愛里跨(ありか)の恋愛スイッチ小説(飛香&愛海編52) | 愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

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愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-無限大の命


 

52、無限大の可能性を秘めた命


 

寿里さんから訪問の理由と、
これまでの経緯を聞いて驚いたのも束の間、
彼女の口から出た予想外の申し出に困惑していた飛香さん。
暫く無言で考えていたけれど、
すぐ冷静さを取り戻し、優しい口調で彼女に話し出す。
その日は彼女の連絡先と滞在先を聞いて、
大佐和さんと東さんに回答を求めることにしたのだ。


 

飛香「村勢さんのご事情とご要望は承りました。
  今はオーナーが不在で私の一存ではお返事できないので、
  少しお時間をくださいね。
  私からオーナーにその旨をお伝えしておきますから、
  今後どうするかを検討させてください。
  改めてお話しできる日時は必ずご連絡しますからね」
寿里「分かりました。宜しくお願いします。
  この書類だけお渡ししておきます(写真集を開く)
  もしかしたら、手掛かりになるかもしれませんから。
  今日はお話聞いてくださってありがとうございます」
飛香「いいですよ。

  貴女のご要望にいい形でお応えできるといいけれど」
 

寿里さんはメモ用紙に携帯と宿泊ホテルを記入して、
写真集に挟んであった書類を取り出すと、

メモと一緒に飛香さんに渡した。
そして、深々と頭を下げてお店を出ていった。

 



愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-大佐和の店

 

その日の夕方、商談を終えて帰ってきた東さんと大佐和さんに、
飛香さんは、寿里さんが訪ねてきたことと話の内容を説明した。
渡された書類を見ながら始めはきょとんとして、
二人とも黙ったまま首をかしげていたけれど…


 

光世 「一年半前…」
大佐和「……あっ!この書類ってあの時の!思い出したよ。
   光世と神道と三人で行ったろ!ドイツ、マンハイムの商談だよ。
   あの時は商談後、トーマス氏とテオをホテルまで送ってたから、
   僕はお前たちとは別行動で、後から神道の事務所にいったけど、
   光世と神道は帰る途中に人が倒れてて大変だったって話してたろ」
光世 「あぁ…。あの時の…」
 

寿里さんの言っていた日本人男性二人とは、
仕事を終えて偶然通りかかった、東さんと親友の神道さんだったのだ。
二人は商談を済ませ、駐車場に向かう途中で、
あの場面に遭遇し、寿里さんを助けたのだった。
東さんは目を閉じて当時の状況を思い出し話しだす。

 

愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-東光世

 

光世 「あの日は生の車で新宿駅前まで出かけた。
   車のワイパーをハイにしても、

   前が見えないくらいの土砂降りの雨でね、
   道路は渋滞するし、駅付近の駐車場はどこもいっぱいで、
   商談場所の近くに止めれなかったもので、
   いつもは立ち寄ることのない公園近くの駐車場に止めたんだ。
   生も言ってたことだがあの時は、

   目に飛び込んできた途端に体が動いてたよ。
   とにかく二人ともなんとかしないとって必死だった」
飛香 「そうだったの…」
光世 「ああ…。そっか…助からなかったのか…」
大佐和「しかし、ひとりで結婚式だなんて、
   彼が亡くなって日が浅いから、

   前向きになれないのかもしれないが、
   それで本当にいいのかな。
   むなしくなるというか、僕は何だかしっくりこないよ。
   飛香さんはブーケの件、受けるつもりかい?」
飛香 「それはまだ悩んでて…。
   ブーケはこれまでたくさん手掛けてきたけど、
   こんな依頼は初めてのケースだから」
光世 「飛香ちゃん、そんな依頼は受けなくていい」
飛香 「えっ?」
光世 「不本意で自分が目指してきたものと違うと判断したら、
   そんな仕事は受ける必要なんかない。
   いくら相手に同情して、情けから受けたとしても、
   それは互いのためにはならない。
   僕も飛香ちゃんもいろいろあったが、
   辛さを全身で受け止めて、

   もがきながらも自分の夢を捨てずに生きてる。
   将来を諦めた客の依頼なんか受けなくていいさ」
大佐和「僕も光世の意見に賛成だな。
   同情心は時として不幸を招くもんだ。
   僕らが彼女の力になれる提案はもっと他にあると思うんだけど」
飛香 「そうよね…ほかにも何かあるわよね」
大佐和「ああ。飛香さん、明日彼女と会うことにするから今から連絡して。
   時間はAM11時で。ここに来てもらうように伝えてくれる?
   光世、それでいいか?」
光世 「ああ。いいよ。飛香ちゃん、それで頼む」
飛香 「ええ。わかった」

大佐和「なぁ、光世。何かいい手はないものかなぁ」

光世 「そうだな。とにかく本人に会って話さないとな。

   提案はそれからだ」
 

飛香さんは二人の会話を聞きながら、

預かった彼女のメモを見て、寿里さんに連絡した。

 



愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-悲しむ女性2

 

そして、翌日…
彼女はやってきた。
片手には東さんの写真集を抱えて。

 

(パリ、モンルージュ。大佐和の店“Petits Bonheurs”)

 

お店に入るなり寿里さんは立ち止まり、
ソファーに腰かけて書類を作成している東さんにくぎ付けになった。
東さんもそんな彼女に視線をやって立ち上がる。
 

寿里 「村勢寿里と申します
   あの…やっとお会いできました」
光世 「僕は東光世と申します」
大佐和「当店オーナーの大佐和直弥と申します」
寿里 「あの書類にあったお名前は、あなた方お二人だったんですね。 
   それに、貴方が写真集を撮られたご本人の東光世さん。
   こうやってお会いしてみて思い出しました。
   プロフィール写真は拝見していたんですけど、
   あの時の方が東さんだったとは気がつかなくて…   
   お礼が遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。
   その節は本当にお世話になりました」
光世 「こちらこそ、何もお役に立てなくてすみません」
寿里 「そんなお役に立てないなんて」
大佐和「まぁ、こんなところで立ち話もなんなので、こちらにどうぞ」
寿里 「ありがとうございます」

 

寿里さんは大佐和さんに案内されてソファーに座り、
三人が席に着いたところで、飛香さんは紅茶を運びテーブルに置いた。


寿里 「あの、東さんと一緒だった方もフランスにいらっしゃるんですか?
   もしお目にかかれたら是非その方にもお礼を言いたいんですけど」
光世 「僕と一緒に居たのは、神道生と言って僕の親友です。
   彼は東京に居ますのでここには居ません」
寿里 「東京…。そうですか。では、帰国したら早速お礼を言いたいので、
   神道さんの連絡先を教えていただけませんか?」
光世 「あぁ…。すみませんがそれはできません。
   彼は芸能プロダクションの社長をしていて、
   秒刻みのスケジュールで動いてるので、
   事情を話しても会うのは難しいかもしれません。
   貴女のことは僕から神道に伝えますから」  
寿里 「そうですか…。わかりました。
   では、東さんから神道さんに宜しくお伝えください」
光世 「はい。わかりました」
寿里 「これでやっと、私も目的を達成できます」
大佐和「目的ですか?」
寿里 「はい。東さんにお会いしてお礼が言えましたし、

   昨日風見さんにもお話ししましたけど、
   彼との結婚式をあげたら帰国できます。
   風見さん、お願いしていたブーケの件、
   費用と納品までの日数はどのくらいかかるんでしょうか。
   東さんにもお願いしたいんですが、
   私のウェディングドレスの写真撮影をお願いしたいんです」

光世 「撮影…ですか」
寿里 「はい。それから、大佐和さんのお店では、
   パリの画家さんが書いた絵画を、
   贈答用としても販売していると聞きました」

 

愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-ひとり結婚式

 

大佐和「はい。提携を結んでいる画家に依頼者が望む絵を書かせて、
   それを顧客のニーズに合わせた形で作品にしています」
寿里 「その絵も是非お願いしたいんです。
   皆さん、費用と日数はいくらかかっても構いませんので、
   よかったら今日それぞれ見積もりしていただけますか?
   私と彼の結婚の記念に是非お願いします」
飛香 「えっ…」
大佐和「見積もりって…」
光世 「……」
 

飛香さんと大佐和さんは言葉を詰まらせて、

困った顔で彼女をみていたが、
その表情を見ていた冷静な東さんが透かさず話し出した。



光世 「事情はすべて風見から聞きました。
   あの日、彼を失って貴女も大変だったと思いますし、
   今日まで、きっといろんな葛藤も貴女なりにあったと思います。
   でも、僕らは貴女のご依頼をお受けすることはできません」
寿里 「えっ…。どうしてですか?
   あなた方が有名な方々で、

   すぐお受けしてもらえないのも理解しています。
   でも、お金ならちゃんとありますから」
光世 「お金じゃないんです。

   貴女の意向に沿えないだけです。
   僕らの作品は、絶望の淵にあってもそれを真正面で受け止めて、
   そこから這い出そうをする前向きな人たちのための作品です。
   貴女の要望は亡くなった彼と結婚式を挙げる記念。
   これから幸せになるための、

   無限大の可能性を秘めた命を神から与えられながら、
   貴女のように生きながらにして死する人の心を、
   僕は撮影することはできない」

愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-無限大の命2

 

寿里 「生きながらにして死する…。
   風見さん、大佐和さんも駄目なんですか?」
大佐和「僕も東と同意見です。お受けできません。
   僕がこの店に、

   “Le Petits Bonheurs(ル・プティ・ボヌール)”と名付けたのは、
   この店の作品を通じてささやかな幸せが寄り集まり、
   皆がそれぞれに、

   幸せを手にしてほしいという意味を込めてのことです。
   貴女がこの世の男性と、

   幸せになる為のご要望なら喜んでお受けするけど、
   この世に居ないパートナーとの結婚式が、
   これから幸せに向かうものとは、僕は到底思えない。
   わざわざパリまできてもらったのに申し訳ないですが…」


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-結婚式
 

寿里 「そうですか…
   風見さんは私の気持ちわかってくれますよね」
飛香 「お気持ちは痛いほどわかります…
   だけど私もご協力はできません」
光世 「村勢さん、僕らは同情心から仕事はできない。
   ここに居る大佐和も風見も、

   僕と同じ志でここで作品を生み出してる。
   気持ちはお察しするが、

   どうお願いされても受けることはできません。
   酷な言い方で申し訳ないが、
   どうしてもそれをお望みなら他をあたってください」
寿里 「そんな…。はぁ…ひーくん…
   これから私は、どうしたらいいんでしょう…」
 

寿里さんは小さくため息を漏らし、

手に持っていたハンカチで顔を覆い泣き出してしまった。
東さんの力強く揺るぎない言動に、

今まで時間をかけてここまできた計画を、
変更せざる負えない結果に意気阻喪してしまったのだ。
 

飛香 「寿里さん…」
 

飛香さんは彼女の震える肩に手をあてて、無言で慰めていた。



愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-飛香6

 

無限大の可能性を秘めた命を、

どうにかして救いたいという三人の思い。
寿里さんの体からあふれ出す慟哭を、
飛香さん、東さん、大佐和さんは無言で見守っていた。
断った深意を分かってほしいとそれぞれに心で願いながら…

愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-大佐和


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-東光世2

 

(続く)


この物語はフィクションです。


 

☆愛里跨のひとこと☆

寿里にはあまりにも厳しい光世の言動(´・ω・`)

三人の真意が悲嘆な彼女に届くのか…

寿里の存在はこれから思わぬ展開を招くかも(^_^;)

今日も私のお気に入りを二曲をご紹介します。

合わせて聞いてみてね♪

 

↓↓↓↓↓↓

 

GRANRODEO “慟哭ノ雨”

http://youtu.be/XFAJ1U2MVSw

 

ダウト  “青い鳥” 

http://youtu.be/TN4S-Pdgsv4



 

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