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愛里跨(ありか)の恋愛小説です(・ω・)
この小説を読んで、皆さんの恋愛スイッチを入れてみましょう♪

愛里跨(ありか)でございますキラキラ

占い師やってます(*^.^*)

福岡県北九州市在住です家

本格的に占いの仕事を始めて24年目に突入しましたアップ

皆様に感謝でございます(*^▽^*)キラキラ

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59、その想い、ここに眠る




白い息を吐きながら新宿駅西口から歩いてアモールに向かう。
一年前の今日。
そう。ちょうどこのくらいの時間だった。
あの日も一日晴れていて、日中の気温は確か15.2度。
夜は5、6度まで下がって北西から吹き付ける風が冷たかった。
ダッフルコートを羽織っていても、身震いするくらい寒くて。
でも……
入口前の階段に座っている茉を見て、
一瞬で身動きできなくなったんだ。
誰かを待ちながら冬空を見上げる彼女。
俺の凍えそうだった心が一気に温かくなった。
胸はきゅんと轟いで、激しく波打つ鼓動は、
出会えた喜びと動揺に暴れていた。



出会った日と同じように、
俺はぼんやりとアモールの入り口を見る。
しかし今は……
同じ場所に立って夜空を見上げているのは。




星之「あれは……茉。
  いや、違う。
  あの子は美羽さんだ。
  同じような素振りをしていても、美羽さん。
  でも。もしかしたら……
  いや、そんなはずはない。
  茉はもうこの世に存在しないんだから。
  統合治療最後の日に、
  あの日のことも過ごした想い出も、
  必死で押さえていた恋心も全部永遠に眠らせたんだ。
  なのになんで……参ったな。
  どんな顔をして美羽さんに声を掛ければいい。
  容姿は同じなんだから仕方ないが、
  一年経った今でも、
  消えたはずの茉は……俺の心を掴んで放さない」




きょろきょろと探す仕草をしていた美羽さんは、
俺の姿を見つけると、
嬉しそうに手を振って駆け寄ってきた。
ほのぼのとした空気を味わいながらも、
何故か空虚に感じるのは、
この場所にはまだ茉が居るからか。
そうなのか……茉。



美羽「せのさん!」
星之「美羽さん」
美羽「お疲れ様です!」
星之「お疲れ様。
  ごめん。待たせたね」
美羽「そんなに待ってないので大丈夫です」
星之「エントランスで待っててくれて良かったのに。 
  今夜も一段と冷えるし、ここはビル風が強いからね」
美羽「いえ。
  寒さよりもその、楽しみのほうが上回ってて」
星之「そうなの?」
美羽「はい!
  だって、やっとせのさんと二人デートが実現したんですもの。
  『行っておいで』って言ってくれた彩に感謝!」
星之「えっ。これはただの買い出しだよ?
  しかも注文品を取りにいくだけだし」
美羽「それでも、私にはデートなんです。
  せのさんだけとしか味わうことのできない、新鮮なデート」
星之「そう……じゃあ。そういうことにしとこう」
美羽「はい」



俺は美羽さんをエスコートするように車道側の歩道を歩く。
彼女はすれ違う人とぶつかりそうになると、
時折腕に凭れるように寄り添ってきた。
とても照れくさそうに。
そしてとても申し訳なさそうに。
そんな遠慮深い彼女を横目でちらっと窺い、
「掴んでていいよ」と言った。
美羽さんはニコッと微笑んで、
はしゃぐ子供のようにしがみついた。



今日は“英雄、時をゆく”クリスマスイベント日。
俺となるの愛の巣……オホン。
は置いといて、自宅マンションに皆が集まり、
クリスマスパーティーを兼ねて、
イベントの特別ダンジョン攻略に挑む。
買い出し担当の俺と美羽さん。
料理担当のなる&彩、飲み物担当の流偉さんに涼火、
機材セッティング担当の田所に津上の8人だ。
買い出しを頼まれた俺と美羽さんは、
クリスマスムード漂う街並みを歩きながら、
オードブルの注文をしていた店に向かった。




美羽「せのさんが以前、
  『クリスマスはこんなものじゃないよ。
  街中宝石をまいたようにキラキラ輝いて、
  本当に溜息が出るくらい綺麗だよ』って、
  私に話してくれましたよね」
星之「そうだったね」
美羽「本当に宝石みたい。
  どこもかしこもキラキラしてて、綺麗……」
星之「ああ」
美羽「クリスマスの街並み、見てみたいって思っていたから」
星之「美羽さんが最後まで統合治療を頑張ったら、
  俺がエスコートするって約束だったな。
  ごめんね。
  いろいろとバタついてたからなかなか誘えなかった」
美羽「ううん。今日やっと叶いました!」
星之「えっ。こんな序でみたいなのでデートなんて、
  なんだか申し訳ないよ」
美羽「序でじゃないです。
  これはれっきとしたクリスマスデートなんです」
星之「ふっ。そうだね」
美羽「……あの。せのさん」
星之「ん。何?」
美羽「あれから、どうですか?るなさんとは」
星之「えっ。どうって」
美羽「私と彩は、彩のご両親が理解してくれて、
  結婚式まで何とか話を進めることができたんですけど。
  せのさんとるなさんは……大変ですよね」
星之「大変……とは」
美羽「ご両親が神道社長にお話に行った後、
  きっと揉めたのだろうと思って。
  いろいろあったって、その件なのでしょう?
  お二人の仲に亀裂が生じたりはしていないですか?
  今日のイベントで、
  もっともっとお二人の愛が深まればいいのだけど」
星之「……美羽さん、ちょっと待ってくれ。
  君は何の話をしているの?」



俺は立ち止まり、美羽さんの腕を掴んで、
行き合う人を避けるように歩道脇によけた。
そして両肩に手を掛けて覗き込み真顔で話す。
彼女は一瞬驚いた表情を浮かべたが、
目に深い悲しみの色を見せて俯いた。



美羽「……もしかして、ご存じではなかったですか」
星之「俺の両親が神道社長に会ったって、いつの話し?
  君は何があったのか知っているんだな」
美羽「彩ほど詳しい事は、分かりませんけど……
  るなさんとのことでご相談があったと。
  お二人を別れさせてほしいと。
  でも、社長は断ったと伺って」
星之「彩も知ってるのか。
  知ってるなら何があったか教えてほしい」
美羽「……では、今から教会に行きたいです。
  品物を受け取った後に」
星之「教会」
美羽「はい。せのさんのお気に入りの場所。
  そこで私が知ってること、
  彩から聞いたことをお話します」
星之「分かった。じゃあ急ごう」

 

 




俺達は注文品を受け取った後、青山の大聖堂へ向かう。
到着するといつもよりカップルが多いけれど、
それでも優しいイルミネーションは変わらずに揺れて、
「よく来たね」と出迎えてくれた。
美羽さんは躊躇いながらも、
聖堂の十字架をじっと見上げる俺に、
知っているすべてを話してくれた。
母が神道社長に土下座し床に頭を擦り付けて、
俺となるを引き離してほしいと言い寄ったこと。
父が俺を解雇できないなら、
福岡支社に転勤させてほしいといったこと。
社長から断れた後も、本社の社員を見かけると、
見境なく話しかけ探りを入れていたことも。
以前、彩からなるのことを聞いていたのもあって、
少しは想像できたが、両親のあまりの醜態に言葉を失う。
吐き気がするほどの情けなさと、
やり場のない怒りがこみ上げてきて俺は頭を抱えた。



星之「父さんはともかく、
  母さん……何をしてくれてるんだよ」
美羽「あぁ……私、どうしよう。
  こんな形でお伝えしてよかったのかな。
  ごめんなさい。
  せのさんを、困らせただけだったかも」
星之「いや、教えてくれてよかったよ。
  知らないままならそれこそ大問題だ。
  社長にまで迷惑かけて、
  自分の親ながら常識がなさすぎて呆れかえる。
  俺はもう、いい大人だぞ。
  自分の進む道くらい自分で決める!」
美羽「せのさん」
星之「美羽さん、話してくれてありがとう。
  俺となるは大丈夫だから、もう気にしないでいいよ。
  それに、今日はダンジョン攻略して、
  トナカイマウントをゲットするんだろ?」
美羽「……はい」
星之「俺と君、ヒーラーコンビで皆を癒そう」
美羽「そうですよね。
  ヒーラーの底力、みんなに見せつけてやらないと」
星之「そうだ。
  じゃあ、そろそろ帰ろう。
  みんなが腹を空かせて待ってる」
美羽「はい。
  (現実でも魔法が使えたら、
  せのさんの深い傷も疼く心も、
  ヒールで癒してあげれるのに……)」



いっそ、嘆かわしさも怒りも失望も、
不快に感じた感情のすべてを、
この地に留め眠らせることができたらどんなに楽だろう。
そんな非現実的なことをよぎらせながら、
俺は美羽さんの手を握り、大通りへ向かった。








俺達はタクシーに乗り、自宅マンションへ戻った。
到着して玄関に入ると、
今か今かと待ち構えていた田所と津上が、
俺と美羽さんの背中を押してリビングルームに連れていく。
もう既に場が盛り上がっていて、
重ねたローテーブルにパソコンが8台並んでいた。
  


彩 「買い出しお疲れ様」
涼火「遅いぞ、二人とも」
星之「待たせてすまん」
流偉「クリスマス前だから人多かったでしょう」
美羽「はい。すごく賑わってて」
月 「よし。全員集まったな。
  そろそろご飯にしよう」
星之「あ、ああ」
田所「アツアツのピザもあるぞ。
  シーフードミックスに照り焼き。
  モッツァレラチーズとバジルの葉たっぷりのマルゲリータも」
流偉「美羽もせのさんも、突っ立ってないで座って座って」
美羽「は、はい。ありがとうございます」
津上「せのさん、美羽さん、何飲みます?」
美羽「じゃあ、私はレモンサワーで」
津上「了解!せのさんは何がいいです?」
星之「……」
津上「せのさん?」
涼火「ん。せの、どうした」
彩 「星之。何かあったの?神妙な顔をして」
美羽「せのさん」
星之「みんな。悪い。先に始めてて。
  俺、ちょっと急用あるから、電話してくる」
月 「急用?」
彩 「星之?」
美羽「まさか。今からご実家に……」
田所「実家?」
彩 「美羽、何があったか知ってる?」
美羽「……うん。実は……」
月 「せの」



俺はバッグからスマホを取り出し、
リビングルームの窓を開けるとベランダに出た。
皆、ビックリした顔で、
カーテンの隙間から見える俺の背中を見守る。
しかし、様子がおかしいと察したなるは、
エプロンを外し、キッチンからスタスタと歩き、
窓を静かに開けるとベランダにやってきて、
仁王立ちで様子を窺った。
感情的に話す俺の姿を心配そうに見つめて。



星之 「母さん。なんてことをしてくれたんだよ!
   スターメソッドは俺の大事な職場で、
   神道社長は命の恩人なんだ。
   それなのに勝手に社長室まで押しかけて、
   忙しい社長に迷惑かけて、
   常識のある人間のすることじゃないだろ!」
星之母『私は貴方が心配だからよ。
   職場でも私生活でも、あんな男性と居て。

   星之にとって悪影響だわ。
   これからの人生を一緒に過ごすのは絶対に女性がいいの。
   私とお父さんのように、貴方を産んで育てたように、
   温かい平穏な家庭を築くことこそ、
   人間の本来の姿で真の幸せなのよ。
   だから。あんな男性と早く別れて、うちに帰っていらっしゃい』
星之 「……」 
星之母『お見合いの話しも数件あるし、
   電話じゃなく顔を見て話しましょう。
   それにお父さんの伝手で仕事の話しだって』
星之 「俺は!なると絶対に別れない」
月  「(せの!?)」
星之母『まだそんなことを言ってるの!?』
星之 「なるは俺の人生の全てを掛けてもいい男だ。
   ずっとあいつとバディを組んで、いい仕事をして満足してる。
   どんな時も常に相手を思い合い、
   いい上司、いい仲間に囲まれて、今とても幸せなんだ。
   毎晩あいつと肌を重ねて、愛し合って絆も深めてきた。
   今まで知り合った女性達には感じなかった、
   最高の満足感を、俺はなるからもらってる。
   あいつを失ったら俺は……生きていけないんだ」
星之母『あぁ……もう止めてちょうだい。
   男同士で愛し合うなんて、ご先祖様に顔向けができないわ。
   本当に、なんて罰当たりな子なの!?』
星之 「父さんと母さんの期待に添えなくて申し訳ないけど、
   二人がどうしてもなるを受け入れられないって言うなら……
   貴女の息子、秋津風星之は死んだと思って欲しい」
月  「(えっ!?
   おまえにそこまで言わせるって。
   せのにいったい何が起きて……」
星之母『星之。何馬鹿なことを言っているの!』
星之 「俺の家族はなるだけでいい。
   父さんにもそう伝えてくれ」
星之母『そんなこと、お父さんが絶対に許すはずがないでしょ!?』
星之 「話は以上だ、母さん。
   もう連絡はしないでくれ」
星之母『ちょっと、星之、まだ話は終わってないわよ!?』
星之 「……」



電話を切った後も何度も着信が入るスマホ。
鬱陶しいと思いながらすぐに電源を落とし、
「はぁー」と重い溜息をついた。
伝う汗も凍りそうなほど冷たい夜風にあたりながら、
荒ぶる心を必死で立て直す。
けれど、背後から俺の名を呼ぶ声に一瞬で癒される。



月 「せの」
星之「あぁ……なる。そこにいたのか」
月 「いたよ」
星之「いつから」
月 「最初から」
星之「あぁ。全部聞いていたのか」
月 「僕に隠し事はないんじゃなかったかな?」
星之「……ふっ。そうだな」
月 「何があったんだ。
  またお袋さんが、僕のことで何か」
星之「大丈夫。何も問題はない。
  母さんは母さん。
  俺は俺だからな。
  おまえでいう陽立さんと一緒さ。
  俺達の仲を認めようとしない、ただそれだけのことだ」
月 「……そうか。
  僕が女だったら、せのが家族を失うことはないのに」
星之「それはお互い様だろ?
  俺が女だったら、陽立さんを怒らせることもないんだから」
月 「いっそ転換手術でもするかな」
星之「何を言ってる。
  そんなことする必要はない。
  女になったおまえなんて、魅力半減だ」
月 「あー。それすごく酷いよ」
星之「俺は今のままのなるがいいんだ」
月 「うん……僕もだよ」


なるは俺に近づいて、宥めるようにぎゅっとハグをした。
少し早くなっている彼の鼓動を聞きながら、
この幸せを絶対に守り抜こうと改めて決意したのだ。

そしていつも俺に安心と癒しをくれる仲間も。

 

 

月 「みんな心配してる。さぁ、中に入ろう」

星之「ああ。そうだな」






(続く)



この物語はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
 

 


 

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皆様ラブラブおはようございます(*^-^*)音譜

愛里跨でございますおねがい
いつも私の拙いブログ、小説を見て下さって本当にありがとうございますドキドキ
そしてたくさんのいいねをくだって、心から感謝でございます照れ


 

今日はすごーく久しぶりにブログネタからウインク

趣味に関してなんですけど、読書やカメラなどなど、

興味のあるものはとりあえずやってみようという私。

連載中の小説“星之くん編”でも少し触れていますが、

実はゲームもガチ勢ではないですけど学生時代から嗜んでいますニコニコ

 

アーケードゲームから始まり、

ファミコンとか最近ではスイッチやPS4ゲーム

仕事の合間や休日に、できる時間は少ないけど、

ストレス解消にプレイしていて、

数年前からハマっているのがMMORPG音譜

キッカケは娘ちゃん達の影響なのですが、

今では家族のコミュニケーションツールになっていますにっこり

 

その中でも家族全員でやっているゲームがあって、

キャラクターの中に『占星術師』というのがいるんです驚き

「天球儀」を回して、星座を暗示する「アルカナ」によって、

運命を切り開くという職業ゲーム

星を読みながら数枚のカードを駆使して、

味方を守りつつ、モンスターや敵を攻撃するというジョブ飛び出すハート

「うん。なんか自分の仕事に通じるものがあるなー」と。

運命の輪やホロスコープ、マレフィックやオラクルなど、

「スキルやアクション名も実際の仕事で触れているから分かるな」と。

それですごく気になって、

興味本位にトライしてみることにしたんですニコニコ

 

しかし……

これがなかなか難しく、意外に技術がいるというか、

とにかく頭も手元も忙しい!?

3人、もしくは7人、

あるダンジョンではそれ以上の人数の動向を見て、

みんなの回復やサポートをしなくてはいけないビックリマーク

頭では分かっているのに、動作がワンテンポ遅くなったり、

それでタンクさんやパーティーメンバーを……床に転がしちゃった真顔

 

実際の仕事ではスター

ゆったりとした神聖な空気の中で、お客様と私の一対一。

星を読みカードを読み、皆さんのお悩みに寄り添う。

こんなにせわしくないのです汗

 

結果!

今の私は技術不足にて、あるレベルで止まっていますあせる

後に調べたら4つあるヒーラー職(癒し手、回復・治癒)の中でも、

いちばん難しいジョブらしい無気力

 

私の様子を横目で見ていた娘ちゃん曰く、

「片手間でできるジョブじゃないから、学習と実践と経験だよ」と。

『あぁ、それはリアルな仕事でも同じだな』と、

しみじみと感じたのでしたにっこり

 

 

 

久しぶりにブログネタで書きましたけど、とても新鮮でしたキラキラ

また興味あるテーマがある時は投稿しようと思いますおねがい

それから、星之くん編59話は、

本当に少しずつ少しずつの執筆でして、

出来次第UPいたしますので、

皆様ラブラブもうしばらくお待ちくださいねニコニコ

 

 

 

 

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“愛里跨の12星座monthly占い(6月22日~7月22日)”
gooブログにて記事をUP致しました。
皆様の今月の運勢はどうでしょう。
ご興味のある方はご一読下さいね。

 

 

 

星占い記事は下記より星

   ↓

愛里跨の12星座monthly占い(6月22日~7月22日)

 

 

 

 

 

 

 

それから愛里跨の近況と、星之くん編59話更新ですが、

前回お伝えした「衣替えをしてて腰をやっちゃいましたー」っていうあせる

かかりつけの整形外科に受診したところ、

検査の結果で椎間板ヘルニアとすべり症と診断されまして(´;ω;`)ウゥゥ

今現在、投薬治療とリハビリをしながら、

娘ちゃん達の力を借りて、仕事&家事諸々を熟しております。

(手術するほどではなかったから良かったですー)

しかし今も長時間同じ姿勢ができないので大変でして汗

引き続き腰に負担をかけない程度で執筆を進めてまいります(*^^*)

(もうすぐ星之くん編もオーラス、エピローグが近いー)

出来上がり次第UP致しますので、

皆様ハートもう暫く温かい心でお待ちくださいね(#^.^#)

 

 

 

 

 

 

 

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58、“愛している”の証明




なるの肌の温もり。
触れるごとに漏れる小さな吐息。
この世界に二人だけでいいと思わせるほどの快感と愉悦。
もし……
茉がひとりの女性として俺の目の前に存在していたら、
こんな風に心のままに求め、感じ、喜び、
身も心も満たされて安らかな眠りにつけていただろうか。
そんな妄想は今まで何百回も何千回もした。
なのに一度も、リアルな感覚にはたどり着けなかった。
それが茉の答えというのか。
彼女が居なくなったと知った今、
俺の求める答えにたどり着くことは……ない。



ふっ、まったく滑稽だ。
「俺だって!君を愛していたのに!」なんて、
昨夜の俺はむきになって馬鹿みたいに叫んだけれど。
そもそも“愛”ってなんだ。
それこそ実態なんてないのに。
でも……あぁ、そういえば。
眠りに落ちる直前、何気に呟いた俺の問いに、
なるはごく自然に答えていたっけ……



〈星之の回想シーン〉




月 「せの。愛してるよ」
星之「うん……俺も愛してる……
  なあ、なる」
月 「ん?」
星之「そもそも“愛”ってなんだ。
  俺もおまえも世間も、自然に“愛している”と口にする。
  実態なんかないのに、証明なんてできないのに、
  どうして挨拶みたいに言うんだろう」
月 「そうだな。
  せのの名前、この身体、いつもの仕事ぶり、
  僕にとってせのの全てに感じるものだよ。
  いない時は思い浮かべるだけで、
  一緒に居る時はこうやって触れるだけで、
  言葉ではうまく言い表せない、やるせない気持ちが、
  この胸一杯になって苦しくて、切ない。
  “愛”っていうのは、いつもは心の奥底に眠っていて、
  こういう瞬間に泉のように湧きでてきて、
  僕の心の器を隅々まで満たすんだ。
  そしてどんどん溢れだしたら、動けなくなる」
星之「そう考えれば“愛”って……
  自分じゃ制御できなくて厄介だな」
月 「うん。僕は無限大だと思っているよ」
星之「無限大……
  じゃあ、茉への愛は証明できないな」
月 「どういう、意味?」
星之「彼女はもう……この世には居ないから……」
月 「せの。
  僕は居なくならないからもう休め」
星之「ああ、なる……約束……だぞ……」


なるは俺を包み込むように抱きしめて、
とんとんと軽く背中を叩きあやす。
俺はとても安堵して、
すーっと吸い込まれるように眠った。









窓ガラスの向こうから小鳥のさえずりと、
日常音である大都会のノイズが微かに聞こえてくる。
そして。
いい加減くどい妄想から目を覚ませと、
耳元で鳴るスマホの着信音も……






星之「ん……もしもし」
涼火『もしもしじゃねー!遅刻だ、遅刻!』
星之「ちこ……く」
涼火『何度電話したと思ってんだ。いい加減起きやがれ!』
流偉『ちょ、ちょっと涼火、もう少し穏やかに』
涼火『流偉、何を生温いこと言ってんだ。
  仕事に穴を開けたいのかよ!』
星之「……はっ!」




時間を確認した俺は慌てて飛び起きる。
一緒に寝ていたはずのなるは既に出勤していて、
『昨夜は久しぶりに良かったよ。
先に仕事行くけど、せのも一日頑張って』と、
枕元にメモ書きがある。
今日は流偉さんと7時半にアモールで待ち合わせ、
朝食を摂ってから千葉の撮影現場に入る約束だった。
それなのに俺は30分近くも寝過ごしたのだ。
スピーカー音にしているのか、
傍でオロオロする流偉さんの様子が手に取るようにわかる。



涼火『はっ!じゃねーよ!
  しかもてめー、昨夜寝落ちしやがったろ!』
流偉『もう、涼火。それはいいの』
星之「流偉さん、すみません!
  これから支度してすぐに向かいます!」
流偉『せのくん、いいよ。
  僕が車出すから自宅まで迎えに行くよ』
星之「で、でもそれでは申し訳が」
流偉『現場に入るのが遅れるよりいいでしょ?
  それより、慌てて支度して機材を忘れないようにね』
星之「はい!本当に、すみません。
  よろしくお願いします」
流偉『ふふっ。了解。
  じゃあ、せのさん。のちほど』
涼火『流偉、気をつけて行けよ』
流偉『はいはい』
涼火『おい、せの。
  俺は流偉みたいに優しくないからな。
  耳かっぽじってよく聞けよ」
星之「な、なんだよ」
涼火『俺はな、
  いつも通りの生活ができないような腑抜けにするために、
  おまえにあの手紙を渡したんじゃねーよ』
星之「……」
涼火『俺がどんな思いでおまえに渡したか解ってるか?』
星之「それは俺なりに、理解してるつもりだ」
涼火『だったら、るなにまで気を遣わせるな!』
星之「涼火」
涼火『おまえがパソコンを起動したまま寝ちゃったからって、
  るなが代わりにインしてプレイしたんだぞ。
  手紙の存在まであいつに言いやがって』
星之「えっ。
  (もしかして、涼火と流偉さんに昨夜のこと話したのか!?)」
涼火『あいつは話してねえよ』
星之「はぁ!?
  (何も言ってないのに何故分かるんだ)」
涼火『せの、俺の能力を舐めんな。
  嘘も小細工も俺にも流偉にも通用しねえんだ』
星之「そ、そっか。
  それはまいったな。
  俺の本音、全部筒抜けか」
涼火「ああ。だから素直に聞け。
  俺や流偉が聞いても誤魔化したよ、るなは』
星之「なる……」
涼火『おまえを真から惚れてるヤツに、至らん心配させるな。
  ああ見えて、るなは繊細だし、
  茉の存在はずっと煙たかったはずだ』
星之「そ、それは……」
涼火『必死で耐えていたあいつの気持ちも汲んでやれ』
星之「……そうだな。
  分かったよ。昨夜はすまなかった」
涼火『あー、ゲームのことはもういい。
  ……おまえの胸の痛みは、痛いほど伝わってる』
星之「涼火」




何が優しくないだ。
涼火は最初から最後まで友愛に満ちていて、
その厳しくも温かい言葉に俺は救われた。
電話を切った後、天井を見上げて大きく溜息をつく。
いったい何をしているのだろうと、
惨めな自分を情けないと思いながら。
そしてなるが示した“愛している”の証明を、
胸の真ん中でしみじみと感じながら。









30分後。
迎えにきてくれた流偉さんと合流した。
車の中でも流偉さんは優しく微笑み、穏やかな声で話しを進める。
目を閉じて聞いていると「心配ないよ」と慰めてくれるようで、
「大丈夫」と柔らかく抱きしめてくれているようで心地いい。




流偉「涼火はあれですごく情に厚くて心配症なんですよ」
星之「ふっ。そう、ですね」
流偉「僕も彼も、自分の意思に関わらず、
  関わった人や触れた人の気持ちを、
  すぐに察知してしまうから辛い時があるんです。
  知らなければ幸せだったのにと思うことだって、今までたくさん」
星之「流偉さん」
流偉「だからアモールで華月先生や玉貴から、
  制御方法を学んでいるんですけどね。
  涼火は僕よりも敏感過ぎるからずっと渡せずにいたのでしょう。
  自分が渡した手紙でせのさんを困惑させるかもと。
  そしてやっと落ち着いたせのさんとるなさんの仲を、
  こじらせて引き裂いてしまうのではないか、とかね。
  ふふっ。きっと毎晩眠れないくらい考えてますよ」
星之「涼火はそんなに……」
流偉「僕もそうですけど、君たちを大切に思っていますから。
  彼は不器用だから、一緒にゲームをプレイしたり、
  お酒を酌み交わすことでその気持ちをせのさんに伝えているんですよ」
星之「はい。それは、すごく分かります」

  


千葉の現場に着くまで流偉さんは、
俺が抱える茉への想いやなるとの今後も、
親身になって聞いてくれた。
それがどれだけ揺らいでいた心を落ち着かせてくれたか。
お陰で憂いなく心乱れることなく、
いつもの自分で撮影に臨み一日を終えたのだった。








一方、彩と美羽さんは朝一、
神道社長に呼ばれて社長室にいた。
美羽さんの本格的な秘書復帰に向けての話し合いをするために。
彩の責任下で復帰できるようにと社長に進言したのだが、
彼は駄々をこねる子供を見るようにあきれ顔で笑う。



彩 「社長!笑い事ではありません。
  私は真剣にお願いしているんです
  水澄さんの今後の人生に関わる問題ですから」
美羽「もういいんです、彩さん。じゃなく周藤さん。
  私は会社に迷惑かけるかもしれない人材ですもの。
  秘書の仕事は繊細で、業務は多岐に渡りますから、
  神道社長が反対されるのは当然のことです」
彩 「何を言ってるのよ。
  水澄さんはもう良くなっていて、
  華月先生からも許可を頂いております。
  それなのに社長はダメだと仰るんですか。
  神道社長の、そしてスターメソッドの理念は、
  どんな人材も見捨てない!ではなかったのですか」
神道「おいおい……ふっ。まったく。彩くん」
彩 「は、はい!」
神道「そして美羽くん」
美羽「はい」
神道「私がいつダメだと言ったかな」
彩 「えっ。でも」
美羽「……」
神道「華月からは事前に復帰OKの許可証を貰っている。
  いきなり皆と同じような業務はできないだろうが、
  私は美羽くんを秘書課に戻すつもりだよ」
美羽「えっ」
神道「それのどこに不服があるのかな?二人とも」
彩 「……それじゃあ」
神道「ああ。正式な復帰は来春だが、
  それまでは仕事の引継ぎ期間だと思ってオフィスに入ってくれ。
  大いにその堪能な語学力を生かしてほしい」
美羽「は、はい!ありがとうございます、神道社長!
  尽力させていただければ幸いでございます」
彩 「本当に、ありがとうございます、社長。
  やったね!美羽さん」
美羽「彩さん、ありがとう」
神道「ああ。それからだ。

  君達の結婚の話は順調かな?」
彩 「はい!私の両親も認めてくれて、
  もうひとり娘ができたって喜んでくれています」
神道「そうか。安心したよ。
  そういうことなら、私の出番はなさそうだな」
彩 「えっ。あの、神道社長。出番といいますと?」
神道「せのとるな。
  あのふたりほど厄介ではなくて、安心したってことだ」
美羽「秋津風さんや浮城さんのご家族は、
  お二人のことを認めていないのですか?」
神道「ああ。るなの場合は兄貴である陽立がな。
  せのに至っては両親が私のところに直談判にきた。
  息子を説得してほしいとね」
美羽「えっ!?」
彩 「秋津風さん達はその事実を知っているのですか?」
神道「いや。伏せてある。

  このことを知る人物すべてに他言無用とな」
彩 「それで社長は、どのような対応をされたのですか?」
神道「取締役である私が個人的な問題に首を突っ込むのは職権乱用。
  もし二人にパワハラだと訴えられたら私にとって不利益になり、
  強いては我が社全体の大損失に繋がりなりかえない、と。
  やんわりお断りしておいた」
彩 「社長。まったくやんわりじゃないですよ。
  それってもしかして、あの日のこと……」
神道「まあ、そこは建前上の話し。
  あいつらが相談に来た時は、私や根岸でなんとかする。 
  だから君たちは何も心配せずにお互いを大切にするんだぞ」
彩、美羽「はい」




美羽さんと彩は神道社長に、
深々と頭を下げて社長室を後にする。
「あの二人、うまくいくといいな」と不安げに呟く美羽さんに、
彩は「きっと大丈夫、私達もついてるでしょ?」と答えた。
俺が社長と両親の出来事を知ったのはもう少し先の話し。
彩から提案された“英雄、時をゆく”の、
クリスマスイベントの日だった。
そしてそれは本当の意味での、
“愛している”を証明するきっかけの時でもあったのだ。








(続く)


この物語はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。


 

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57、通りすがりの女のひとりごと





ゆっくりと白い封筒を手にした俺は、
ローテーブルのペン立てからカッターを取り出し、
躊躇うことなく封を切った。
開いたと同時にマンダリンの甘くフルーティーな香りと、
ローズの華やかで優美な香りがゆっくりと俺の首に纏わりつく。
まるでいつも茉がつけていた香水が化身となって、
緊張する俺を優しく癒してくれているように。
俺は沸々と沸きあがてくる茉への恋情を抑えきれず、
封筒から便箋を取り出して広げた。



『せのさんへ



 まず始めに、
 これはラブレターでも、お別れの手紙でもありません。
 だから勘違いしないでくださいね。


 あなたは出会った時から無礼で自分勝手で、
 こちらの都合なんてお構いなしに近寄って来た人。
 これが、私が正直に感じたせのさんの第一印象でした。
 女たらしで気が多くて自信家で、
 ハッキリ言って魅力なんて微塵も感じませんでした。
 でも。
 とても孤独で弱い人なんだとも思いました。
 すごく繊細で感受性が豊かで優しい人。
 優しすぎるから利用されて傷つけられる。
 それがあなたの長所であり、短所でもあるのだけど、
 すこしは自覚しなさいね。
 人を愛することを知らない私が語るのも変だけど、
 常にあなたに寄り添い、笑顔で居てくれる人達、
 向かおうとする方向を一緒に見つめてくれる人達を大切に。
 そしてあなたを全身全霊で愛していると言う人を愛しなさい。


 
 無事にうるはの統合治療が終わって、
 彼女の口からマナと共にいると言われても、
 その時には、彼女の中に私は居ません。
 統合して生まれ変わって再来なんて性に合わないし、
 よくあるHERO物のお話しみたいで笑ちゃう。
 私とせのさんの出会いにハッピーエンドはなかった。
 それが行きついた答えです。
 あなたが以前話していたように、
 私がうるはの中に生き残ったとしても、
 結局はあの子とせのさんが、
 そしてせのさんとあの子が愛し合う。
 そんな結果になるなら、
 私はあるべき時を生き、役目をはたして私自身を消す。
 それはレイも同意見で、
 彼女と一緒に行くと決めたから。
 元々、私は人を殺めた大罪人でアモールの厄介者ですからね。
 うるはの今後はタクに託し、彼が彩さんに託すはずです。
 だからあの子のことは何も心配はいらない。
 せのさんはこれからもるなさんとの愛を大切に育んで、
 自分の心に正直に生きてください。



 Ps、
 これは通りすがりに、
 あなたの人生にほんの少しだけ関わって、
 消えていった女のひとりごとです。     
              茉 』






手紙を読み終えて、
悲しくて、悔しくて、腹立たしくて、
俺は行き場のない感情を手紙にたたきつけ手放した。




星之「……なんてヤツだ。
  どっちが無礼で自分勝手なんだよ。
  人の気持ちなんてお構いなしに、
  近寄って来たのは君もだろ。
  これがひとりごと?
  通りすがりの女だって?
  人を殺めた大罪人で、
  アモールの厄介者なんて誰が言ったよ。
  涼火も流偉さんも、華月先生もダン先生も玉貴さんも、
  そして俺だって!君を愛していたのに!
  こんな手紙一通ですべてを終わらせるなんて、
  あまりに悲しすぎるだろ……
  君と俺の出会いにハッピーエンドはなかったと。
  それが行きついた答えなんだと、
  なに勝手に答え出して居なくなってんだよ。
  俺の本当の気持ちなんて知らないで、
  勝手に完結させてんじゃねえよ!」






静かな部屋にパソコンの起動音だけが流れる中、
ローテーブルの上のクシャクシャになった便箋を見ていると、
淡い寂寥感が広がって涙が溢れてくる。
しかしそれらを追い払うように俺の背後から声がする。
俺ははっとして涙を拭い、振り返りながら立ち上がった。




月 「誰かと電話でもしているのかと思えばひとりごとか」
星之「なる。
  お、おかえり。仕事お疲れさん。
  今からさ、涼火と流偉さんと三人で“英時”やるんだ。
  なるも久しぶりにやらないか?
  その前にそう、風呂だな。風呂入って来いよ」
月 「何を誤魔化してんだよ、せの」
星之「えっ」



なるは不機嫌そうに俺に近寄ると、
すぐにテーブル上のクシャクシャになった紙に気がついて拾い上げた。
これはまずいと思い、咄嗟に彼からそれを取り返す。
俺の言動をますます不審に思ったなるは更に苦った顔になった。



月 「慌てて取りかえすところをみると、
  僕に見られちゃまずいものなのか?」
星之「いや、これは……そ、そう言うんじゃないんだ。
  これは大したものじゃなくて」
月 「だったら見せられるだろ。
  ああ!ふっ。そうか。
  僕が男性モデル専属になってから、
  職場でも家でも話せる時間も減ったしな。
  最近じゃ、夜のお相手もしてないし、
  せのをほったらかしにしてたもんな。
  その腹いせに浮気でもしたのか。
  相手は誰。女?それとも男か」
星之「なに言ってんだよ。
  俺は浮気なんてしてないし、それどころじゃ」
月 「そうか?
  こんな手紙一通ですべてを終わらせるなんて、
  あまりに悲しすぎるんだろ?」
星之「……」
月 「久しぶりに、せのの本当の気持ちとらやを、
  膝を交えてじっくり聞きたいもんだ」
星之「(俺が言ってたことを聞いていた!?
   何時から。どこから!)」




なるは荷物を床に投げると俺の腕をぐっと掴み、
ソファに突き倒して馬乗りになった。
そして気が動転し言葉を失う俺を食いつくように見ている。 
なるはきっと、俺が真実を話すまで解放してはくれないだろう。
それどころかこのまま沈黙を続ければ、
些細な誤解で大切な関係に亀裂が入るかもしれない。
観念した俺は深い溜息の後、重い口を開いた。



星之「この手紙は茉からだ」
月 「えっ」
星之「今日、仕事の帰りに、
  臨時の要件で流偉さんとアモールに立ち寄った。
  その時に涼火から預かり物だと渡されたんだ」
月 「なんで、今頃」
星之「涼火の感情の問題もあって今になったらしい」
月 「じゃあ、さっきのひとりごとは」
星之「手紙の内容にムカついて、
  俺ひとりが馬鹿みたいに叫んでただけだ。
  気になるなら手紙、読んでいい」
月 「それは……」
星之「そのほうが誤解を招かない。
  それに、俺はなるに隠し事なんてない」
月 「そ、そうか。ごめん。いきなり」




なるは軽くキスをしてゆっくり俺から下りると優しく起し、
隣に座って渡した手紙を読み始める。
そして読み終えると俺に「ありがとう」と言って手渡した。



星之「ふっ。読んで思わなかったか?
  身勝手すぎるって。
  これまですったもんだ周りを巻き込んでおいて、
  俺の気持ちを知ってる上でこんな手紙を残すなんて」
月 「僕は……」





暫く何か考え込んでいたけれど、
なるは冷静沈着に答えた。



月 「この手紙は、思いやり溢れる彼女の、
  せのへの愛そのものだと思う」
星之「はぁ?
  無礼で自分勝手でって、散々俺をけなしてるのにか?」
月 「うん。
  せのは当事者だから冷静になれないんだろうけど、
  第三者の僕にはそう感じる。
  どんなに愛しても手に入らず、
  ましてやいちばん関わってほしくない美羽さんに、
  おまえを奪われるくらいなら、
  いっそ自分を消してしまおうってね」
星之「……」
月 「まぁ、流偉さんと天飛さんとの過去があるから、
  彼女の罪滅ぼしなのかもしれないけどね。
  そして僕と結ばれてほしいと願うのも、
  美羽さんに奪われるよりはましってことかな」
星之「そう、なのかな……」
月 「おまえはどうなんだ。
  本当の気持ちって何だ。
  甘い別れの言葉でも期待してたのか」
星之「いや。そうじゃない。
  俺との出会いにハッピーエンドはなかったと思うなら、
  茉にとってはそうなんだろう。
  でも俺は違う。
  彼女との出会いがあったからなると再会できた。
  あのあがきがあったから今があるんだ。
  なのにこの出会いをなかったことにするのは、
  あまりに悲しいじゃないか」
月 「うん……確かにそうだな」
星之「……」
月 「大丈夫か?せの」
星之「ああ。俺には、おまえが居る」



俺は手に持っていた手紙をじっと見つめていたが、
目を閉じて意を決すると破ろうとした。
しかしなるが俺の腕を掴んで、手紙を再び取り上げられる。



月 「破って捨てるなんて、
  それこそ茉さんをなかったことにするつもりか?」
星之「……」
月 「それなら僕が預かっておく」
星之「お、おい」
月 「本当に大丈夫で吹っ切れているなら、
  この手紙の存在があっても全く気にならないはずだ。
  おまえの気持ちが落ち着くまで僕が大切に保管しておく。
  茉さんが本当にレイさんと旅立って、

  美羽さんの中で息づいていないなら、
  この手紙は唯一、彼女が生きていた証しだからな」
星之「なる……ありがとう」 



俺は自分の手となるの手を重ねて感謝する
なるも「寂しい思いをさせてごめん」と言いながら、
俺を抱きしめて濃厚なキスをした。
久しぶりに本音で話したからか、
彼の肌の温もりに触れて安心したからなのか、
なるの胸の中で俺は眠りに落ちていった。






(続く)



この物語はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
 


 

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