彼の本も三冊目。三冊読んで、本当に彼の小説が好きだなあと思いました。

皮膚病の薬の匂いを気にして人との接触をできるだけ避けてすごしてきた誠人。そんな誠人の目の前に現れた静流。大学生だけど、子供のようにちっちゃくて色気もない女性。いつしか二人でいっしょにいることが増えてくる。静流は誠人が好き。誠人はクラスメートのみゆきが好き。そんな片思いの中で、不思議と静流はどんどん女性らしくなっていく。でもそれはあることの始まりでもあった・・・。

市川氏の小説にでてくる男性はなんだか皆頼りなさげ。そんな彼をこころから愛する女性がそばにいる。小説の中身はなんだかすごく悲しいんだけど、この小説もふわふわした、やわらかい、あたたかい感じは他の小説と変わらず。この独特の世界観、僕は大好きです。『今会いにゆきます』の映画がすごいことになっているようですが、この小説も是非。