びっくりした? いやびっくりした! まさか「痴漢は死ね」という書初めと「ダンナさん、キャバ嬢と浮気してましたよ」という告げ口に泣かされるとは思いもしませんでした. やはり伊坂幸太郎先生と中村義洋監督のコラボは本当に素晴らしい! そして個人的にはキレ者だけどほんわかした主役の堺雅人さんよりも濱田岳さんが凄く気に入りました. ビートルズの名曲「ゴールデンスランバー(黄金のまどろみ)」を聞けば楽しかった学生時代を思い出す. このような経験は誰にしもあるからこそ、原作を読んでいない私でも懐かしささえ感じるこの妙な雰囲気. 話の筋としては首相暗殺の濡れ衣を着せられた青柳が逃げることなのですから、ミステリーとして『逃亡者』のように緊張感一辺倒になってもいいところを、この妙な雰囲気のせいか、それとも伊坂作品特有のほんわかした笑いのせいか、時々ミステリーであることさえ忘れそうになってしまうんですよね. 特に通り魔キルオを演じた濱田岳さんが個人的にはツボで、あのちょっとかわいらしささを感じる話し方と前髪をきちんと揃えた髪型が心地よさを感じるほど面白く、「びっくりした? 」という口癖も凄く印象的でした. ですから途中退場になってしまったのにはとても残念でしたよ. そしてこの映画でもう一つ印象的と言えば、あのカローラのCMソング. 実はあのCMソングを聞くたびに疑問に思ったことがあったのです. それは歌詞に出てくる人数が1人、2人、3人、そして5人であって、なぜか4人がないということ. でも思い出の轟煙火の花火がマンホールから仙台の夜空に打ち上げられるくだりを見て思いました. 4人はないのではなく、ここにいないだけだと. つまりアイドルを助けた過去を持つほどいい人である青柳を1人目、元恋人の樋口を2人目、後輩のカズを3人目と考えると、4人目は死してなおiPodで銃弾を防いでくれた森田であると思うんですよね. そして「とっとと行っちまえ」と言ってくれた父親や人質になってくれた岩崎先輩、雨水下水道という逃走経路を教えてくれた裏稼業の保土ヶ谷、花火打ち上げに協力してくれた轟親子、そして車で迎えに来てくれたアイドル凛香など青柳には彼を慕ってくれる無数の5人目がいる. そして彼らを繋ぐのが信頼. lisunrefan 「痴漢は死ね」や「ダンナさん、キャバ嬢と浮気してましたよ」で分かりあえる信頼. 「俺は犯人じゃない、青柳雅春」に「だと思った」という返事を書くことで涙と勇気をもらえる信頼. ボタンを親指で押すという習慣を見て「たいへんよくできました」という娘のハンコを捺すことで通じ合える信頼. 犯人が誰かや青柳を選んだ目的なども一切不明のままでしたが、アイドル凛香の整形疑惑の真相が明かされないままであったように、世の中には陰謀も知人の生死など明らかにならないことは多々あるもの. でも「アイツを信じている」よりも「アイツを知っている」と言えるくらいの信頼があれば、不安なことはないのかも知れません. ナイキ サッカー だって彼は今日もどこかで必ず逃げ延びているでしょうから. 深夜らじお@の映画館 はアイドルを助けたら必ず頑張ります.