『夜をつけよう』

レイ・ブラッドベリ 文
ディロン夫婦 絵
今江祥智 訳
BL出版
1998.7.10初版

 

 

 

 

 

『夜のスイッチ』

レイ・ブラッドベリ 文

マデリン・ゲキエア 絵

北山克彦 訳

晶文社

2008.9.5初版

 

 

 

 

 

私が持っているのは『夜のスイッチ』の絵本。

 

 

『夜をつけよう』の題名の表紙を見て、もしかして?と思って借りました。そう同じおはなしの絵本でした。

 

でも、絵を描かれた方、訳をされた方、両方違うと、もう別ものみたい。こちらは子どもに語りかけるようなやさしいことば。

 

『夜のスイッチ』の方は、詩的な文章で、オトナ絵本という感じ。

 

 

*****

 

暗いところが嫌いで、明かりがないといられない男の子のおはなし。当然その子は夜が大きらい。

 

すると彼のもとに「ダーク」と名乗る女の子がやってきて、「わたしが〈夜〉にひきあわせてあげる」というのです・・・。

 

 

ここからネタバレ注意です。

 

 

そのあと続けて女の子はこう言いました。

 

 

「そうしたらあなたたちは友だちよ」

 

その女の子はポーチの明かりを消した。

 

「いいこと」と、その子はいった。「これはね、明かりのスイッチを切ることと違うの。ぜんぜん違うの!

 

これは〈夜〉のスイッチを”入れる”だけのことなの。

 

〈夜〉のスイッチは切ったり入れたりできるの、

 

明かりのスイッチを切ったり入れたりできるのと同じだわ。

 

同じスイッチでね!」と、その子はいった。

 

 

「そんなこと考えてもみなかった」と、男の子はいった。

 

 

*****

 

 

私もここを読んで、ハッとしました。

男の子とまるで一緒でした。

「そんなこと考えてもみなかった」のです。スイッチって、電気をつける。電気を消す、といい言い方しかしたことなくて、「夜のスイッチを入れる」とか「夜をつける」っていう発想がまるでありませんでした。そして、なんて素敵な発想!と思いました。

 

夜のスイッチを入れると・・・

 

 

コオロギやカエルにスイッチが入って鳴きだし、星や月にスイッチが入るのです!!

 

もう、泣きそうになりました。

 

 

大好きな絵本です。