その人がどういう人かを見るときに、あるいはその人の悩みがどこから来ているのかを見るときに、どんな子供だったのかを聞くことをよくします。そうすると、子供の頃にあったことをベースに今の自分が形成されていて、そこが悩みの根本であることが多いように思います。

子供の頃の心の中の状態は、いろいろな世界を見てきた大人ほど複雑ではありません。だから本来は感情がストレートに表に出やすい。感情を表にすぐに出すからストレスもたまりにくい。でも、中にはその感情が両親やその他の環境によって封じ込められてしまう場合があります。すごく両親が厳しかったり、暴力的であったり、学校の規則や先生が厳しかったりして。そうすると表に出ることのできない感情が心の中にとどまり、たまっていき、子供の小さな心の中をすぐにいっぱいにしてしまいます。そうなると、子供といえども『これをしたい』『これはしたくない』という感情がいつしか『こういうものなんだ』という考え方に変わっていきます。それは両親や環境等外部が作った殻が自分の殻になってしまって、【弓矢の先が丸くなっている】状態。一度心の中がいっぱいになってしまったものを、いろんな刺激が増えてきて心の許容度が広がってきてもなくすことはそうそう簡単なことではありません。だから、子供の頃のことを紐解いていくと、その人のことがよく分かったりするのです。

従って、それを解きほぐすのは時間が必要になります。心の殻を薄くして、穴を開けて、そこからすこしずつ自分一人では出せない【先の丸くなった弓矢】を取り出す助けをするのですから。でも、それは時間をかけたほうがいいなとも思います。良くも悪くもその弓矢にあなたの今の考え方や性格がくっついているのですから。一挙にとってしまうと、心の中がからっぽになってしまいます。時間をかけて、ゆっくりとその弓矢から離していき、新しいものを心の中に入れていきながら取り出していかないと。それができるのは、恋人であり、心から信頼できる友人であり、夫であり、カウンセラーだと思いますよ。