愛里跨(ありか)の恋愛スイッチ小説(飛香&愛海編50) | 愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

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愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-嫉妬心


 

50、過去と未来への対抗心

 

 

私は驚いた。
フランスに行った兄が彼女に逢えて、
幸せいっぱい、ルンルンで帰ってくると思っていたから。
事実を知ったのは、
兄から聞いたのでも、飛香さんから聞いたのでもなく、
飛香さんの娘さんである花桜梨さんからだ。
フランスに居る東さんの親友の大佐和さんが、
飛香さんの身を案じて娘さんに現状を連絡したのだ。
それを聞いて私は居てもたっても居られず、
真守と共に兄の元へ行く。

 


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-東京

 

(東京、刹那のマンション)

 

愛海「えっ!…なんで!?」
刹那「なんでって…。お前が東さんに迷惑かけたのは事実だ。
  お金を置いていくのは兄として当然だろ」
愛海「いや、そういうことじゃなくて!
  なんで飛香さんに何も言わずに帰ってきたわけ!?
  前夜まで一緒にいた人が、朝起きたら隣に居なくて、
  置手紙とお金の入った封筒だけが残されてたら、
  いくら手紙に愛の言葉を並べられていたとしても、
  内心悲しくなるのは当然でしょ!?
  どうしてそういう女心わかんないかなぁー!」
刹那「……」
愛海「それに!お兄ちゃんがしたことは、
  完全に東さんに対する対抗意識だからね!
  東さんは心から飛香さんとお兄ちゃんの幸せを考えてしたことよ。
  なのに、飛香さんに優しくする東さんに負けたくなくて、
  私の分だけでなく、吉澤さんの宿泊代まで払ったのよね!」
真守「おい、愛海。そんなにお兄さんを責めなくても」
愛海「だって!」
真守「僕は男だから何となくだけど、お兄さんの気持ちはわかるよ」
愛海「真守まで何言い出すの!?」


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-嫉妬心2

 

真守「僕も同じことされたら、やっぱりそうする。
  自分には好きな女を守る甲斐性がないのかって考えちゃうよ。
  もしその東さんって人が、

  僕らの幸せを考えてくれての行為でも、
  きっと素直には主旨をとれなくて、
  無言の宣戦布告かって思ってしまうだろうな」
愛海「男って本当にバカ!なんでそんなことで対抗するの!?」
真守「愛海だって、飛香さんに会いに行くときは、
  東さんのことまかしてくるって、意気込んでいったんだろ?」
愛海「そ、そうだけど…。逢うと負けちゃうなって思うくらい、
  いい奴だったんだもん。紳士で自分をひけらかすことも、
  偉そうぶって私達を見下すこともなく、自然に接してくれたから。
  だから私、何も言えなくなって…」
真守「だろ?それなんだよ。自信を失うっていうのか、
  相手のほうが自分より勝ってるって感じてしまうと、
  退いてしまうっていうか、張り合う気持ちも失せてしまうものだよ。
  特に男っていう生き物はね。
  お兄さんを非難する前に、愛海ももっと男心を理解するべきだな」  
刹那「真守くん、ありがとう。

  分かってくれて…
  だけど、いいんだ。僕はこれで。
  飛香さんとの縁を信じてるし、自分がしたことに後悔はない。
  確かに愛海にはガッカリさせる結果で帰ってきたのは悪かったし、
  彼女にも辛い想いをさせたかもしれない…
  身勝手な男だと思われてるかもしれないな。
  ただ、東さんは大物だった。
  彼と面と向かって話をして、彼の心に抱えてること、
  出てくる言葉ひとつひとつに重みを感じたんだ。
  男として、人としても…雲泥の差だ。
  比較しても、今の僕では比べものにはならない。
  それこそ真守くんが言うとおり、
  男としての自信も、

  対抗する気持ちも失せてしまったのが事実だから」
愛海「お兄ちゃん…」
刹那「で?飛香さんの娘さんは、

  彼女のことはどうだって言ってたんだ」
愛海「うん。電話で話したかぎりでは普通だったって。
  笑いながら東さんとコラボ個展をするって話してたらしいわ。
  それに、お兄ちゃんのことも逢いに来てくれたって、
  普通に話していたらしいし。
  大佐和さんが心配するような感じはなかったらしい」
刹那「そうか…」

 

兄は、それから黙ったままでいた。
少しして私は、キッチンで食事の支度をしながら、
兄と真守が男の本音トークをする姿を無言で見ていた。
とにかく、飛香さんが心配でたまらない…



愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-がっかり


 


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-フォレドリオン2


 

(フランスシャンパーニュ地方、フォレドリオン自然公園)


 

一方、飛香さんはというと…
東さんとふたり、

フォレドリオン自然公園について撮影機材を下していた。
そして、湖の見える場所に機材をすべて置くと、
東さんは一言もしゃべらずに湖畔に移動して、
カメラを構えシャッターを押しだした。

 

カシャーカシャーカシャー…(シャッター音)


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-湖


 

一時間は経っただろうか…
飛香さんは、その沈黙のまま写真を撮り続ける彼の姿と、
目の前に広がる鮮やかなグリーンの景色とコラボする、
青い湖の小さな波を茫然と見ている。
しかし、飛香さんは少ししてある異変に気がつく。
それは頬に一筋の涙を伝わせ、
小さく震えながらもシャッターを押す東さんの姿だったのだ。


カシャーカシャーカシャー…(シャッター音)


飛香「東…さん?…泣いてる?ねぇ、どうしたの?」
光世「もう平気だろうと思ってここにきた。(カシャーカシャー)
  あれから三年半も経つんだ。
  もうこの景色を見ても、何も動じないだろうと…
  でも…駄目だ。
  こうやってファインダーを覗くと、
  あいつの笑ってる顔が浮かんでくる…」
飛香「あいつって…。穂乃香さん?
  ここは穂乃香さんとの想い出の場所なの?」 


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-カメラ

 

東さんは、シャッターを押す指を止め、
小さく震えながら崩れるようにその場で座り込んだ。

飛香さんは彼に駆け寄り、しゃがみ込み肩に手をおいた。

 

飛香「東さん!?
  そんなに辛い場所なのに、なぜ撮影場所に選んだの?
  …もしかして…私のせい?」
光世「いや…そうじゃない。
  穂乃香が亡くなってから、ずっとこの公園だけは避けてきた。
  でもこの半年、君が亡くなった彼との過去を、

  克服しようとしてる必死な姿を見て、
  僕ももう逃げてはいけないと思ったからだ」
飛香「そうなの…。

  あの、東さん。もし話せるなら、

  彼女とどんな想い出のある場所だったのか聞かせて?
  話すことで楽にあることもあると思うの」


愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-ベッドの中

 

東さんは座り込んだまま項垂れていたけど、
静かに穂乃香さんとの過去を語りだした。
 

光世「ここは、僕が穂乃香にプロポーズした場所で、
  いつも時間さえあれば、彼女とピクニックに来た…
  穂乃香はフランスの何処の公園よりもここが気に入ってね、
  あの頃の季節も今と同じ、心地よい秋の風が漂っていたよ。
  撮影のために、

  ブドウ畑を所有している友人から小型機をチャーターして、
  穂乃香を連れてこの公園の上を散歩したんだ。
  いつも僕らが見ていた湖を眺めながら…

  僕は彼女に結婚しようっていった。
  日頃の穂乃香は勝気で、僕らはよく衝突したよ。
  あいつ、僕にライバル心か何か持ってるのかって思うくらい、

  僕の言うことにいちいち突っかかってた…
  そんなだから、いつもはお互いどっか素直になれなくてさ。
  言い出したら一歩も引かない彼女に根負けして、
  仕事以外のことでは、結局僕が折れてたな。情けないけど。
  そんな彼女でもここに来ると素直でね。いつも笑ってた。
  だからプロポーズするときはここにしようと決めていたんだ。
  ここでは笑った彼女の顔しか想い出せない。
  いつもはこん畜生って思うくらい憎ったらしいのに、
  ここで見せる彼女の笑顔は、モン・サン・ミッシェルの写真以上に、
  いい笑顔をみせてくれてたんだ。
  きっとここは、人の力ではどうにもできないことも、
  修復してくれるような…何だかわからないけど、
  不思議なパワーが宿ってるのかもしれないって、
  僕はずっと感じてたんだよ」
飛香「そんな素敵な想い出が詰まった場所だったの…」
光世「ああ。飛香ちゃん、すまない。
  急に取り乱したりして。
  僕としたことが泣いてしまうなんてな」
飛香「いいの。東さんも辛い想いをしてるんだもの。
  私こそごめんなさい。
  飛空のことも克服できてないのに、
  ここ最近の蘭花や刹那さんとの別れで、
  心にぽっかり穴が開いた気持ちになってね。
  中身は空っぽなのに、表向きは仕事をして、
  東さんにはそんな何もない私が見えてたのよね。
  だから今日、あんな風に厳しく言って私をここに連れてきたのよね」
光世「ああ、そうだよ。

  心のないまま作品を作っても、
  イベントの時のような感動的な作品はひとつとして生まれない。
  それにこれ以上、空っぽの飛香ちゃんを見たくなかった。
  傍で何もできずに見てるのが辛かった」
飛香「東さん」
光世「だからここにくれば、飛香ちゃんも心を取り戻して、
  彼女と同じように素敵な笑顔になってくれるかと思ってね」
飛香「ありがとう…。

  この輝いてる湖を見たら、
  何だか気持ちが晴れてきたわ。
  穂乃香さんがここをお気に入りにしたのも分かる気がする」
光世「そっか。暗くなってきたな…

  今日は遅くなったし、トロワで一泊しよう。
  上手いワインのある店があるんだ。

  こじんまりとした店だけどね。

  おいしいもの食べながら、サイコーのワインを飲んで、

  そこで鋭気を取り戻そう。なっ」

飛香「ええ」



東さんは優しい眼差しで飛香さんを見つめ彼女の左手を握った。
ふたりはエメラルドグリーンに光る、

静寂のワードオーブ湖を眺めながら、
壮大なる大地の不思議な力を肌で感じていた。



愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ-手をつなぐ

 

(続く)


この物語はフィクションです。

  

 

☆愛里跨のひとこと☆

掴みたい心と退いてしまう心。

恋愛する心はいろんな葛藤に揺さぶられますね。

対抗、嫉妬、憤慨、不信、失望…

そんなマイナスの感情には特に(´・ω・`)

飛香や刹那、光世の心にも、複雑でどうにもならない、

断腸の思いのようなものもあるようです。

三人の今後を皆さん、見守っていてくださいね(ノω・、)

今日は私の好きな稲葉さんとONE OK ROCK の曲ご紹介。

良かったら観いてみてくださいね(*゚ー゚)ゞ


 

↓↓↓↓↓↓

  
ONE OK ROCK - Hitorigoto Lonelyna (独り言ロンリーナ)

http://youtu.be/GOrgjavNLpk

 

稲葉浩志 - 波 (2010)
http://youtu.be/FLjHR6fkY7k


 

 

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