修行

修行にも色々あります。

千日回峰行や、暗い石窟内で何日間も断食をしたり、滝に打たれたり、過酷な状況の中でそれはそれは本当に大変な修行だと思います。そんな修行を全う出来るなんてすごい事だなと思いますが、どれも考えただけでも私にはとても出来そうにもありません。

究極まで自分を追いつめることによって、きっと日常の生活の中では到底感じる事の出来ない何かを得る事が出来るのでしょう。

しかし、誰もがそういう修行が出来る訳でもありません。

じゃあ特別な人しか修行は出来ないのかと言ったら、きっとそうでもないのでしょう。

日常の生活の中においても修行はある様な気がします。

人間は一時的には何かをする事が出来ても、それを持続する事ほど大変な事は無いのかもしれません。

何かに追い詰められた時や、或いは、これをすれば確実に何かが得られるとか、これをしたら自分が救われると思う様な時は一生懸命に出来ますが、それをすることによって特に今すぐに何かを得られる訳では無かったり、先が何も見ない状況下では何かを一生懸命やろうとはなかなか思えません。

一回や二回は出来ても、続けることはとても大変な事です。

蟻が小さな体で砂を一粒一粒ただただ運んでいく姿を見ているとこんなちっぽけな事を積み上げて何になるんだろうと思います。気が遠くなる様な作業です。でもその地道で、地味な積み重ねが大きな物となっていく。本当に凄いなと思ったのは、一晩でアッと言う間に玄関の中に巣を作ってしまった🐜。それも人間に邪魔されない様に夜中のうちにアッという間に巣を作ってしまう。何て賢いんだろう！

これをやったら何か必ず得られるものがあると分かっているならやり甲斐もあるのでしょうけれど、確かなものも無く、ただ淡々と同じ事を続けることは、こんな事をやって何になるんだろうと思ったりして嫌にもなって来ます。

でも、

「これが今自分が与えられている役割なんだ」

「今それをやれと言われているんだ」

「無駄な様に思えるけれど、自分にとって必要な事だから今それを与えられているんだ」

そんな気がします。

いい日もあれば、悪い日もあり、それでも毎日毎日ただ淡々と、黙々と続ける。

しかし毎日同じ様に見えても、決して同じではない。

歩みを止めない限り必ず前に進んでいる。

良い時も、悪い時も、人知れず、どんな時も焦らず波があってもただ続ける。淡々と続けることほど地味で大変な事は無いかもしれませんが、それが日常で出来る修行なのだろうと、そんな事を想います。

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