【依存】という言葉はどうも世間的にはあまりいい意味で使われていませんね。何かこう、人やものにすがって生きていて自分がないみたいな。そのイメージは、小さい頃から、なにかと周囲に【もっとしっかりしなさい】とか、【人に頼らずに自分でやりなさい】と言われることから作りだされているかもしれません。

人に対して【依存】をすることにすごい抵抗をもっている人がいます。自分は【自立】しなくてはいけない、そのためには人に【依存】してはいけないという意識が強い人。親からそうした教育を強く受けたり、人に裏切られたり、自分がしっかりしなくてはいけない状況に追い込まれたりといった体験をしている人に多いように思います。そんな人は悩みがあっても人に相談せずに自分で抱え込みがち。時々とはいえ人を頼ってしまうと、自己嫌悪に陥ってまた【自立】した自分を周囲に示したりします。これまで話している【殻】の視点で見ると、これもまたすごく殻を厚くして本当の自分を見せないようにしている状態。

しかし、【依存】と【自立】は対極にあるのではなくて、実は共存できるもの。例えば、信頼のできる人に自分の悩みを包み隠さず相談する。それは心のボールを相手に渡しているから、相手に対して【依存】している状態。でも、大体は自分の心の中にすでに答が潜んでいて、会話を繰り返すうちに自分の心の中からでてきたりする。それって結局は自分で答を見つけ出しているからすごく【自立】した状態。何でそんなことが起きるかというと、一つには、【依存】をすることで殻が薄くなって自分の心の中にもともとある答が外に出やすくなるから。そしてもう一つには、相手が自分を受け止めてくれているという【安心感】が、自分の心のなかにあるものを出しやすくするから。そう考えると、殻の厚さと【自立】はあまり関係がないように思います。

生まれたばかりの子供はすべてを【依存】した状態で世にでてきますよね。やがて成長の過程で【依存】はしている中でも【自立】する気持ちが芽生えてくる。子供はもともと殻が薄いから自分の心の中のものは素直に出せますが、何よりも【依存している安心感】があるから自分で考える、行動する勇気が育まれていくのだと思います。それって大人も変わらないと思いますよ。