ちょっと古い本ですが、『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』の作者といえば分かる人はいるかもしれません。これは長編小説です。

パーティー企画の会社を経営している横山健司、三田物産で働いていて、いかにも三田財閥の人間と周りには思わせて実は町工場の息子の三田総一郎、父は悪徳絵画トレーディングを営んでいる黒川千恵の3人が主人公。ヤクザの賭場の売上金強奪から始まって、黒川の父が商売で集めた資金10億円の強奪目指して奮闘する物語です。

『イン・ザ・プール』等のときにも思いましたが、この作者はキャラの書き分けがすごくいい。今回も、しっかりそれぞれのキャラが「立って」います。そして、強奪計画実行の際のスピード感。思わずさらさらっと読んでしまいます。

ちょっとキャラが毒々しいのもこの作者の特徴。なんだか映画にしても面白そうだなと思うぐらい。純粋に楽しめる娯楽物、という感じでしょうか。いい小説ですよ。