ねずみの地図 五十三ヶ所目 『2件目の事件の地図』 | ダイエット、なう!

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 自称:名もなき放蕩作家が送るブログ小説。
 ただいま、週一回で、タイムリードキュメンタリー小説『ダイエット、なう!』を配信しています。とりあえず、読んで下さい!よろしくです。『喫茶店mocha』や『もかの紹介感想部屋』もよろしくね。

水川町にあるキャンプ場。そのキャンプ場の野外調理場で、一人の女性が殺されていた。女性の名前は、近藤紫(こんどう ゆかり)さん。25歳のショップ店員だ。自宅に帰らないと両親から通報を受け、捜査した結果だった。
 変わり果ててしまった娘の姿に、駆けつけた両親は泣き叫んだ。その様子を感じ取りながら、凶行犯係は現場検証を行なっていた。
「鑑識の話ですと、近藤さんは夜10時~11時頃に銃で殺害されたようです。」
先に来ていた犬坂が後から来たメンバーに説明する。一緒にいた猿谷が説明を続ける。
「それで被害者のそばには、あの赤いハートのガラスが割られて置いてありました。」
「そうなると、この前殺された黄谷さんの事を考えると、犯人は同一人物の犯行の可能性が高いな。」
「ええ。」
 すると、卯塚が金本の所にやって来た。長いロングパーマを団子にして一まとめにしているのは、自分の髪の毛で現場を壊さないようにする為である。
「係長、すいません。」
「何だ?」
「現場検証で新たな可能性が浮かびました。」
「私も行っていい?」
伊野が卯塚に尋ねると、卯塚は頷いた。卯塚は金本と伊野を、遺体があった場所に移動した。
「近藤さんは、ここに運ばれたようなんです。」
「運ばれた?」
「どういう事だ?」
 卯塚はテープで囲まれた遺体の形の周りを指した。
「銃殺された場合、周りにも血が飛んでいるんですが、全然飛び散っていません。現場についた血の量が少ないんです。」
卯塚の言うとおり、コンクリートの床や壁はあまり汚れていなかった。不思議なほど。卯塚は説明を続ける。
「遺体も懸賞しましたが、傷口から流れた血の痕は、全部上から下へと流れていました。倒れていた場合は横にも広がりますが、ありません。」
「つまり、ずっと立っていた状態だったって事か?」
「それは違うと思います。」
伊野は否定した。金本と卯塚から視線を向けられた伊野は、スケッチブックに描いて説明した。
「撃たれている以上、立ちっぱなしは不可能です。おそらく、車か何かで座っているところを銃で撃たれて、運んだんじゃないでしょうか?今は、シートベルトをつけるようになってますから、少なくとも横に倒れる事はないだろうし。」
「そう。」
 卯塚は人差し指を立てる。金本は言った。
「それじゃあ、運んだときに使われた物を探さないといけないな。」
 卯塚と伊野は頷いた。

(続)