“愛里跨(ありか)の恋愛スイッチ小説(想也くん編8)” | 愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

愛里跨(ありか)の恋愛小説です(・ω・)
この小説を読んで、皆さんの恋愛スイッチを入れてみましょう♪

にほんブログ村ランキング参加中王冠1
下をポチっと押して貰えると
愛里跨はとっても元気になれるのよぉー(・ω・)ラブラブ

↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 小説ブログ

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ



ha-to



8、愛と憎しみの狭間で




ピンポーン(インターフォンの音)




意識の遥か彼方で聞き慣れないインターフォンの音がしている。
まるで実家2階の自分の部屋で寝ているような不思議な安堵感に浸り、
ベッド脇に伏せる形で眠っていた俺は、
2度めのインターフォンの音でハッと目を覚まし身体をおこす。
寝ぼけ眼で当たりを見渡し、気合を入れるかの如く両頬を叩いた。
そうだ。今日は12月31日大晦日。
部屋には和やかな太陽の光が斜めに差し込んでいる。
雪も止んで、カーテンの向こうはいい天気だろうと思いながら背伸びをした。


想也「あーっ。身体痛えー。
  ……そっか。あれから美琴さんの看病をしていて、
  いつの間にか眠っちまったんだな」


そうだった。
昨夜、俺は……




女性



〈想也の回想シーン〉



美琴さんの唐突な言葉に一瞬動くことができなくなるほど驚き、
俺の心臓はバクバクとすごい勢いで波打っていた。
甘える子供のような顔で見つめる美琴さんの視線に釣られるように、
意気地なしの俺はただ無言で見つめ返すことしかできない。



美琴「あの。もし良かったらですが、今夜はここに居てくれませんか?
  ロフトにお布団がありますからそれを使ってください」
想也「えっ(焦)どうして……」
美琴「私が仕事に行かないように見張っててください」


暫く無言で見つめ合っていたけれど、
彼女のちょっと充血した潤んだ目を見て、やっと冷静さを取り戻す。


想也「見張るって、言ってもね」
美琴「……ですよね。
  そんなこと言うと相楽さんを困らせちゃいますね。
  お正月休みで、ご予定もあるでしょうから」
想也「ふっ(苦笑)正月休みなんてのは関係ないけど、
  正直、このシチュエーションは困るな。
  と言うか、参るね」
美琴「あぁ……」
想也「でも。君のことが心配で来るって言ったのは俺だから、
  何も気にしないで」
美琴「はい……」
想也「それより、薬は飲んだの?」
美琴「はい。帰ってすぐ」
想也「そう。さっきより熱上がってるかもしれないな。
  目が充血してて真っ赤だよ」
美琴「あぁ。道理で目が重いなって思いました」
想也「もうゆっくり眠ったほうがいい。
  気になるから朝までここに居るから」
美琴「ありがとうございます。
  ……私が寝入ってしまったら申し訳ないので、
  もし御用があってお帰りになる時は、
  ローチェストの上のカードキーを使ってください。
  キーはドアポストに入れてくれたらいいので」
想也「分かった。その時はそうするよ。
  少し水分補給したほうがいいね。
  今ドリンク持ってくるから待ってて」
美琴「はい……」



美琴さんは弱々しく答えると目を閉じる。
俺は彼女のおでこに手を当てて体温を確認すると、
キッチンヘ行き、食器棚からグラスを取って部屋へ入る。
ローテーブルの上に置いていた袋からペットボトルを出しコップに注いだ。


想也「弦田さん。ドリンク……
  弦田さん?……寝ちゃったか」


ベッドの美琴さんは、眠り草のように横たわり、
いつもスーパーで見かけている明るく活発な彼女とは別人だった。
俺は持っていたグラスをテーブルに置き、
彼女の髪を撫でながらベッド脇に凭れ座ったのだ。





男性




想也「……そうか。あれから美琴さんの看病をしていて、
  俺もいつの間にか眠っちまったんだ。
  熱、下がったみたいだな」



現状を改めて理解すると彼女のおでこに手を当て、良かったと胸を撫で下ろす。
立ち上がって洗面所へ向かい、冷水で顔を洗うと完全に目が冷めた。
するとまたもインターフォンの音が聞こえてくる。
不慣れながらも部屋の入り口にあるモニターを覗いて確認すると、
マンションのエントランスに女性一人と男性一人が立っていた。
戸惑いながらも俺はインターフォンの通話ボタンをゆっくり押した。



想也「はい」
歌 『えっ!?……あ、あの、弦田美琴さんのお宅じゃあ……』
想也「はい。そうですけど、貴女は?」
歌 『私は美琴の親友で、って、私の素性を聞く前に貴方は何者!?』
想也「あぁ(焦)俺は、弦田さんの友人です」
歌 『友人って……美琴は?どうして彼女が出ないの?』
想也「弦田さんは今眠ってて。
  もしかして、貴女が歌さんかな?」
歌 『そ、そうですけど、なんで私の名前知ってるのよ』
想也「インターフォン越しに話しても上手く伝わらないんで。
  今開けますから上がって来てください。
  詳しくはお会いして話しますよ」
歌 『分かりました。
  私もですけど、美琴を心配して彼女の職場の人も来てるんで、
  その人と一緒に上がりますから』
想也「あぁ、はい。どうぞ。
  (職場の人って、ちらっと見えた男か?
  まさか、四宮じゃないよな)」



画面上で微かに映った男性の姿が誰かも分からずロックを解除した俺は、
もしその相手が四宮だったらと思った途端、心と体が固くなった。
鉢合わせることを覚悟し、二人が上がってくるのを待ち構える。
再度玄関チャイムが鳴ってドアを開けると、訝しそうな顔で歌さんが立っていた。
そしてその後ろにはスーパーシャンティで見たあの大男、
北斗流星が居て、じっと俺を観察するように見ている。



歌 「貴方、誰。美琴とどういう関係の人なの?」
想也「俺は相楽想也って言います」
流星「相楽……(何処かで聞いた名前だな)」
想也「友人になったのは最近ですけどね」
歌 「そう。その最近友人になった相楽さんは、
  美琴の家で何をしてるわけ?」
想也「何って、彼女の見舞いに来て」
歌 「美琴は?体調崩して病院に行ったって、
  昨夜LINE貰ったから看病に来たの」
想也「そう。それは助かります。
  彼女ならぐっすり眠ってますよ」
歌 「そう。そこどいて」



彼女は俺を押しのけるように中に入ると、
「美琴!」と声を掛けながら部屋へ入っていった。
いきなりの二人の訪問にどう対処していいか分からず、
済まなそうに北斗さんに声を掛けた。
すると彼は玄関へは入らず、穏やかに話し出す。


想也「あの。どうぞ」
流星「俺は中へは入れないからここでいいよ」
想也「えっ(焦)……どうしてですか」
流星「美琴ちゃんから入っていいと言われてないからだ」
想也「で、でも、貴方は彼女の様態が心配で、訪ねてきたんじゃないですか?
  えっと、北斗さん」
流星「ん?俺を知ってるの」
想也「まぁ。貴方は有名人ですからね。
  と言うか、弦田さんに話は聞いてます。
  先日スーパーでもお見かけしましたし」
流星「そう。彼女の体調はどうかな。
  今朝電話したんだが出ないんで、心配で来たんだよ。
  昨日は寒い現場での撮影で無理をさせたものだからね」
想也「熱は下がったみたいです。
  病院で貰った薬が効いてるのか、今は完熟状態ですね」
流星「そうか。だったら安心したよ。
  君が居てくれて彼女も安心したんだろう」
想也「いや、それはどうだか。
  (なんて大人な応対をするんだ、この人は。
  人間が出来てるっていうか、四宮笙とは大違いだな)」
流星「それじゃあ、美琴ちゃんが目を覚ましたら、
  今日の仕事は休みにしてるから安心して休めと伝えてくれるかな。
  次回の仕事の件は今夜連絡するからと」
想也「は、はい。伝えます」
流星「それじゃあ、俺はこれで」
想也「えっ。もう帰るんですか?」
流星「ああ。要件はそれだけだからね。
  じゃあ、美琴ちゃんを頼むよ」


幾ら部下の様子を確認出来たからと言っても、
余りに呆気無いと冷たく感じる彼の言動に戸惑う。
しかし帰っていく北斗さんの後ろ姿を見て、スーパー裏での出来事を思い出した。
美琴さんを責めるように接した冷酷男が去った後、彼が見せた情の深さを。
四宮笙の話をできる相手は北斗さんしか居ない。
このチャンスを逃すともう話す機会はないと判断した俺は、
エレベーターに乗ろうとする彼を慌てて引き止める。



想也「あの、北斗さん!」
流星「ん?何かな」
想也「四宮笙っていう人のことで相談があるんです」
流星「四宮のこと?」
想也「はい。
  昨夜のことなんですけど、倒れた弦田さんの事も気遣わずに、
  今日5時半の撮影に出てこいなんて強制的に言うんですよ。
  四宮さんの言った事もしてる事も完全パワハラですよね。
  そんな事実を北斗さんは把握してますか?」
流星「いや」
想也「俺は弦田さんに仕事へ行かないほうがいいって言いました。
  でも彼女は体調を崩しても『アシスタントの代わりが居ないから休めない』
  『彼の写真館では彼が責任者ですから』って言うんですよ。
  俺が知る限り“スターメソッド”っていう会社は、
  人材不足でアシストが出来無いとか、
  病人まで狩り出すようなブラック企業じゃないと思うんですけど」
流星「君の言う通りだよ。
  病人を働かせることはまずないし、アシストもしてる」
想也「ということは、あの男の独擅場ってことですよね。
  何時聞いても横暴な言動、どうにかならないんですか。
  完全部外者の俺が言うのも変な話ですけどね」
流星「確かにそうだな。
  でも、教えてくれてありがとう。
  それじゃあ、これで失礼するよ」
想也「ちょっと(汗)待てよ。
  俺は改善してほしいから話してるのに、
  聞くだけ聞いて無視するんですか」
流星「ん?無視したつもりはないが?」
想也「だったら何故何も言わないんです。俺は」
流星「君はうちの会社の人間じゃない。
  それに写真館の人間でもない。
  そんな君に、何か話さなきゃならないのか?」
想也「そ、それは……」
流星「もし君がうちの社員でも、あれこれと話す問題じゃないけどな」
想也「……」
流星「君の言葉の中に、四宮に対する怒りを感じるんだよ。
  美琴ちゃんを思ってのことだと思うが、君は感情だけで全てを判断している」
想也「えっ。俺、何か間違ってること言ってますか?
  困ってる人間を助けてくれって頼んでるだけです」
流星「君だね。昨夜、四宮とやり合おうとしたのは」
想也「なんだ。あいつに聞いてるんですか。
  だったら話は早いや」
流星「大事な人を守る時、威勢良く立ち向かうことも必要だけど、
  時には感情を抑えることだって必要だよ」
想也「理不尽な事を言う奴にそんな配慮が必要ですか。
  俺は冷血人間が大嫌いなものですから、
  弱い者いじめする奴が許せないだけですよ」
流星「行き過ぎた愛と、怒りや憎しみのような厄介な感情は、
  冷静さを欠いて本質を曇らせるもんだ」
想也「……」
流星「だけどその正義感はなかなか良い。
  俺は好きだけどね」
想也「貴方に好きって言われてもな」
流星「それじゃあ、俺は仕事があるからこれで。
  縁があったらまた話そう」




目



青二才の戯れ事のようにさらりと交わされた気がした。
どこまでも大人な彼に具の音も出ず、
ただただ黙って見送るしか無い俺だった。
はーっと落胆の溜息を付くと、背後から優しい声がする。



想也「なんだよ。いやに大人ぶってさ」
美琴「大人でクールな人でしょ?流星さんは」
想也「弦田さん!もう起きていいの?」
美琴「相楽さんが流星さんに絡んでるって、歌から起こされたものだから」
想也「えっ!?」
歌 「だってそうだったじゃない」
想也「そうだけど……俺は相談してただけで絡んでないって!
  (おーい。なんで俺が悪者になるわけ)」
美琴「廊下は寒いですよ。
  コーヒーを入れたので中へどうぞ」 
想也「弦田さん、俺はそろそろ帰るよ。
  夕方に親友が来て鍋突きながら“紅白”を観るものでね」
歌 「あら。もう帰っちゃうの?美琴の友人さん」
想也「ああ。帰るよ。
  意地悪な親友さんが来たから俺は退散します」
歌 「まぁ。意地悪なんて酷いわ。
  私が来て美琴と二人きりになれないからって、
  そそくさと帰らずに、コーヒーを飲めばいいのに」
想也「君の言い方、なんか癇に障るね」
歌 「そのように話してますから」
想也「おい」
美琴「歌、相楽さんをからかうのは止めて」
歌 「はいはい(笑)」
美琴「そうですか。
  お忙しいのにこれ以上お引き止めしたら悪いですね」
想也「悪くは無いって。
  昨夜も言ったけど、俺が来るって言い出したんだからさ。
  でも今朝は顔色が良いし、熱が下がったみたいだから良かった」
美琴「相楽さんのお陰です。
  昨夜は傍に居てくれて本当にありがとうございました」
想也「うん。じゃあ、またね。
  あっ。そうだった。
  北斗さんからの伝言で、今日の仕事は休みにしたからゆっくり休んでって。
  それと、次回の仕事の件は今夜連絡するからって言ってたよ」
美琴「そうですか。ありがとうございます」
想也「あぁ。あの。また食事誘うから、今度は美味い店に行こうね」
美琴「はい。楽しみにしています」
想也「うん。じゃあ、無理しないでね。お大事に」
美琴「はい(微笑)」
歌 「いつか私も誘ってね、友人さん」
想也「そのさ『友人さん』って連呼するのは止めてくれるかな、親友さん。
  それに、君を誘うことは多分無いと思うしね」
歌 「そっか。美琴目当てだもんねー。
  まぁ『友人さん』は私のタイプじゃないしね。
  それでは、さようならー」
想也「うっ(やっぱり、この女ムカつく)」
美琴「歌ったら、もう止めなさいって。
  ごめんなさい、相楽さん」
想也「いいよ。気にしてない(笑)じゃあ」



引きつった笑顔で手を上げる俺に、穏やかな表情で微笑む美琴さん。
二人の女性から手を振られ、照れながらエレベーターに乗った。
初対面の俺に憎まれ口を叩く親友の歌さんでも、
彼女の傍に居てくれるだけで安心だと言い聞かせる。
しかし、突然対面した北斗さんは部屋にも上がらず、
美琴さんの顔も見ずで一体何をしに来たのだろう。
結果的に俺が追い返した形になってしまったようで何とも後味が悪い。
『行き過ぎた愛』ってなんだよ。
俺が美琴さんに愛情を感じていると彼は思ったのだろうか。
四宮笙に対しての敵対心だと取ったのか。
どっちにしても北斗流星っていう男は一筋縄ではいかない相手だと悟る。
悪事でも働いたような、重苦しい気持ちでマンションから外へ出た俺は、
彼女の部屋を確認するように見上げ、溜息をつくと駐車場へ向かった。



美琴の部屋2



ゆっくりとコーヒーを飲みながら、何かを確かめるように部屋中を見渡す歌さん。
落ち着きない彼女に比べ、クッションを抱えベッドに凭れる美琴さんは、
まだ完全な体調じゃないからか、虚ろな目でぼんやりとしている。



歌 「美琴、寝てなくて大丈夫?」
美琴「うん。ぐっすり眠れたから大丈夫。
  相楽さんが居てくれたお蔭で助かったしね」
歌 「そう。しかし、相楽想也さんってかなり変わってるけど面白い人ね。
  何時から友達付き合いしてるの?」
美琴「彼はうちのスーパーの常連さんで、
  いつも500mlのビールを2本と、
  焼き鳥5本パックとポテトサラダを仕事帰りに買ってくれるのよ」
歌 「へー。焼き鳥とポテトサラダ。
  彼の好みまで知ってるなんて、かなり親しいのね」
美琴「ううん。本当につい最近話すようになったの」
歌 「そうなんだ。彼女とか居るのかな。
  あっ、居るわけ無いか。
  大晦日に男友達と鍋突きながら紅白観るって言うくらいだもんね」
美琴「ええ。彼女は居ないわよ。
  実は、彼もホープを持ってるの」
歌 「そうなの?」
美琴「ええ。だから私達と同じ」
歌 「そっかぁ。彼もホープ保持者なのね。
  あのさ。美琴は相楽さんのこと好きなの?」
美琴「えっ(焦)好きとか嫌いとか、彼はそういう対象じゃないわ」
歌 「そうだった。美琴には気になる彼が居たんだった」
美琴「ええ。今、福岡に居るんだって」
歌 「えっ。もしかして彼に連絡取ったの?」
美琴「ううん。流星さんに聞いたの」
歌 「そうなんだ。流星さんってかっこいいよね。
  美琴から話はずっと聞いてたけどさ、
  現実に会ってとても素敵な男性で驚いたわよ。
  しかもマンションのエントランスで声を掛けられた人が流星さんだったなんてさ。
  美琴の周りには素敵な人がいっぱいでいいな」
美琴「私はね、素敵って思える男性が一人居ればそれで充分よ」
歌 「あーあ。それって、心に余裕のある女の言葉よねー」
美琴「何だか今日の歌は変よね。
  いちいち突っかかって、相楽さんにもあんなこと言ってさ」
歌 「ごめん。突っかかってるつもりは無いんだけどさ。
  ちょっとうらやましいなって思っただけ」
美琴「うん」
歌 「美琴が相楽さんのこと恋愛対象に思ってないなら、
  私、アタックしようかな」
美琴「えっ(驚)歌、相楽さんのこと気に入ったわけ?」
歌 「うん」
美琴「あんなに嫌味なこと言っといて?」
歌 「うん。ほら、気持ちがあるのに弄りたくなることってない?」
美琴「私は無いわね(笑)」
歌 「そう。でも、何となくだけど彼と話してると楽しそうじゃない?」
美琴「そうね。確かに楽しいかもね」
歌 「ねえ、美琴。相楽さんとの仲、取り持ってよ」
美琴「えっ?(焦)今日初めて会って、ほんの少し話しただけなのにいきなり?」
歌 「うん。これが一目惚れって言うのかな。
  それに、彼がホープ持ってるってことは、
  近いうちに他の女性との出逢いがあるかもしれないでしょ?
  先手必勝、相手が攻める前に攻めろよ」
美琴「いつも感じてることだけど、そのバイタリティーには感心する」
歌 「美琴、お願い」
美琴「ふーっ。分かったわ。協力する」
歌 「やったぁ!ありがとう!美琴」
美琴「あっ。
  (体温計……返すの、忘れてたな)」



満面の笑みで喜ぶ歌さんの傍で、
ローテーブルの上に置かれた体温計に視線をやる美琴さん。
今まで感じたことのない寂寞感が彼女を襲い、弱った心をキュンとさせる。
そんな複雑な彼女の心持ちなど露知らず、俺は虚しい気持ちで演人に連絡した。

そして彼女の居ないスーパーシャンティへ向かったのだった。



電話


(続く)



この物語はフィクションです。






にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ


にほんブログ村 小説ブログ


↑↑↑↑↑↑
皆様にここをポチッとクリックしてもらうだけで、
愛里跨はもっと執筆活動に活力を貰えて頑張れます音譜
ポチッ!と、宜しくお願いしますね(*^▽^*)


ペタしてね  読者登録してね