お墓の波動

(その1)

 

父(嫁ぎ先の父)は先祖供養に熱心な人でした。

 

それは何故かと言うと、育った環境が少し複雑であったと言うこともあり、父は子供の頃から何処か寂しい想いもあったのでしょう。そして自分は長男であると言う自負が常にあり、ちゃんと家を守って行かなければと言う強い想いがあったと思います。

 

 

父は後妻の長男として生まれました。

先妻には女の子ばかり何人も産まれたものの、生き残ったのは一人だけで、他の子は皆幼い頃に亡くなってしまったようでした。

 

父は後妻の子ではあったのですが、後妻として嫁いだ自分の母親も若くして夫と早くに死に別れてしまった為に、母親もまた子連れで別の人と再婚し、母親の再婚相手との間にも何人か弟が生まれました。

 

でも、父は母親の再婚相手やその子達と一緒に過ごしたものの、自分は母親の再婚相手の姓を名のる事は無く、あくまでも自分の本当の父親の名前を継いで、長男として家を守って行く事に人生を費やした人でした。自分の父親とも子供の頃に早く死に別れてしまった為に、余計父親を慕う気持ちと、先祖に対する想いと、自分がちゃんと家を守らなければと言う想いが強かったのでしょう。

 

そして母親の再婚相手との間に産まれた何人かの弟達に対しても、自分が長男であると言う想いが強くあった為に、その弟達の面倒も全てみて来た父でした。父が弟達の学資も出して皆大学を卒業させた様でした。

 

そこまでやろうとした父の気持ちは偉いなあといつも思っていましたが、今こうして『命の絆の法則』を知ると、父の気持ちも分かるけれど、それはチョット違っていたのかもしれないなと思う様になりました。

 

 

父としては良かれと思って一生懸命にやったことだとは思いますが、結果的には後に悲しい想いをさせられてしまうこともありました。でも大難が小難とはなりましたが。

 

 

 

父は結婚後は自分の母親とは離れ、故郷から遠く離れた地に住みました。いつも父は幼い頃に死に別れた自分の父親や「○○家」と言うものをとても大切にしてきました。

だから故郷に残してきたお墓はそのままで、新しく移り住んだ地に父はまだ若い頃に新たにお墓を建立しました。

 

 

 

そのお墓と言うのは、小高い丘と言うのでしょうか、見晴らしの良い明るい場所にありました。頭上には青くて広い空が広がり、まるで空に手が届きそうなくらいな感じでした。

風がソヨソヨと肌をかすめ、周りの山の木々の葉っぱが風に吹かれてサラサラと音を立て、何とも言えない静かな安らいだ波動が漂っている、そんな場所でした。

 

 

お墓って言うと、どちらかと言うと、どんなに明るい場所にある素敵なお墓であっても、何か暗い感じとか、寂しい感じとか、重苦しい感じとか、そんな感じを受けますが、父が建立したそのお墓は私にとってはそう言うものは全く感じませんでした。

 

何かすがすがしささえ感じ、静かでとても私の心の安らぐ場所でもありました。暗いイメージも、重苦しさも寂しさも無く、そこに居ると何かとてもホット出来、心が安らぐのでした。私はその場所が好きでした。そこにずっと居たいと思いました。私にとってそこは全く違和感の無い場所でした。

 

 

お盆やお彼岸になるとお墓掃除に出かける私でしたが、親と同居する前も、お盆やお彼岸になるとまだ薄暗い早朝から用意をして、高速を走ってお墓に向かう時の気持ちは何とも言えないすがすがしいものでした。

 

墓所はかなり広いスペースでしたが、その広いスペースの中に石碑が二基だけポツンと建てられており、非常に空間が広く、圧迫感も違和感も全く無く、広々として、明るい感じで安らぐ場所でした。

 

 

私にとって、あんなに違和感の無いお墓はありませんでした。心が休まり、ホッと出来、自分が死んだら将来自分もここに入れるのなら幸せだなと思いました。私にとってはそれほど父が作ったこのお墓は何故か安らぐ場所でした。

寂しさや悲しさや重苦しさと言う感覚はなく、そうかと言って変にお墓を人間の想いで飾り立て演出した様なものではなく、ごくシンプルなお墓で、自然のまま、本当にニュートラルな気持ちで居られる様な場所でした。

 

 

勿論、『魂』は輪廻転生し常に生まれ変わっていますから、お墓には死んだ人は居ませんし、本来お墓は必要ないものなのかもしれませんが、何か波動を感じるのでした。私にはとても心安らぐ場所であったあの感覚は何だったんだろうと今も想いますが、きっとそこには、先祖と言うよりもむしろ、父の優しさというのか、父の想いというものを私は感じていたのかもしれません。勿論母の想いも。

 

 

当時父も母も健在でしたが、何故か分かりませんが、私はお墓に行くと、先祖と言うよりも、父と母の存在をそこに強く感じていた様な気がします。

 

父と母は私にとって他人とは思えない、全く違和感の無い存在でした。

 

 

 

続く・・・

 

 

 

 

 
 
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