いわゆる時制の一致で使われる would
これについては、僕は知っていました。

例えば、発言時の現時点で
「彼はアメリカへ行くと思う」と
発言するなら、こう表現すると思います。
I think he will go to America.

しばらく時がたち、彼がアメリカに行かずに
まだ地元にいる状況であれば、過去の時点で
「彼はアメリカに行くと思っていた」と
発言するなら、think を thought に変更し、
考えた(thought)した時点からすると、
「アメリカに行くこと」はこれからの事なので
will の所には、will の過去形 would を使います。

つまり、I think he will go to America.
この文の時間軸を現在から過去へずらすと
こうなります。

I thought he would go to America.

過去のある時点からの未来(これから)の事を
表現する時に would を使うことは何となくは
知っていました。

ですから、would は過去のある時点から
これから起きることを説明するときに
使うものだと思っていました。

しかし、現在のことに関しても

説明する時に would を使うことを

教えてくれた本があります。

竹岡広信【著】
「ドラゴン・イングリシュ基本英文100」です。

この本の第1問めで僕は
ノックアウトされました。

問題1を引用します。
下記の日本語を英語にしなさい。
「ウイスキーのボトルを2本も空けて車を運転するのは危険だ。」
以上引用でした。

僕はこう書きました。
It is dangerous to drive a car after drinking two bottles of whiskey.

竹岡先生の模範解答を読んだとき
衝撃が走りました。

竹岡先生の説明を引用します。

「ウイスキーのボトル2本も空けて運転すること」は
普通あり得ないことなので、

It is dangerous to drive… と
書くことは「極めて不自然な英語」であり、

仮定の話であることを明らかにするために、

ここでは would を使い、

It would be dangerous to drive… 

とする方が自然です。

以上引用でした。

竹岡先生の教えはこうです。


「現実の話か?それとも想像している事か?
事実ではなく、想像している事であれば、
そのことを明確にするためには

would を使う必要がある」

竹岡先生の英作文の第1問で
ノックアウトされて以来、
「事実ではなく、現在想像している事」を
表現したい時には、would を使うようになりました。

現実の世界で「間違いなくそうだろう」と
確信を持っている時には、will を使い、
頭の中で想像している時には、would を使う。

would を使うことで
「頭の中で考えていること」を
表現できます。

will と would を比べてみましょう!

He will break the wall.
(強い確信を持って)彼は壁を破壊するだろう。

He would break the wall.
(想像なんだけど)彼だったら壁を壊すと想うよ。

「おもう」を「想う」と表記したのは、
「想像している」ことを表現したくて

「想う」としました。

He will(~するだろう)break the wall.
He would(~すると想う)break the wall.

He will be(~しているだろう)breaking the wall.
He would be(~していると想う)breaking the wall.

He will have

(未来のある時点までには完了しているだろう)
broken the wall(破壊完了・その壁)

He would have

(完了したと想うけど、実際はしていない)
broken the wall(破壊完了・その壁)

He will have been

(未来のある時点まで存在を続けているだろう)
breaking the wall(破壊継続進行中・その壁)

He would have been

(所有し続けていたと想うけど、実際はそうではなかった)
breaking the wall(破壊継続進行中・その壁)

(ポーズ)の所でひと息つきながら、
英語の文字どおりの意味を
イメージしながら
英語の時制に関する全てを
音読してみましょう。


He breaks(ポーズ)the wall.
He broke(ポーズ)the wall.

He is(ポーズ)breaking the wall.
He was(ポーズ)breaking the wall.

He has(ポーズ)broken the wall.
He had(ポーズ)broken the wall.

He has been(ポーズ)breaking the wall.
He had been(ポーズ)breaking the wall.

He will(ポーズ)break the wall.
He would(ポーズ)break the wall.

He will be(ポーズ) breaking the wall.
He would be(ポーズ)breaking the wall.

He will have(ポーズ)broken the wall.
He would have(ポーズ)broken the wall.

He will have been(ポーズ)breaking the wall.
He would have been(ポーズ)breaking the wall.

「ポーズを入れる」ことで
音読や暗唱しやすくなり、
イメージもしやすくなります。

こんど would に遭遇したら、
過去の時点における未来のことを
表現しているのか、それとも
「想像していること」を表現しているのか
見極めてください。

そして、その would を will に変えたら
どのように意味が変わるか確認すると
楽しめると思います。

時間の形式に関する一覧表はこちらでも見ることができます。
https://drive.google.com/file/d/188JvaCN2CwGnVNM25VZ4UcnD_c2F5lz7/view?usp=drive_link

練習するときには
ポーズを入れてください。

ポーズの所で意味を取りながら、
練習することで、結果として
暗唱できるようになると思います。

英語の時制に関する知識は、
一生使える知識です。
ぜひ手に入れてくださいね。

今回も僕が知らなかった
「would の意味」について
お届けしました。

次回は

「will と would」を入れ替えると
意味がどう変わるかをお伝えします。

どうぞよろしくお願いします。

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思われましたら、あなたのお友達へ
ご紹介していただけると、本当にうれしく思います。