“愛里跨(ありか)の恋愛スイッチ小説(美來ちゃん編1)” | 愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

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愛里跨(ありか)の恋愛小説です(・ω・)
この小説を読んで、皆さんの恋愛スイッチを入れてみましょう♪

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皆様、お待たせいたしました☆
愛里跨の恋愛小説第10作目になります、
『愛里跨の恋愛スイッチ小説、美來(みらい)ちゃん編』が始まりました。
この小説は皆様の恋のスイッチを入れるためのお話です。
素敵な恋をするには、脳内が恋愛モードになることがとても大切です。
「最近ときめきがない」「もう恋なんてしたくない」
「私(僕)には出会いなんてないかもしれない……」
「きっとこの想いは伝わらないんだ」といったように、
どうも恋愛モードにならないとお悩みの皆様も、
この物語の主人公を自分に置き換えて読みながら、
恋愛妄想の世界に陶酔してみてください。
きっとあなたの恋愛スイッチもONになり、素敵な奇跡を呼び寄せてくれるはず。
お部屋で大好きな曲を聴きながらだともっと効果的です。

まずは読んでみて体感してみてくださいね(#^.^#)
皆様、心の準備はいいですか?
それでは!一話目、START……

 

 

《主な登場人物》


葦葉美來(あしばみらい)……美容師。HairSalon『DOUCE(ドゥース)』勤務。
卯木秀真(うつぎしゅうま)……役者。劇団『月のうさぎ』所属。
赤松崇人(あかまつたかと)……司法書士。衆樹(もろき)司法書士事務所勤務。
野竹千早(のだけちさ)……専業主婦。子供2人の母。
和勢大芽(かずせたいが)……HairSalon『DOUCE(ドゥース)』勤務。美來の先輩。
海棠太勇(かいどうたお)……HairSalon『DOUCE』のオーナー兼美容師。美來の上司。
桐生智輝(きりゅうともき)……役者。劇団『月のうさぎ』所属。秀真の親友&同期。
粟田日菜乃(あわだひなの)……役者。劇団『月のうさぎ』所属。秀真の元カノ&同期。
瀬戸総一朗(せとそういちろう)……弁護士。三日月法律事務所勤務。美來の元上司。

 

 

 

 

1、恍惚と不安と恐怖と

 


アイルランドの詩人、オスカー・ワイルドは言った。
『人生はあまりにも重要すぎて、
 真剣にその話をすることさえままならない』と。
その人、誰なのって?
実を言うと私も22歳になるまで知らなかった。
大学で『私が考える“人生”の意味』というテーマの卒論を書いた時、
自分と同じ誕生日の偉人を検索していてオスカー・ワイルドという人を知った。
10月16日生まれの有名人が、ざっと調べただけで約150名も居て、
その中で私はオスカーの写真に目が止まる。
医師の家庭に生まれ、詩人で作家でもあった彼は、
懐疑的だった19世紀末の文学で旗手のような人だったらしい。
しかしその人生は華やかであり波乱万丈であり寂しい最期。
そんな重要な人生を歩んだ彼が連ねる言葉の数々には説得力があって、
毎日時間に追われ、人間関係でクタクタになった萎れた心にストレートに、
嵐のような勢いで入り込んできた。

 

そんなオスカーの人生論に感銘を受けて、
学生時代からの夢だった弁護士補佐の仕事に就く。
しかし2年で美容師の道へ転身。
かなりの変わり者である私の名前は葦葉美來(あしばみらい)。
東京の法律事務所を辞めて、地元福岡へ戻ると美容専門学校に通い、
美容師資格を取得した。
何故、長年の夢だった職業を諦めたのかって?
まぁ簡単にいえば、失恋したからなんだけど、
どうして美容師になったのかも含め、
詳しいことは長くなるのでおいおいにお話するとしよう。

 

 

 

(福岡市赤坂、HairSalon『DOUCE(ドゥース)』店内)

 


浅野「ちょっと、なんでエバーロッドで巻いてんの。
  私は始めにアニオンロッドを使ってって言ったわよね」
三菜「す、すみません」
浅野「すみませんすみませんって、以前も同じことを言ったわよ。
  あのお客様はストレートヘアだから、
  薬剤の浸透を良くするために使うって説明したでしょ!
  貴女、ここで何年勤めてるの。いい加減覚えてよ」
三菜「はい……」


また吉江三菜(よしえみな)さんがチーフスタイリストの浅野さんに叱られている。
彼女は私より一年先輩なんだけど、なかなか合格を貰えない。
同期の崎小田椹(さきおださわら)ちゃんは、私よりも半年早くスタイリストになった。
しかももう既にお得意様が何人も居て腕もいいから、毎日カットに入ってて、
近い将来はトップスタイリストの仲間入りだろう。
そして私、実は今日初めてヘアーカットをさせてもらえる。
この日の出来栄えとお客様の感想、そしてオーナーの海棠さんの評価で、
スタイリストに昇格できるのかが決まるのだけど……


和勢「あいつまた叱られてんのか」
美來「そうみたいですね」
和勢「浅野さんもスパルタで言い方キツイからな。
  あれじゃあ、萎縮して伸びるもんも伸びねえよ」
美來「はい……」
村山「和勢くん、ちょっと美來ちゃん借りてもいい?」
和勢「ん?何かあったの」
村山「三菜ちゃんにさ、出勤したらアントルポに立ち寄って、
  シャンプーを持ってくるようにLINEでお願いしてたんだけど忘れてて」
和勢「あぁ、そういうこと。いいよ」
村山「サンキュー!美來ちゃん」
美來「はい」
村山「お願いして本当に申し訳ないんだけど、
  今からアントルポに行って、シャンプー取ってきてくれる?
  ついでに在庫があるかもみてほしいの」
美來「はい、いいですよ」
村山「いつもありがとう。本当に助かるー
  はい。何がいるかはこのメモに書いてあるからお願いね」
美琴「分かりました。じゃあ、行ってきます」
和勢「箱重いから裏のカート持ってけよ」
美來「はい。
  (いつもありがとう……
  そう。いつも三菜さんの尻ぬぐいをさせられるのは私)」

 

 


俯き涙ぐんでいる三菜さんを横目に、私は店舗裏へ行きカートを押して店を出た。
アントルポと言うのはサロンの倉庫で、ここから徒歩7分の大手門にあるビルの4階にある。
この『DOUCE(ドゥース)』が以前あった場所で、
オーナーでトップスタイリストの海棠太勇(かいどうたお)さんがそのビルでお店を始めた。
今や雑誌で取り沙汰されるほどの人気店になり、私が入ってすぐ赤坂に移転したのだ。

 

この建物は9階建てで少し古いけれど、いろんな店舗や企業がたくさん入っていて、
姉妹店『DOUCE EMOTION(ドゥース・エモーション)』も2階に入っている。
しかも5階から上は住居という複合ビル。
アール・デコ調の外観とジュリエットテラスもあって、
私はかなり気に入っていて密かに居住を狙っているのだ。
たまにすれ違う住人もお洒落で品があって、
早くお金を貯めてここに引っ越すんだと、
密かな夢を抱きながら恍惚した目で鳶色のビルを見上げた。
私はカートを折りたたみ抱えてビルの中へ入ると、
中央奥にあるロートアイアンの大きなエレベーターまで歩いていった。
これもまたお気に入りで、階数を知らせるインジケーターはデジタルではなく、
レトロな数字の書いた半円形の文字盤で針式。
いつもこのエレベーターに乗る時は、
まるでミニジェットコースターに乗った時と同じ心持ちになる。

 


エントランスには既に住人らしき女性が二人と、
黒いビジネスバッグを持ったスーツの男性が一人エレベーターを待っていた。
そして後ろからもう一人、スタスタと歩いてきて私の横に並んだ。
私はその気配に一瞬ドキッとしたけれど、チラッとその男性がどんな人なのか確認した。
大きなマスクに黒のニット帽をかぶり、
夏でもないのに真っ黒のサングラスを掛けている背の高い男性だ。
明らかにその人は怪しいと感じ、悟られないように二歩カニ歩きで離れる。
文字盤の針をじっと見つめエレベーターを待っていると、
前の女性たちの話す声が聞こえてきた。


千早「こちらにお住まいの方なんですか?」
雪乃「いえいえ。私は早良区に住んでいるんですけど、
  今日はこのビルの8階に住んでる息子の家に。孫が待ってるものでね」
千早「お孫さんに会いに。それはいいですね」
雪乃「ええ。貴女はここの住人の方?」
千早「い、いえ。私も夫の用でここへ」
雪乃「そう。それじゃあご主人はこのビルの中にある会社にお勤めなのね」
千早「いえ。会社ではなく上のマンションに用が」
雪乃「そうなの……貴女、大丈夫?顔色が悪いわ」
千早「大丈夫です。少し寒いだけで」
雪乃「だったらいいけれど。私は篠崎と言うの。
  よろしくね」
千早「私は野竹ともうします。こちらこそ宜しくお願いします」
雪乃「野竹さんはお子さん、いらっしゃるの?」
千早「はい。中学2年の息子と小学6年の娘が居ます」
雪乃「それは頼もしいわね。
  うちの孫は女の子で、来春には幼稚園入園なものでね、
  手さげ袋と上靴入れを作ったから渡そうと思って」
千早「まぁ。おばあちゃんの手作りなんて、きっとお孫さん喜ばれるでしょう。
  うちも姑が居ますけど、全く交流がないものですから羨ましい」
雪乃「そうなの。
  それにしても、このビルのエレベーターはいつも来るのが遅いわね。
  ずっと7階で止まったままだわ」
千早「本当に、えらく時間がかかってますね」
雪乃「古いから遅いのかしら」
赤松「多分、何かの搬送中なんじゃないですか?
  表に4トン車が停まってましたから」
雪乃「そうなの。それは時間がかかるわけね。
  流石に階段で8階までは登れないわね」

 

話しかけたのはスーツの男性で、
彼は腕時計を見ながらスーツのポケットからスマホを出した。
女性二人はブツブツと文句を言いながら文字盤を見つめている。
しかし私の横にいる男性はダウンジャケットのポケットに手を入れて、
物静かに俯き立っている。
私はお店が気になるものの、このビルに長く居られることのほうが嬉しかった。
何故なら暫くはここの住人になったような恍惚感に浸れるからだ。
時々開くドアから滑り込むように冷たい風が入ってくる。
その瞬間、キャラメルとバニラが混ざったような甘く優しい香りが、
私の嗅覚を刺激して反射的に小さく声を漏らす。

思いきり吸い込むと記憶の隙間にすーっと入っていくような、

とても懐かしい、大好きだった香りだ。


美來「この香り、ゴースト……」


するとそれまで俯き加減に立っていた、
マスクにサングラスの男性がちらっと私に視線を向ける。
そしてこもった声で話しかけてきたのだ。


秀真「ゴーストってどうして分かった?」
美來「はい?そ、それは知り合いがつけてたから……」
秀真「これ。虫除けスプレーの匂いがするって、女子には不評なんだけど」
美來「えっ。あ、あの。
  香水って、トップ、ミドル、ラストって香りが変化するじゃないですか。
  私は、ミドルからラストに変わる時の香りが好きですけどね」
秀真「ふーん」
美來「(人が必死で話してるのにふーんで済ますんかい!
  この人本当に変な人、っていうか怪しすぎる)」


彼の言動にあたふたしていると、
ようやくエレベーターが降りてきて、三連ドアがゆっくり開く。
私達はやっと来たかと呆れたように溜息をつくと、
ひとりひとり乗り込んでいった。
女性二人は左側に立ち8階と7階のボタンを押す。
スーツの男性は5階を押すと右側に立った。
女性から「何階ですか?」と聞かれた私は「4階をお願いします」と答えたが、
マスクの男性は何も言わずに右奥の壁に凭れる。
何も言わなかったということは、
彼の目的の階は4階、5階、7階、8階のいずれかということになる。
いったい何処へ行くんだ?と思いながら、私は真ん中の奥に立つと台車を置いた。


ドアがゆっくり閉まり、登り始めたエレベーター。
閉鎖された空間に男性二人女性三人、
無言でいると息苦しさを感じて何とも居心地が悪い。
皆、1、2、3とゆっくり点字するエレベーターの操作盤を見つめる。
その時だった。
3階を表示していたところで大きな縦揺れの震動とともに照明が真っ暗になる。
そして目覚まし時計のようなベル音が鳴り出し、
キーッと異音を立ててエレベーターが止まったのだ。
それと同じに「キャーッ!」と悲鳴が上がり、
彼女たちは互いに抱きつきながら驚きと恐怖にその場でしゃがみ込む。
未だに揺れ続けるエレベーターに、さすがの私も膝がガクガクして立ち竦み、
左隣に立っていたマスクの男性の腕に思わずしがみついてしまった。
すると彼は私の腕を強く掴んで思いきり胸元に引き寄せた。
再び嗅覚を刺激する彼の香水の香りに抱きしめられた私。
ギシギシと音を立てるエレベーター内に閉じ込められて、
ゴーストにでも取り憑かれたような不安と恐怖が全身を襲っていたのだった。

 


(続く)

 

この物語はフィクションです。

 

 

 


皆様、こんばんは。
ご無沙汰でございます。愛里跨でございます。
年明けから日々の鑑定とイベントの準備でPCを開くこともままならずで、
ずっと更新もできないもどかしさも抱えていました。
そして気がつけば二週間も立ってしまいました。
しかし今日はやっとパソコンの前にじっくり座ることができましたので、
10作目になる“愛里跨の恋愛スイッチ小説(美來ちゃん編)”もスタートできます。
これからはもう少し日を詰めて更新できそうですし、
皆様のブログを拝見するお時間も出来ると思います。
今後共、愛里跨共々可愛がって頂けると幸いです。

 


それから、イベントの告知をひとつ。
1月21日(土)、11時から17時、
北九州市戸畑区中原にあります“昭和空間ヘミングウェイ”にて、
第1回『占いハウス』イベントが開催されます。
私、愛里跨も参加させていただきますので、
皆様のご来店をお待ちしております。
詳しくはこちらを御覧くださいね。

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http://fortunetellingarika.wixsite.com/arikanoheya/information

 

 

 


 

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