言われた。子どもたちにより良い生活環境を与えたい。義父は寂しくなくなる。夫は職場に近い場所に住める。3世代同居となれば、共稼ぎでも子どもに寂しい思いをさせずにすむ。義父の家への同居を決めた。長女が小学校一年生に上がる。いずれ同居するより、転校させずに済む調度良いタイミング。名前を変えるのにも、調度良いタイミングだと勝手に思った。子どもは6歳、4歳、1歳。夫に尋ねた。「いつ頃苗字を変えてくれるのかな」言ってみた。「。。。。今ならいいよ」「。。。。え、いいの？」夫は大きな会社から小さな〇〇事務所へ転職していた。今なら大して会社に迷惑をかけないで済むと。夫は苗字を変える方法を調べてくれた。氏名を変えるには、それ相当の理由が必要である。簡単では無い。裁判しても何年もかかるし、私達の理由ではほぼ無理だとわかった。「離婚するしかないな。」私はお嫁に行った。夫の姓を名乗った。それは、とても短い。。。7年と3ヶ月の期間だった。。。
24Apr
- 母はいったい私に何度ささやいたのだろう。。長女の私はそれを何万倍も自分にささやいた。
  母は、私の小さい頃、耳元で、「お前が家を継ぐんだよ」とささやいていた。実際母が私に何度ささやいたかは定かでは無い。母のささやきは、何百倍も何万倍も、私が私にリフレインした。私は2人姉妹の長女だ。本家として苗字を絶やしてはならない、私が継ぐんだとまんまと刷り込まれた。長女とはそういう生き物だ。家を背負おうとする責任感の塊だ。不憫な生き物。付き合っていたころ、結婚したら私の苗字を継ぎたいと夫に伝えた。「今は無理」「だよね。。。え？今は無理？じゃあ、いつかは可能なの？」「いつかね」そんなことはあるんだろうか。いつかはくるんだろうか。期待しないで待っていよう。そして結婚式前夜、夫は私に言った。「いつか苗字を変えるから。」「え？いつか？本当？」今更言わないで欲しいと思った。期待させないで欲しいとも思った。明日はお嫁に行く日だ。私は夫の姓になる。。。
23Apr
- 住宅ローン借り上げ交渉術を学ぶ②～交渉成功のコツ
  我が家のように、資産価値が下がり、住宅ローン残債が多い場合、借り換えには相当の戦略が必要だ。私は銀行に断り続けられる中、ようやく交渉術を身につけた。交渉相手の要求以上に説得力ある資料を提出。熱く事情を説明をする。味方になってくれる相手の心をつかむ。今までの期間にどれだけのスピードで繰り上げ返済してきたか、回数、金額。中でも実家からどれだけ援助を受けてきたか、繰り上げ返済資金だけでなく、子ども3人分の学資保険をかけてもらっていること、その他援助をこれでもかこれでもかと伝えた。証拠資料もあるだけ全部かき集めて提出する。双方の実家の両親の職業、収入、資産。バックが太いことは銀行の安心材料だ。私たち夫婦の仕事が堅いこと。お金を使わない私たちの生活っぷり。長年の確定申告資料。とにかく、この人なら安心して貸せると信用してもらえる安心材料を必要以上に提供すること、返済の意欲を見せつけることだ。当時、私たちは、夫の母が亡くなったことで義父の家に同居を始めたころだ。生活費は低く抑えられていた。しかも、マンションは賃貸に出していた。マンションを自宅として使っていないことで、借り換え金利は多少高くなった。しかし、購入当初から固定で5％の金利から比べたら雲泥の差だ。確か、2.1％程度であったと記憶する。借り換え交渉が成功。交渉の面白さを知った。アドレナリンが出る。借り上げ返済のおかげもあり、繰り上げ返済のおかげも大きく、当初35年ローンは19年で完済した。夫婦不仲の中がんばったな私。がんばったな実家。。。💦結婚すると好むと好まざると、多くの交渉場面に直面する。保育園入園交渉も何度も何度もしたな。我が家は3人。保育園交渉経験は、ざっと10回。産後8週仕事復帰の私には仕方がない試練だ。また次回。。。
- 義父から同居のお誘い？どうする？？？。。。
  義母が若くして亡くなったことで一軒家に一人暮らしになった義父が、「2階あいてるよ～。」とLOVEコールをくれた。義父がひとり暮らしである心配の解消ができる。更に3人の子どもたちが育つ環境として、申し分ない。徒歩10分以内の最寄り駅が3つ。フリーランスで多くの勤務地を持つ私にはとっても助かる。3世代同居は共働き世帯にとって何より安心だ。よいよい環境での生活の機会を得られると私たちは判断した。義父との同居を決めた。2世帯同居の多い地域だ。予期せぬ幸運は、3人分の保育料が引っ越すだけでトータルで半額になったこと。世代収入が同じでも、住む地域で保育料は半額になるんだ。そんなこと知らなかった。義父の住む地域では、3人目の保育料は無料だった。ラッキー。そして環境。常に静かだ。静かすぎるほど。それまで住んでいたマンションは、まぁまぁ交通量のある道路に面していたから、静かすぎて、馴染むまで落ち着かなかった。引っ越して保育園も家も代わったせいだろう、毎夜1時過ぎに必ず激しく夜泣きする1歳なりたての息子。虐待しているのではないかと思われる程の激しさ。外にでてあやすことは出来ないのは困るけど。静かな近所中に響くから。申し分のない環境だった。ありがとうお義父さん。淋しがってくれて、私たちに同居の声をかけてくれてありがとう。。。同居は考えていなかったから結婚時マンションを購入した。高額マンションは賃貸に出すことにした。
22Apr
- 住宅ローン借り換え交渉術を学ぶ⓵。。。借り換え相手の上を行く
  身分不相応な高額マンションを買ったことで、繰り上げ返済マニアになり、住宅ローンの借り換えという方法があることも知った。いくつもの銀行に断われた。断われる毎に、交渉術スキルをUPさせた。なんせ身分不相応な高額マンションだ。バブルがはじけた直後の購入だ。高額金利だ。住宅ローンの残債が多い。その後、住宅価格はさがる一方。住宅価値はどんどん下がる上、住宅ローン残債が多いから銀行との交渉は難航した。銀行に借り換えを断られるたび、私は賢くなった。今の我が家の状況で、大きい銀行は交渉しても無駄だ。少しづつ規模の小さな金融機関を選択。最後希望かかなったのは、私の断られる度交渉術のスキルUPと銀行側の事情。設立から10年以内の銀行へ。私は、銀行側から要望された資料の他、交渉に有利となるであろう条件を必要以上に提出し説明した。かっこつけている場合じゃない。何かを得たければ、これでもかこれでもかと四方八方から材料を探し出すスキルを学んでいった経験だった。今でもそのスキルは生きている。
21Apr
- 繰り上げ返済マニアになる～楽しかったのは私だけ。。。?夫は。
  身分不相応な高額マンションを購入しての新婚生活。バブル少しあとの当時。住宅金融公庫　基本4.45%（11年目から5.0％）　特別加算枠　5.10％うんぎゃ～、こんな高金利を借りてたんだ。そして返済していたんだ。銀行から借りるのは怖い、住宅金融公庫から固定で借りるのが当然と思っていた。何も知らないって怖い。繰り上げ返済に燃えた。私も夫も金遣いは荒い方ではなかった。ある程度たまると、貯金ゼロにする勢いで、繰り上げ返済をした。どんどん借金が減るのが楽しかった。私は金銭的に甘い実家がある。貯金ゼロでも、なにかあったら頼ればいいと思っていた。実家に帰るたびに、飛行機代からお小遣いからまぁまぁの金額をいただいていた。請求はしない。くれたのだ。ありがたく頂く。それを初めのうちは夫に伝えていた。夫の気持ちを察することは出来ていなかった。お嫁に行けていない私。そのうち、私が実家からお金をもらったことを言っても喜ばないどころか、なんとなくとまどう表情の夫、話を聞きたがらない夫に気づいた。言うのを辞めた。でも実家に帰るたびありがたく頂いていた。私は繰り上げ返済マニアになっていた。実家が太いってありがたい。安心して、どんどこ繰り上げ返済していた。ある時、繰り上げ返済したばかりで手元にお金がなかった。給料日前、近くのスーパーでお好み焼きが売られていた。「おいしそうだったけどお金がないからあきらめた」と、私は繰り上げ返済したあとの満足感でさわやかに夫に告げた。その時のことを今、夫は申し訳なさそうに懐かしげに苦笑いで言う。「あの時は本当にお金がなかったよな。」あの時夫は、私や子どもにひもじい思いをさせていると胸を痛めていたのだ。そんな風に感じていたとは。全く気づかなかった。私はお好み焼きぐらい買おうと思えば買えたけど、そんなたことより繰り上げ返済が楽しかったしその達成感が大きくて満足してたから夫にそう伝えていたのだ。家族を守りたい夫の気持ちには気づいていなかった。
20Apr
- 結婚直前高額マンションを買う～夫の親に資金援助を断られる⁈
  結婚するとき、家賃を払うのは無駄だよねと意見が一致し、私たちはマンションを購入した。しかも、身分不相応な高額マンションだ。私たちには無謀すぎる選択。住宅購入資金が潤沢にあるなら話は別。私たちは、貯金は少ない。その当時あった住宅取得資金援助制度を利用し、各々の両親から当時満額の500万円の援助をもらい頭金にする腹積もりだった。私の両親はすんなりOKが出た。その時の私に、両親の返事は当然の結果であり、断われるなんてことはみじんも頭にない。金銭的に甘やかされて育った私だ。ところが夫は、義両親から断わられたと言った。耳を疑った。え？？？そんなことってあるの？何があったの？頭金が少なくなることより、両親が援助を断る、という事実に驚いたのだ。私が金銭的に甘やかされて育ってきたのだ。それが当然と生きてきた私には、夫の状況は衝撃だった。義母は専業主婦。義父は一流企業に勤務するエリートサラリーマンだ。持ち家は地価の高い地域にある。株もお金もある。義父は自分が一馬力であることに不安があったのか。両親の考え方の違いである。当時、その時の夫の気持ちを推し量れる私ではなかった。夫はどんなに肩身が狭かったであろう。どんなに私に言いにくかったであろう。私はただただびっくりしていたことを覚えている。「で、どうしよう？」と夫に聞いたと思う。どうしようもない。その時にはもう、購入を決めていた。身分不相応なマンションを購入することに決めていた。結婚式の資金は心配ない。貯金をあるだけマンションの頭金にまわそう。新婚旅行はなしね。今ある私の車は手放すことにした。ずっと共働きだよ、と夫は言った。言われなくてもわかっている。私は仕事が好きなんだから。。。
19Apr
- 高校時代③おばさんの髪の毛 in 毎食事
  下宿は、ぽっちゃり太った60歳くらいのおおらかなおばさんと、脳梗塞で半身まひのおじさんが営んでいた。おばさんはお料理上手。でも一つ難点があった。大きな大きな難点があった。それは、毎回の食事に髪の毛が入っていること。ほぼ毎食だ。数本入っていることも。入っていないことはほぼないが、そんなことがあると心底ほっとした。いつも髪の毛を探し、びくつきながら食べていた。おばさんは目が悪い。お料理の時、メガネはしない。あまりお風呂が好きではない。ちびまる子ちゃんの母のようにくるくるパーマをかけた髪の毛をブラシで解くこともなかったのか。学校に持っていくお弁当のしかり。高校生女子は繊細だ。お料理上手だが、色彩感覚はない。煮魚、焼き魚の頻度が高い、茶色のお弁当だった。そこに髪の毛が加わる。お弁当は隠して食べた。中身だけではない、髪の毛を見られたら大変だ。親の手作り弁当を食べる子がうらやましかった。彩り豊かな可愛いお弁当。それなのにお弁当に文句をいう友人。私は苦笑いしていた。泣きそうだった。一度、同じ下宿生である社会人男性が、髪の毛のことをおばさんに訴えた。「いつもいつも食事に髪の毛が入っているのが嫌だ。」「そんな風に○○さんに言われたんだけど、そんなことないわよね。」そう言って、おおらかなおばさんは怒ったように高校生の私に同意を求める。言ってくれた社会人男性は勇気がある、すごい！と思った。ありがとう！と思った。しかし同時に、困った。おばさんになんて答えたらいいんだろう。高校生女子には、酷だ。私は、社会人男性を裏切った。「はい」と一言答えた。「そんなことはないわよね」⇒「はい」だ。おばさんに事実を告げるその時一瞬の苦しみ。おばさんと今後も毎日顔を合わせる継続的苦しみ。それらから逃げた。高校生女子の私には、逃げることしか出来なかった。そのツケはコレだ。40年後の今も、その時のことを忘れられていない。人の目を気にしすぎる私。見栄を張る私。人からかわいそうと思われたくない私。辛さから逃げる私。人に嫌われたくない私。自分にダメ出しをする私。これらが形成された時代だった。
18Apr
- 高校時代②わたしの生きる場所さがし
  田舎の小学校中学校では、わたしは優等生だった。だから、高校は学区外の高校を狙う。学区外入学希望者は10％の枠を競う。入学者の上位成績者のはずだ。ところが入学後驚いた。わざわざランクを下げて余裕をかまして入学してくる子、入学後伸びだす子、私はモチベーションが保てなかった。それまで、優等生で先生に目をかけられ、ひいきされていることで頑張れていた自分。高校に入って、みるみる落ちぶれ、あれよあれよと抜かされ、勉強意欲はなくなった。捨てた。胃の中の蛙だったんだ。気づいてしまった。担任に、「お前、〇〇市くんだりから出てきて何やってるんだ。」と苦笑いで言われた。わざわざ下宿までして、お金かけて何やってるんだ。それは私が私に言っていたこと。分かっているよ。分かっていることを言われるのは辛い。やる気が出ない。ほめられなければやれない子だったんだ。勉強は捨てた。その後は、生きるために「面白キャラ」を目指した。私の生きる場所探しだ。
17Apr
- 高校時代⓵お金と人の距離は。。。
  小学生のころから、母親に「お前は〇〇高校に行くんだよ」と囁かれ続けた。学区越えのその高校に入学すると家を離れ、賄い付きの下宿生活となる。15歳で家を出ることになる。自宅から高校は、距離にして55㎞程度だが、田舎は列車本数が極端に少ない。大雪だと列車が運休する。父は家を離れて下宿することには反対だった。入学前に車で高校に連れて行ってくれた時、私がたまたま車に酔って吐いた。それを見て、毎朝こんな思いをされられないと、下宿を承諾してくれた。私は、母親に甘えたくても甘えられなかった思いがある。それなのに、15歳で家を離れた。そのことは、その後の私の人生に大きな影を残した。いや、影を選択したのは私だ。私の人生にとって、これは大きな経験だった。わが家は問屋さんなど、仕事関係者の出入りが多い自営業だった。周囲の人に可愛がってもらった。甘やかされた。金銭的にも、他人からお小遣いやお年玉などもらう恵まれた環境だった。それが一転、高校からは環境が変わる。両親は傍にいない。下宿のおばさんに下宿代を毎月支払うのは私だ。なぜか銀行振り込みではなかった。私によくしてくれるおばさんに、金銭を渡す。仲良くしたい人に金銭を渡す。それは私にとって異常に嫌悪することだった。金銭を支払うことで、その人との間に距離を感じる。仲良くしたい人に金銭を支払うことに嫌悪感を抱く私が、その時形成された。金銭の介在で、距離を保たねばならないよ、と言われている気がしたのだ。親しい人からお金をいただくことにも抵抗を感じる私が、その時形成された。15歳まで周囲の人に甘やかされて育った。それが当たり前だった私には、世間は冷たく映った。その時の私にはそれが受け止め切れなかった。
15Apr
- 妹
  私は4歳下の妹との2人姉妹。妹は可愛かった。私はブサイクだ。妹はお茶目で甘えんぼ。私が4歳の時、妹は我が家にやってきた。ただでさえ赤ちゃんは可愛い。妹は可愛いものが大好きで、「これ可愛い？」と周りに聞いて愛をもらう。私はできるだけ目立たないものを選ぶ。可愛い服は着られない。自意識過剰。甘えられない長女は、甘える次女をうらやむ。小学校入学前に買ってもらったランドセルを、妹がしょってみたいと騒ぐ。ランドセルは私のものだ。絶対に貸したくない。母が「それくらい貸してあげなさい」と苦笑いしながら言う。そんなものにこだわって。。。お姉ちゃんなんだから。。に聞こえる。私には大事な私だけのランドセル。渡したくない。ランドセルを背負い、黄色い安全帽をかぶって、にこにこ満足げな3歳の妹の写真がある。今でも少し苦い。妹とは4歳差。私は15歳で家を出たから、小学5年生11歳までしか妹とは同居していない。中学時代も高校時代もそのあとも、日常を知らない。学校で私の妹だと知ると、「お姉ちゃんは勉強できたのにね」と先生に言われる辛さ。「お姉ちゃんはえらかったのよ」と言われる苦しさ。知らなかった。今は、父に似て、繊細で決して人の心に土足で踏み込まない、傷つけない、優しい大人になっている。
12Apr
- 父
  父は祖父からの家業を継ぐ。父は次男だ。放蕩長男を甘やかす両親の願いで、家業を継ぐ。高校なんて行かなくていい。中学卒業と同時に家業を学ぶ。父の未完了だ。会うたび、「俺は中卒だ」と言う。84歳。父の未完了だ。家業を継ぎ、25歳で結婚。それから夜遊びを知る。飲みに行く。徹夜マージャンをする。それまで遊びを知らなかった父は、やっと祖父の目が自分から離れたと解放感を得たのか、家を空けるようになる。私は父に遊んでもらった記憶は極わずかだ。おすもう、大きくなってキャッチボール。飲むと、父はおみやげにお寿司を買ってきて夜中起こされたことを思い出す。美味しいお寿司だった。父が家にいないことが当たり前。寡黙な父は怖く思えた。父がいないことに寂しさを感じないし、当たり前だった。家族旅行は年に1回の社員旅行だけだ。その分、母への思いに傾いた。母は父への愛を隠さなかった。夫婦は仲が良かったと思う。父は祖父とは違う。母を罵ることはない。ただ、家にいないだけだ。
- 祖父～憎む相手
  祖父は母を罵倒する敵だ。私の無力感の元凶だ。祖父は母を罵った。「貴様～！」と罵倒した。私の大切な母を、他人の前でこき下ろし、人格否定をし、母を私を家族を苦しめた。私は罵倒される母を助けたかった。でも祖父が怖かった。一言も言い返せなかった。大人になっても夢に見た。母を罵る祖父に、母を守る言葉で言い返す夢。何度も何度も見た。心は晴れない。私は何も出来なかったんだ。無力感。母を守れなかったんだ。心では祖父にはむかった。でも言葉には出せなかった。それどころか、憎いはずの祖父のいいつけに従った。言うことをきいた。妹は拒否した。それなのに私は従った。憎いはずの祖父なのに。私にお店から焼酎を持ってきてと頼む。断れない。お手伝いさんに、「しーちゃんはえらいね」と言われる。えらいんじゃないんだ。断れたらどんなにいいか。言い返せればどんなにいいか。妹は出来ていた。私にはできない。無力感。自分への不信感。母を守れなかったんだ。
- 祖母～心の支え～
  父方の祖父母と同居していた。祖母は病弱だ。喘息と心臓病をもっていた。入退院を繰り返していたらしい。私が9歳の時亡くなった。だれもが亡くなるとは思っていなかった入院。それほどあっけなく逝った。医者の管理ミスであるらしく、のちに父はその思いを地元新聞に載せた。小学校のスキー大会。途中叔父が私を迎えに来てくれた。ただ事ではない。叔父は何も言わず、私を祖母の眠る病院へ連れて行った。大声で泣いたのを覚えている。大好きだった祖母。心の支えだった。母が忙しかったから、祖母は私と妹を面倒見てくれた。夏休みなど大きな休みに泊りがけで親戚の家に連れて行ってくれた。列車に乗って、名物のジンギスカンを持って。ジンギスカンのにおいがきつくて、いつも列車に酔っていたのを覚えている。祖母が亡くなると、夏休み冬休みの予定はなくなった。小学生の夏休みの予定表。「〇〇〇へ行くかもしれない」かもしれない、を書いた。きっと母に連れて行ってとねだり、承諾得ないうちに書いたのだろう。実現はほぼないとわかっていながら。「〇〇〇へ行く」嘘も書いたはずだ。サラリーマン家庭がうらやましかった。海に行く、動物園に行く、いいな。行きたいわけではなかったかもしれない。予定を書けることがうらやましかっただけかもしれない。他人にかわいそうと思われたくない私は、このころスタートなのか。祖母は心の支えだった。ユーモアセンスのある、おもしろい祖母だった。母に甘えられない不満を癒してもらおうとしていた。祖母にはもっともっと生きていてほしかった。大好きな祖母に大人になるまで生きていてほしかった。生きていてくれたら、私はどんなキャラになれていたんだろう。という思いが出て、驚いた。少し前まで、自分が嫌いです。自分に自信がありません。自分にダメ出しばかりが辛いんです。と言っていた私。祖母が生きていてくれたら、私はどんなキャラになれていたんだろう。大好きな祖母を思う間に、そんな思いが出るなんて、自分本位すぎる。
- 母③運動会に来てもらいたかった
  母に運動会に来てほしかった。その思いをやっと捨てられたのはごく最近だ。母は食品、酒、たばこなどを扱う商店を営んでいた。私が通う小学校の真ん前が自宅兼商店。中学校も近所だ。運動会は稼ぎ時。店員さん数人は子どもをもつパートさん。運動会は仕事を休む。母は仕事を休まない。一人で普段より忙しく働く。私と妹を、近所の面倒見のいいお料理上手な同世代の子を持つおばさんに預け、お昼にお弁当を食べさせてもらう。母はそこへ短時間やってきて、私たちとおばさん家族の食事中に立ったまま話をして帰っていく。飲み物など差し入れをもって。私と妹の出番を見に来ていたのかはわからない。リレーの選手の時はさすがに見に来てくれたらしい。「運動会に来てくれなかったよね。」私はそれを大人になっても言い続けた。何度も何度も言った。母はその度、一瞬だけ苦痛の顔をする。そして言い訳をする。私に責められていると感じるのだ。一昨年、母、私、妹の3人で旅行に行ったとき、私の口からまた出してしまった。「運動会に来てくれなかったよね。」「あんた、それいつも言うけど、お父さん（私の父）は一度も運動会どころか何にも行かなかったけど、そのこと言わないよね。。。」と母は一瞬苦痛の顔のあと、見つけたかのように言う。「そうじゃないんだ。父に来てほしかったわけじゃないんだ」と私は心で言う。「わかってよ。」と。その時、「お姉ちゃん、いつもそれを言うよね。」と妹が言った。「私はそれ、全然覚えてないんだよね。。。」愕然とした。そうか。そんなんだ。同じ時を過ごし、同じく運動会に来てもらえなかった妹は、そのことを恨むどころか覚えてすらいないんだ。私の未完了。私は寂しかったのだ。母は運動会には休まない店員さんを雇えばよかった。それをしなかった。野心家の母は、私ではなく仕事を選んだんだ、と思った。私の運動会を見ることより、稼ぎ時を人に任せず自分で稼ぐことを選んだんだ。寂しかったんだよ。寂しかったことを言おう。寂しかったことを母に言おう。

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