私は幼い頃から自分の顔が大嫌いでした。
目が大きくて、まつげが長くカールしていた妹の顔を羨ましいと思っていました。
私の目は一重で小さく、はっきりした顔だちの妹に対し、私は特徴のないぼやけた顔をしていたのです。
妹のカールしたまつげは、友達から好意の的でした。まつげの上につま楊枝が何本載せられるか試している時、私は不貞腐れていました。
自尊心の低い私は、妹に注目が集まる事が面白くなかったのです。
ファッションに興味を持ち始め、20代で自由に使えるお金が出来るようになると、もっと色んな服を着てみたいと思う気持ちが強くなります。ところが、地味な顔だし、頼りなげな印象だから似合わないと思って、中々着たい洋服を着られませんでした。
散々、着たい、でも勇気がない、似合わないし、と悩みに悩み
、でもやっぱり着たい、という気持ちが勝って、似合わなくても着る方を選択したのです。
最初は、着たい服だったものの、顔や、自分の頼りない印象が洋服のバランスと合わないと感じていたので、嬉しさよりも恥ずかしさと不安が強くて、外を歩いてて気が気じゃありませんでした。それでも着続けていくうちに慣れてきて、好きな服を着られるようになっていったのです。
そうして、気付いてみたら、あれだけ大嫌いだった自分の顔の悩みが消えていました。
かといって、かわいいとか美人だと思えるようになったわけでは決してありません。
私の顔から大嫌いがなくなったのです!
自分の顔についてなんとも思わなくなったのです。
どれだけ可愛い人やきれいな人を見ても、自分の顔を卑下することはなくなりました。自分の顔に腹を立てることも、許せない気持ちになる事もなくなりました。
顔の悩みが消え、洋服を選ぶ好きな事に時間を費やせるようになったのでした!