暫しの休息を余儀なくされたガイ達であったが、心の片隅にマルダで待機していた方が良かったかもと考えていたため、そういった面ではプラスに捉えることができた。
村人に聞いたところ、山中公路の東域は山賊の縄張りだそうで、誤って踏み入れれば、身ぐるみ剥がされることは避けられないという。
山賊は頭にくるがラースナウアに向かうことを優先すると、抜け道を聞くのが一番だと考えた。
マルダから山中公路の東域までの間に、西に折れる、緩やかな坂道があるという。
あくまで、東域を縄張りとしているので西域では、あまり姿を見せないという。
頻度が少ないというだけの話ではあるが。
村で迂回路の情報を得たので、オリオールの怪我の経過と、あわよくば、ロイの生還といきたかったが、ロイが戻ってくることはなかった。
再びマルダを旅立ちガイ達は教えられた山中公路の西域に抜ける緩やかな坂道を下っていた。
道中、地表が盛り上がる部分があちこち見られた。
警戒しながらも、道を進んでいると、聞き覚えのある地響きが辺りを包む。
「またあいつらか?」
ガイが腰の剣に手をあてる。
「この辺りはビッグワームはいないはずだよ。でも代わりに、あれがいるんだ。」
オリオールは地表に現れた巨大な百足を指差した。
何故、この地帯には気持ちの悪い亜獣が最悪なことに巨大化してまで、襲ってくるのか。
「早く片付けてしまおう!」
オリオールの一声で、仲間は戦闘体勢に入る。
アーウィンを除いた三人は一気に前進する。
「地烈!」
オリオールの拳が百足の顔をとらえるも、びくともしない。
「ガイ、いきますよ!」
マルクの掛け声で、マルクとガイが同時に走り出す。
「双・ソードリフト!」
二人は百足の懐に入ると、その重い身体を切り上げる。
「双・カットダウン!」
宙に浮いた百足に空中に跳んだ二人が地上に向け、叩き切る。
「双・スラッシュオーバー!」
地に落ちた百足にフィニッシュに横払いを入れる。
流石の百足も大きな叫び声をあげ、のたうちまわる。
「奥義・ダークブラスト!!!」
アーウィンがとどめに味方が稼いだ時間に唱えていた、闇の球体が放たれた。
闇の球体は百足の顔をとらえると、そのまま百足を崖下へと誘った。
百足を倒すと、ガイ達は道を急いだ。
だが、犬型の亜獣のダートウォルフなど亜獣に道を阻まれ、中々思い通りには進めずにいた。
ようやく道が開け、大きな吊橋が見えた。
この吊橋を渡り、川沿いにしばらく歩けば、ラースナウアはすぐそこに見えてくる。
吊橋を渡っていると老婆が一人崖道を行くのが見えた。
道が険しくあまりにも危なげなで、ガイ達は大声で呼びかけたが、気づいていない様子だった。
ガイ達は吊橋を渡りきると、老婆の行った道を辿ってみることにした。
これがあの悪夢の始まりとなるとは、誰も知る由もなかった...
*ロイ達の故郷 ヒエスタ島
「飛翔脚!」
空中から巨大な猪の頭に踵落としを喰らわせた。
猪は大きな音を立てて倒れた。
踵落としを喰らわせた人物は手慣れた手つきで猪を縄で縛り固定すると、猪を引きづり帰路に着いた。
「来週にはフローリアか……。」
自宅に着くと、その人物は背中に背負った鎗を壁に立てかけ、頭の鎧を脱いだ。
開いた窓から吹き込む風が、赤茶の長い髪がなびかせた。
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