今年から「バンガロー・スタイル」を代えます…
新しいシリーズは「コテージ・スタイル」です…!
こんな大きなのも Cottage です…きっとアイバン・ホーやアーサー王が好きなのでしょうね…
「城」好きだから、全体は石造りで、入り口の上には矢を射る窓が作ってありますが…
もちろん使いません…これも夢のカタチです…
「Cottage =コテージ」とは日本語では「小さな家、田舎屋あるいは農家」を言います…
たいていは「小屋」と言うようです…
これもアメリカでは人気があります…都会の居住区が広がり、コンクリーなどの人工的な素材に溢れて、木から遠ざかった「家」…そんな郷愁にも満ちた小さな=ほどほどの「家」が「コテージ」と言われているようです…
歴史上で最も有名なのはマリー・アントワネットの「トリアノン」かもしれませんね…
富と成功に満ちた近代的な「家」に比べて、より小規模で、木の香に満ちた「小屋」のような家…
アメリカの成功の夢の果ては、映画でいえば、オーソン・ウエルズの「市民ケーン」の大邸宅です…
実在した新聞王W・R・ハーストの邸宅と彼がモデルのようです…ひとり暮らしにはあまりにも大きな暖炉と居間です…これも成功の証です…アメリカン・ドリームです…
余談ですが、映画史に興味がある人は是非この映画を見ておくといいでしょう…1941…まさにO・ウエルズの天才ぶりが横溢している名画です…最近の「ゲティの身代金」(あのポール・ゲティ)にも似たシーンがあります…
その対極にあるのが「コテージ」とも言えます…
西洋では「満足はむしろ宮殿ではなく、コテージに住む」と言います…一人で使いこなせない宮殿ではなく、生活にほどほどなコテージなら日々の暮らしも快適になるということです…
日本でも鴨長明の「方丈記」があります…あるいは「人間立って半畳、寝て一畳」とも言います…
とはいっても、人間の欲にキリはありません…見栄にもキリがありません…成功を大きな邸宅で見せるのも人間なら、「足るを知って」小さな家にこだわるのも人間です…
ところで現実的な問題ですが、大きな「家」いわゆる邸宅は税金も維持費もかかります…子々孫々までこれらが負担にならにように留意するのが今の時代の「家のマネジメント」かもしれません…
映画の最後で主人公の人生を追った男が、今は寂れたその広大な暖炉に子供の頃の記憶の「橇=そり」を投げ入れます…燃える「そり」…その裏側に謎の言葉だった「バラの蕾」が浮き上がります…
見方を変えると、この映画は主人公=成功と「家」の物語だったと言えます…
アメリカの古いバラードに「Cottage For Sail」というのがあります…
恋を育み、やがて失ったコテージを今は売ります…F・シナトラ、クリス・コナーの絶唱があります…♪
その歌詞は「鍵は以前のように、メイルボックスの中…♪」…と終わります…
こんな秘めやかな恋の物語も「コテージ」だからイメージできます…余韻が残ります…
とにかく今では「Cottage」は郊外型住宅としても人気があります…!
たとえ映画でも一度はあなたも「白雪姫」や「ホビット」や「サンタクロース」のような「家」に住みたいと思ったことがあるはずです…
「Cottage・Style」はそんな夢を叶える手段の一つのようです…
いわば「家」を「物語=Story」に近づけます…お城やうねった屋根の家、派手な色彩…そのどれもが外観はおかしくても、住む人はもうその物語=Storyの一部です…違和感は感じないでしょう…
なにしろ「コスプレ」だって市民権を得ている時代です…
やがてこの「家」がその町の「物語」を作るのに時間はかからないでしょう…
ひとり親方の頃、そんな「家の物語」を仕掛けてリノベーションしてきました…
日本の大工さんはこの物語の再現や作ることは苦手なようです…きっとアメリカ人のように「魔法」を信じないからなのでしょう…でも日本の「遊び」はこれに通底します…「知ること」の大切さです…
「Cottage Ornes」という言葉もあります…もとはイングランドで19世紀に絵画的な効果を考えて、郊外の小さな村用に設計された「家」のことです…小ぶりで天井も低く、アガサ・クリスティの「ミス・マープル」の舞台もこれのようです…あるいは、ホビットの家やイギリス伝統の水彩画はこれかもね…
どうやらアメリカ人の「Cottage・愛」の強さは、こんなところにもありそうです…
「Cottage・Style」はなんでもアリです…「家」と「物語」が近づきます…
あとは住み手と作り手の「魔法」が近づくだけです…
ところで日本にはこんなに細かい区分がありません…でもどんなものにも「形=デザイン」の必然性があります…それを「知る」ことは決して無駄ではないのです…
ここが建築の面白いところです…いやひとり親方のいいところかな…⁉︎
増築したサンルームの扉には、5人家族の杉が彫ってあります…
壁の中には娘たちのその時の愛用品と、プリクラが入っています…
いつか大人になってこの家が建て替えられる時、思い出も顔を出します…
ついでですが、このドアは上下2枚が別々に開きます…
家畜を入れさせなかったり、通風を考えたヨーロッパの農家の知恵です…
増設した2階の出窓…
その板はオーナーの亡くなられたご母堂が愛用された「張板」です…
昔はどの家にもあった「張板」を、改めて製材にかけて利用したものです…
「家」の記憶はどこかに残すべきだと考えます…



