まずはお礼を言わせてください。
今までぼくを支えてくれた家族と彼女に。
今までぼくと出会ってくれたたくさんの人に。
今までぼくの心に深い傷を残した様々な人に。
今までぼくを笑かしてくれたすべての人に。
今までぼくを泣かした大勢の人に。
もう二度と出会えない人に。
もうすでに死んでしまった人に。
今までぼくの日記を読んでくれていた人に。
すべての人にありがとう。本当に感謝しています。
ぼくは約二年、ライブドアブログで日記を掲載していた。それをアメブロに移転することにしたのだけど、その際に一旦すべての日記を消した。
当時のぼくはブログとかSNSが大嫌いだった。心から嫌悪していた。やっている奴もバカだと思っていた。世の中を斜に構えていたぼくが一番のバカだったのだけど、その頃のぼくはとにかく厭世的で世の中を恨み、込み上げる破壊衝動から毎日のように自殺を考えていた。
多分、孤独だったんだと思う。ブログとかSNSでキラキラしている人たちが羨ましかったんだ。思い出しても情けないし、自分のことが死ぬほど嫌いだったけど、今ではそんな自分が愛おしく感じる。よく生きたよ、いや本当に。
ブログを始めたきっかけは今でも覚えている。文章の練習と、日々を忘れないため。そして彼女に気持ちや考えたことを伝えたいため、笑ってほしいため。確かそんな感じだったと思うけど、なんせぼくはかなりのビビりだから、ネットに自分の日記を載せるなんてもうあり得なかった。今でも多少は怖いけど、当時は病的に怯えていた。
だから、彼女が手伝ってくれたんだ。
ぼくの日記を読んでくれて、そしてブログにアップする。彼女はその面倒くさい作業を一年ぐらいはやってくれていた。さらに日記の感想も言ってくれたし、☆(マックスで三つ)もつけてくれたりと、本当に貴重な時間をぼくに使ってくれていた。その間にぼくは着々と自信を持てるようになっていった。今ではブログにフェイスブック、ツイッターなども始めている。
これは事件だ。ぼくはぼくに対して事件を起こしているのだ。
その思い出深いブログを消すことに、躊躇がない訳がない。かなり迷った。二人の思い出が詰まったブログだったから。でも、ぼくはそのうち一人でアップするようになり、日記の内容は彼女から自分のためになり、悪口や自慢が増えてしまった。もしかしたら、誰かが傷ついたかもしれない。もしかしたら、誰かが泣いたかもしれない。
彼女と相談した。
「消してもいいんじゃないかな」
その一言で決めたけど、いざ消す段階になると、どうしてもボタンが押せなかった。心が苦しかった。懐かしさが津波になって押し寄せてきた。涙がうっすらと目に浮かんで、ぼくはゆっくりと目を閉じた。
そして、以前のブログは消えた。
過去のぼくはひどいものだった。10年ぐらいは記憶があいまいだし、絶対に捕まって服役しているか、それか自殺しているかのどちらかだと思っていた。
それがまさか、生きているなんて。しかも幸せだなんて、誰が想像できただろう。現在はまだ仕事がなく、月収は頑張っても月8万。親の仕送りで生活している32歳のおっさんだけど、それでもぼくは確実に歩いている。
ぼくは感謝している。
ぼくときみと、すべての人に。
ありがとう。