先日は我が療法室に来ていただきありがとうございました。
あなたはご家族が自死した直後に結婚し、
優しそうなご主人と、出産後も消えることのない依存症に苦しみ、
催眠を試しに来られました。
あなたのお父様は、外に出ていくのが好きな人で、
家庭を顧みない面があり、お母様やご姉妹を苦しめたのかもとおっしゃっていましたね。
あなたはそのお父様から、もらう事の出来なかったエネルギーを、
旦那様に感じて結婚されたのかもしれません。
結婚というのは、幼少期に親から得られなかったものを得るための時間になりがちで、
多くの場合、相手への過剰な甘えや依存になります。求めすぎるのです。
そうすると結婚生活は辛く、思いやりに欠けたものになってしまいますが、多くの結婚生活では、それは避けられないことなのだと思います。
人は結婚の前に、心を学び磨きに生きているのですから。
その有意義な機会の一つとして結婚があるのだと思います。
あなたが父親のくれなかった愛を旦那様に頼る、という代わりに、旦那様もあなたに要求をしてきました。
これは自然な流れでそうなることで、多くの場合、致し方がないことです。
とても優しそうな旦那様は、
とても手の込んだ奥歯の治療痕があったのを今も印象に残っています。
それを見て私は、旦那様は「咀嚼出来ないものも、無理に咀嚼してきた」人生なのだと思いました。
そして彼は、自分がしてきた無理ー咀嚼が大変なことーを、あなたにも出来ると信じて、家族の自死のあとにもかかわらず、要求しました。
要求というより、世間でよくあるカタチになんとなく流す、という方法だったでしょう。
それは子供が欲しいということでした。
自死して家族が減った分、子供を産んで楽しくやり直そう、
そんな風に彼はあなたに言ったかもしれません。
しかし、子供を産んで育てる、というのは、本来、自分とお相手の余った生命力を使ってするものであり、
自死を体験した直後の、人生や命を大きく否定された出来事の後、生命力の萎えたような状態で行うというのは、不可能ではないが大変なことなのではないのでしょうか。
人は機械ではありません。
また出産は、人生でどうしても叶えなくてはならないことや免許でもありません。
あなたはお相手の要求どおりに頑張り、不妊治療までして、子供を授かりましたね。
あなたは授かったとき、心の底からうれしかったでしょうか?
無理があったのではないでしょうか。
妊娠の途中で、不快な症状を伴う依存症が止まらなくなりましたね。
このお話を聞いたとき、私は、「自分のペースが乱されて、調整したい、調整しなくては落ち着かない」といった脳深部の大きな力が、貧乏ゆすりなどよりも不快で止めにくい依存症を発生させているのだと感じました。
依存症は、体の内側を感じることを促し、自分のリズムを感じ、ペースを作るために、出ているのではないのでしょうか。
あなたは、体の感覚や自分の感情を押し殺してきたのではないでしょうか。
そして、体は、もうそれを止めて、自分に正直に感じて、生きてほしい、と言っているのだと思います。
後ろで赤ちゃんが泣くなか、あなたは、依存症が止まりません、と電話を下さりましたが、
一度の催眠には限界があり、個人差もあります、
でも私が一番言いたいのは、
家族が自死した悲しみを、精神薬や、たった一回の催眠で簡単に消え去らせて、依存症も消してしまっていいのか?
ということです。
私にもその昔、精神科に行った経験があります。
世間では、悩んだり、切羽詰まったりしたら行くものだと言っているからです。
しかし、医師は私の話を聞くことも、悩みを解決するための提案も何もできる人ではなく、要求もしていないのに精神薬を渡し売ってきました。
私はそのときこう思ったものです。
「こんなちまちました薬の一包で、私の悩みを何とかしようだなんて、あまりにも簡単に考えてる、馬鹿にしてるにもほどがある!」
私は何十年も、いろんなことで苦しみ悩んできたからです。
私はその時、私のことなど知ろうともしない医師には頼らないで、徹底的に悩んだり病んだりして、この楽しくない人生と向き合ってやる、そう思ったのです。
その後私は、たくさんいろんな病気をしました。
小さな症状ですが、もちろん痛みを伴ったり、もう少しで大事になる寸前の症状もたくさん経験しているみたいです。
そのたびに医師のところに行っては、やはり、効かない薬を大量に買わされたり、検査だクリーニングだと言って体を触らせたら、逆に弱ってしまったこともたくさん経験しました。
あなたも今、昔の私のように「医者に行けば何とかなる」「薬が症状にいい」と思っているのではないでしょうか。
お金をかけたらそれなりの結果が出ると思っているのかもしれません。
たくさん私もお金を出して治療やセラピーに行きましたが、
誰かや何かに頼っているうちは、結局なにもよくはならない、
自分に徹底的に向き合って、正直に生きること、自分の体が求めるものを食べて、眠りたいときに眠る、十分な睡眠を摂る・・・といったことでしか、自分の体は改善しなかったです。
あなたはたくさんの薬で、自分の体の本当の底ヂカラが、出にくくなってしまっているのかもしれません。
そしてまだあの優しい顔の旦那様の要求になんとか応じようと頑張っているのではないでしょうか。
でも、大切な家族の自死の悲しみを、お父様への怒りを、薬やセラピーを少しやっただけで簡単に手放そうなんて思わないでください。
あなたもまた、機械ではないのです。
私が世間でよく思うことは、
「心をないがしろにしすぎる」
という事が、本当に多いことです。
医師が簡単に薬をぽん、っと渡してくることもそうであり、
・・・人の体はまるで機械みたいに考えられているし、
人生はすごろくのように、決まった出来事の起こる道を早くスムースに行くことみたいな感覚が、いっぱいある感じがするのです。
心はお金では買えないし、
技ではありません。
世の中上手い歌や、演技を教えてくれるところはいっぱいあっても、
歌手や役者に、心、が足りなくて、
上手い歌を聞いても、上手い演技を見ても、癒されることはとても少ないのです。
私の今言っている、心、とは、「本当に願って、祈っている」ことです。
どんなに立派な医者に行っても癒されないことが、
お母さんの料理一つで癒されること、
街で知らない人に自分が落としたものを拾ってもらったりした時のこと。
心は、お金では買えないことがとても多いのです。
あなたに知ってほしいことは、まさにこのことです。
あなたは依存症に今、心をないがしろにしないで!と言われているのかもしれません。
病気は時に神様のようなことをするために、人の体に現れます。
今あなたから依存症が消えたら都合がいいとは思いますが、
あなたが自分の幸せをきちんと感じ、きちんと要らないものと対峙し、解決するということを体は要求しているのだと思います。
もう無理を、どんなに愛する人の要求でも、受け入れないでください。
子供を作ることで、彼は、親のいい子をしているだけかもしれません。
・・・もっともっと無理な咀嚼をしようとしているのだと思います。
子供には罪はないから、可愛がってあげてください。
でも、十分可愛いがることも出来ないような依存症がでているということは、そもそも、子育てに対するモチベーションが低いとも言えるのです。
「本心」で、本当に子どもが大切ならば、多分、その依存症は消えるのだと思います。
でも、「自分の本心」はいつも、脳の奥に隠れていて、
依存症や、病気で、
「何かあるよ」「気づいてね」
と言ってくるというのが、
私たち人間の体に起きることなのです。
あなたがこれから辿る「心の癖」の解毒の道は、大変かもしれませんが、
焦らないで、そして何より子供のために、努めてほしい、そう願っています。
心を、早く、簡単に、処理しようとしないでほしい、
というのが
私が一番言いたいことです。
宗教で心の問題を簡単に片づけようとしたご両親をあなたは観ているはずです。
長くなりました。
一日でも早く、心が癒され、幸せの感じられるような日々を得られることを祈っています。
飯田 細織
あなたはご家族が自死した直後に結婚し、
優しそうなご主人と、出産後も消えることのない依存症に苦しみ、
催眠を試しに来られました。
あなたのお父様は、外に出ていくのが好きな人で、
家庭を顧みない面があり、お母様やご姉妹を苦しめたのかもとおっしゃっていましたね。
あなたはそのお父様から、もらう事の出来なかったエネルギーを、
旦那様に感じて結婚されたのかもしれません。
結婚というのは、幼少期に親から得られなかったものを得るための時間になりがちで、
多くの場合、相手への過剰な甘えや依存になります。求めすぎるのです。
そうすると結婚生活は辛く、思いやりに欠けたものになってしまいますが、多くの結婚生活では、それは避けられないことなのだと思います。
人は結婚の前に、心を学び磨きに生きているのですから。
その有意義な機会の一つとして結婚があるのだと思います。
あなたが父親のくれなかった愛を旦那様に頼る、という代わりに、旦那様もあなたに要求をしてきました。
これは自然な流れでそうなることで、多くの場合、致し方がないことです。
とても優しそうな旦那様は、
とても手の込んだ奥歯の治療痕があったのを今も印象に残っています。
それを見て私は、旦那様は「咀嚼出来ないものも、無理に咀嚼してきた」人生なのだと思いました。
そして彼は、自分がしてきた無理ー咀嚼が大変なことーを、あなたにも出来ると信じて、家族の自死のあとにもかかわらず、要求しました。
要求というより、世間でよくあるカタチになんとなく流す、という方法だったでしょう。
それは子供が欲しいということでした。
自死して家族が減った分、子供を産んで楽しくやり直そう、
そんな風に彼はあなたに言ったかもしれません。
しかし、子供を産んで育てる、というのは、本来、自分とお相手の余った生命力を使ってするものであり、
自死を体験した直後の、人生や命を大きく否定された出来事の後、生命力の萎えたような状態で行うというのは、不可能ではないが大変なことなのではないのでしょうか。
人は機械ではありません。
また出産は、人生でどうしても叶えなくてはならないことや免許でもありません。
あなたはお相手の要求どおりに頑張り、不妊治療までして、子供を授かりましたね。
あなたは授かったとき、心の底からうれしかったでしょうか?
無理があったのではないでしょうか。
妊娠の途中で、不快な症状を伴う依存症が止まらなくなりましたね。
このお話を聞いたとき、私は、「自分のペースが乱されて、調整したい、調整しなくては落ち着かない」といった脳深部の大きな力が、貧乏ゆすりなどよりも不快で止めにくい依存症を発生させているのだと感じました。
依存症は、体の内側を感じることを促し、自分のリズムを感じ、ペースを作るために、出ているのではないのでしょうか。
あなたは、体の感覚や自分の感情を押し殺してきたのではないでしょうか。
そして、体は、もうそれを止めて、自分に正直に感じて、生きてほしい、と言っているのだと思います。
後ろで赤ちゃんが泣くなか、あなたは、依存症が止まりません、と電話を下さりましたが、
一度の催眠には限界があり、個人差もあります、
でも私が一番言いたいのは、
家族が自死した悲しみを、精神薬や、たった一回の催眠で簡単に消え去らせて、依存症も消してしまっていいのか?
ということです。
私にもその昔、精神科に行った経験があります。
世間では、悩んだり、切羽詰まったりしたら行くものだと言っているからです。
しかし、医師は私の話を聞くことも、悩みを解決するための提案も何もできる人ではなく、要求もしていないのに精神薬を渡し売ってきました。
私はそのときこう思ったものです。
「こんなちまちました薬の一包で、私の悩みを何とかしようだなんて、あまりにも簡単に考えてる、馬鹿にしてるにもほどがある!」
私は何十年も、いろんなことで苦しみ悩んできたからです。
私はその時、私のことなど知ろうともしない医師には頼らないで、徹底的に悩んだり病んだりして、この楽しくない人生と向き合ってやる、そう思ったのです。
その後私は、たくさんいろんな病気をしました。
小さな症状ですが、もちろん痛みを伴ったり、もう少しで大事になる寸前の症状もたくさん経験しているみたいです。
そのたびに医師のところに行っては、やはり、効かない薬を大量に買わされたり、検査だクリーニングだと言って体を触らせたら、逆に弱ってしまったこともたくさん経験しました。
あなたも今、昔の私のように「医者に行けば何とかなる」「薬が症状にいい」と思っているのではないでしょうか。
お金をかけたらそれなりの結果が出ると思っているのかもしれません。
たくさん私もお金を出して治療やセラピーに行きましたが、
誰かや何かに頼っているうちは、結局なにもよくはならない、
自分に徹底的に向き合って、正直に生きること、自分の体が求めるものを食べて、眠りたいときに眠る、十分な睡眠を摂る・・・といったことでしか、自分の体は改善しなかったです。
あなたはたくさんの薬で、自分の体の本当の底ヂカラが、出にくくなってしまっているのかもしれません。
そしてまだあの優しい顔の旦那様の要求になんとか応じようと頑張っているのではないでしょうか。
でも、大切な家族の自死の悲しみを、お父様への怒りを、薬やセラピーを少しやっただけで簡単に手放そうなんて思わないでください。
あなたもまた、機械ではないのです。
私が世間でよく思うことは、
「心をないがしろにしすぎる」
という事が、本当に多いことです。
医師が簡単に薬をぽん、っと渡してくることもそうであり、
・・・人の体はまるで機械みたいに考えられているし、
人生はすごろくのように、決まった出来事の起こる道を早くスムースに行くことみたいな感覚が、いっぱいある感じがするのです。
心はお金では買えないし、
技ではありません。
世の中上手い歌や、演技を教えてくれるところはいっぱいあっても、
歌手や役者に、心、が足りなくて、
上手い歌を聞いても、上手い演技を見ても、癒されることはとても少ないのです。
私の今言っている、心、とは、「本当に願って、祈っている」ことです。
どんなに立派な医者に行っても癒されないことが、
お母さんの料理一つで癒されること、
街で知らない人に自分が落としたものを拾ってもらったりした時のこと。
心は、お金では買えないことがとても多いのです。
あなたに知ってほしいことは、まさにこのことです。
あなたは依存症に今、心をないがしろにしないで!と言われているのかもしれません。
病気は時に神様のようなことをするために、人の体に現れます。
今あなたから依存症が消えたら都合がいいとは思いますが、
あなたが自分の幸せをきちんと感じ、きちんと要らないものと対峙し、解決するということを体は要求しているのだと思います。
もう無理を、どんなに愛する人の要求でも、受け入れないでください。
子供を作ることで、彼は、親のいい子をしているだけかもしれません。
・・・もっともっと無理な咀嚼をしようとしているのだと思います。
子供には罪はないから、可愛がってあげてください。
でも、十分可愛いがることも出来ないような依存症がでているということは、そもそも、子育てに対するモチベーションが低いとも言えるのです。
「本心」で、本当に子どもが大切ならば、多分、その依存症は消えるのだと思います。
でも、「自分の本心」はいつも、脳の奥に隠れていて、
依存症や、病気で、
「何かあるよ」「気づいてね」
と言ってくるというのが、
私たち人間の体に起きることなのです。
あなたがこれから辿る「心の癖」の解毒の道は、大変かもしれませんが、
焦らないで、そして何より子供のために、努めてほしい、そう願っています。
心を、早く、簡単に、処理しようとしないでほしい、
というのが
私が一番言いたいことです。
宗教で心の問題を簡単に片づけようとしたご両親をあなたは観ているはずです。
長くなりました。
一日でも早く、心が癒され、幸せの感じられるような日々を得られることを祈っています。
飯田 細織