今回は夫が他界した原因についての話です。



高須克弥先生のブログを読んで

本当にそうだと思ってリブログしました。


年をとると病気がちになるのは
振り返る過去の出来事が増えて
自己否定が増えるから。
感謝より自己批判が増えるから。


*  *  *


夫は「俺はもう年寄りだ」と
思うことが多かったみたいで
70過ぎたら「終活」をやり始めてました。

( ゚д゚) エロ本にエロDVDなど
すっかり捨てちゃって。
重い薪ストーブも捨ててくれたのは
助かりましたが、終活は早いよ。


腰が痛いわけでもないのに
腰を90度も曲げて歩いてる。
•••( ̄д ̄;)

そしたら、72になってから
「よく考えたら、俺まだ72だった!」
と言って、シャキーンと腰が伸びた!

何考えてんだか ( ̄O ̄;)


私が仕事でいない昼間に
温風ヒーターの前で眠ってしまい
足先を大やけどしたけど治りがわるく
入院して足指の切断手術を受けた夫。

たぶん「金がないから、どこへも行けない」
とでも思っていたのでしょう。

足先を失い、入院してお金も失ってる。

せめて愚痴として言ってくれれば
その設定をやめさせて
食い止められたかもしれないのに。
一人でモヤモヤ思ってると
現実になっちゃうからね。


入院してからは、病院の飯は食えないと
毎日のように言ってたみたい。
コロナの真っ盛りでお見舞いは
禁止になってたから
その辺のアドバイスもうまくできず

4ヶ月入院してる間に
食えない、食えないと言い続けてたら
食えない設定が出来上がってしまったようで

拒食症のように
食べたくても、食べることそのものが
できなくなってしまいました。


退院してから、「食える!ありがとう!」
と言わせるようにしたら
入院前の半分くらいは
食べられるようになりましたが

入院4ヶ月間の設定は強固な上
私の言うことは聞きたくない夫。
食えるという設定は成り立ちませんでした。


*  *  *


大やけどする1年前。元気な頃に
秋の朝の爽やかで暖かい陽射しの中
「ああ気持ちいい。このままずっと寝ていたい」
と毎朝、寝床の中で言ってましたから
(−_−;)嫌な予感はしてたんです。

そんなこと毎朝言ってたら
寝たきりになるんじゃないかと。

でも私が忠告すると、列のごとく
「説教するな!」と怒り始めるから
忠告の代わりに
「私は起きたいよ。起きて用事をしたい」
と、言って手本を示すのみでした。

このままずっと寝ていたいと
言い続けてた日から約1年。
夫は本当にだんだん歩けなくなり
リハビリも嫌がるようになり

やがて座っていることもできなくなり
亡くなる3ヶ月前には
寝たきりになってしまいました。


お医者さんも看護師さんも介護士さんも
手術の傷あとが痛むから
立ちたくないのだろうと
思っていたようですが

痛そうな様子はまったくありません。
だるいのか、脚が重いのか
いったい何なのか?
夫は自分の状態を表現できないらしい。


大学病院にでも行って
脳神経の検査をしてもらったら
ALSとか筋ジスとか
アントニオ猪木さんのような難病とか
診断がついたかもしれませんが
だとしたら
治らないと言われに行くようなもの。

退院後の通院だけでも大変になってきたので
この上、無理に大学病院に連れて行くのも
忍びなく思って、かかりつけの医師に
相談するのみでした。


退院してすぐは自由に動けてたのに
リハビリにも行ってたのに
寝たきり状態になるなんて。
お医者さんも首をかしげるだけ。

本人は弱っているものの
暴言は相変わらずでした。


*  *  *


夫は腕もうまく動かせなくなってきて
ある朝、意識がないので救急車を呼びました。

救急車の中で心臓が止まりましたが
救急隊員の心臓マッサージと
病院の医師たちの処置で意識を取り戻しました。

そのために私と子供たちと
夫の弟と夫の好きだった女性は
最後の挨拶ができましたが
なにせコロナ禍真っ最中のため
病院に長居しないでくれと言われ
皆帰されました。


それから二日後の朝6時に病院から電話。
息を引き取りましたと。

夫の好きだった服を持って
6時半に家を出ると
犬を散歩させてる人がいました。

夫は犬に好かれるタイプでしたが
私はそうでもないから
出会っても、どんな犬も知らん顔なのに
なぜか今日は犬が寄ってくる!


飼い主さんは私が犬好きなのだろうと
思ったらしく近づいてきました。

しかし不思議なことに
犬は私になつくわけではなく
しきりに私の右側を見たり
上を見たりしている。

「実は、犬好きだった夫が
今朝病院で息を引き取ったので
これから迎えに行くところです。
ワンちゃんには夫が見えてるのかも
しれませんね。」
と話したら、飼い主さんは気の毒そうな
顔をして、うなづいてくれました。


*  *  *


夫は自分の最期を受け入れてたらしく
家族とお別れもできて
苦しむことなく他界しました。

何の病気ともわからず
急性心不全という診断でした。

長女は
「お父さんたら、あんなにわがままに生きて
こんなにいいしに方をして
なんて幸せな人なんだろう!」
と言っていました。

夫は罪悪感の無い人でした。
そう言えば姑も罪悪感の無い人だったな。
老人ホームで穏やかに息を引き取ったって。
罪悪感がないと苦しまないのかもしれない。


思い続けることは現実になる。
言い続けることは現実になる。

不思議だが本当だ。