創作リレー小説 【ハーレクインロマンスギャング】
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嗚呼、お母さんはどうして私を
「朝が強い子」に産んでくれなかったんだろう

船を降ろされた今でも
世間や元山賊ゴミに負けたりしない、強い心を持って…


だけど

だけど朝だけはどうしても眠いの…
朝だけは私を暖かく迎え入れてはくれない…



「どうして…」



「どうもこうもございませんけど!」

白いロングドレスに
同じく真っ白なローブを纏い
バルコニーでティーカップを片手に呟くリズに向けて

そのバルコニーの傍らに腰を下ろしたジラが
息を切らし気味に、袋を放りながら言った



「まぁ…『ハァハァした獣』よ…やぁね
ローブが穢れるわ。
お部屋に入ってお出かけのお支度でもしましょ…」

棒読みで呟き、投げ出された袋を拾い上げ
リズは室内へ入り、バルコニーに鍵を掛けた



プロシュートハムを投げ付けられた後

「契約だけはキッチリやって来いや!
で、帰りにマスカット!買ってこれるな?!あ”?!」

その言葉通りにジラは小さな丘を越え
先日の不動産屋の扉を叩く

契約なんぞほぼ済んでいたつもりにも関わらず
もう一度、今度は全ての書き込み欄がきっちり埋められた賃貸契約と現金が入れられた封筒を持参し
半ボケじいさんに会いに出向いたのだった

道中、気になって契約書の封筒の中を覗いては見たものの
「連帯保証人」の欄に自身の名前が記されている幻覚が見えた為
怖くなってそっ閉じした

他にも賃貸条件のいくつかの欄は
二十線に訂正印を押し
書き換えられているように見える幻覚を目にしたが、幻覚に違いない

訂正印で血のように真っ赤に染まった賃貸契約書だった


ついでに不動産屋のじいさんも全く自身のことを記憶していない様子だった為
封筒だけをデスクに置き、不動産屋の扉をそっ閉じした


で、フルーツショップを探して試食を(勝手に)し
1番美味しそうなマスカットを買って帰ったにも関わらず

あの女、その間
バルコニーでお紅茶を召しあがっていたなんて
全くもって遺憾でありますグヌヌー