講演CD■茂木健一郎/脳と創造 FZCZ-42454 ANY 収録 2006年
人の脳は快楽主義。賢くなるためには快楽を追求するべきである。快楽というのは脳の「報酬系」によってもたらされる。その報酬系の形は人それぞれで、マザーテレサのように人に尽くすことの場合もあるし、数学者のように1日10時間数学に向き合える事が幸せの場合もあるし、サイコパシーのように人の不幸は密の味の場合もある。報酬系によって日々の行動が決定している。マザーテレサはサイコパスとは報酬系が異なるので、サイコパスには殺意を抱かれるほど信じられない事を継続している。本が嫌いな人は読書によって快楽がもたらされない。残りのページ数を見つつの苦行になる。心にも残らない。なので継続しない。継続は人をあらわすものである。なにがその人に快楽をもたらしているか。
報酬系は偶有性によって拡大する。会話は偶有性に満ちている。投資はギャンブルだから楽しい。サイコパスの行動は普通の人には信じられない事だが、自分の手を汚さず誘導が目論見どおりにいったときに身震いをするほどの快楽をもたらすからヤメられない。利他的な行いも思った通りに喜んでくれないことがあるから云々。
何かを創造する時の脳の働きは、何かを思い出す時と似ている。ああいうのが欲しいんだよなぁと。創造力=側頭葉に保存されている経験×前頭葉の意欲。若いうちは意欲があるけど経験がない、歳をとると経験があるけど意欲がない。意欲がある年寄りは最強。岡本太郎のような。意地悪も年寄りほど巧み。

というお話でした。