いつもは「家」のことを書いていますが、今はコロナウイルスが心配です…
で、やはりというべきか出てきたのが「コロナ詐欺」です…相変わらずお年寄りが狙われています…
どんな場合もこの件では警察も医者も役所も大金=現金を要求しません…
ましてや家族の勤務先の会社ではなおのこと…いかに言葉巧みでも「あと数時間」経てば息子も孫も帰宅しホントかウソかわかります…その「あと数時間」を我慢してください…くれぐれも「早まって」はいけません…詐欺はいつだって人の不幸につけ込みます…同情なんてありません…あるのは「トクになりそうなオイシイ話」だけです…こんな時こそお隣のご老人には気をつけてあげてください… そしてこんな時だからこそ「その後」をお互いに大事にしてください…
ミネアポリスにある現代的なコテージハウスです…正面のデザインはドイツ風なハーフティンバーです…
飾りタイルの扱い方から、たぶん以前にここに載せた建物と同じ設計者でしょう…
あまり奇をてらわずにコテージであることを表現しています…
ここでいうエンターテイメントとは、自慢の出来るところ…訪問してきた友人たちを驚かせるところ…と、広義に解釈してください…早い話がオーナーのあなたが良い気分になれるところという意味です…
「家」も長く住むと飽きてきます…
そこで、長く住んでも飽きないところ…例えば、家のある場所から眺めると、隠された謎=仕掛けの見えてくる庭…見越しの松越しに窓から眺める二階の景色…浴槽も壁も全てがヒノキやヒバのお風呂場…反対に露天のような開放感のあるお風呂…あるいは周囲の視界を遮って、それこそ裸で日光浴のできるテラス…デンと構えた重厚な鋲を打った時代物の家具や引き戸…畳を敷き詰めた広い玄関とか…
そんなところに凝るのも「家」のエンターテイメントです…
訪れた人は思わずビックリし…その分あなたのハナも高くなるはずです…
日本の宅地はどちらかといえば敷地が狭く、なかなか僕のヘタなイラストのようなアメリカのコテージ・スタイルの家と違って、趣味的で冒険譚を活かしたような家を造ることは建築の法規上もあって無理なようです…
でも経済的に余裕がなくても凝った造りはどこかに欲しいところですね…
これも日本文化の背骨になっている「遊び」の一つかもしれません…
日本では、見かけ=外観にインテリアの意匠、例えば和紙を多用した文様を対比させて各デティールに凝ります…よく知られているのは市松模様です…
でもそのいずれも自然を取り込もうとしています…いわゆる「花鳥風月」です…あるいは仏教思想の世界観を取り込みます…
例えば、庭先の雪が降り積もる様だけを景色に切り取って眺める雪見障子…花に似せたお寺の花頭窓…
蓬山あるいは富士山に似せた築山…たなびく雲に似せた違いだな等どれもが自然界を表現しています…
そのことがこれからも「家」を好きでいられます…同時に「家」の思い出=記憶を豊かにしてくれます…
あえて言いますが、子どもたちは大きくなれば家を出て、後には年とったあなたたちが残るだけ、家を楽しむのはあなたたち自身だけです…よしんば、他の土地に子どもが家を建てる時にこんな実家の記憶があれば「家=親」も生きます…
今の時代は「家」も変わりました…
電気やガスなどのエネルギーが家の安心や便利さを守ります…同時にこれらのエネルギーがあなたの家を演出します…TVは壁掛けになり、天井にはプロジェクターがぶら下がり、屋外灯や足元等があなたの家を特別に見せます…お風呂場もユニットバスとはいえいかにも豪華ならゲストは驚きます…畳にわざと琉球畳を敷くところもあります…
でもそのいずれもは「遊び」ではなく、単に設備に凝っただけといってもいいようです…
「遊び」は常に「心」の「余裕」が生み出します…「茶」の心に似ています…
江戸時代に作られた「桂離宮」は日本を代表する建築です…
ドイツの建築家ブルーノ・タウトは自然と調和したその美しさに涙を流したと言います…
その庭に点在する「松琴亭」の床の間にはひときわ大きな「市松模様」があしらわれています…
色は薄い水色で手梳きの和紙…この派手さにも理由があります…「遊び」には原因があります…
ここに時代を超えた「斬新なデザイン」のあること「回遊式庭園」の素晴らしさををタウトは世界に伝えます…
無駄なおしゃべりが好きな先生が昔話してくれたことです…ムダもタメになります…これも「遊び」かもしれません…
最近は電気製品が発達しています…それだけに、これを利用した動きを十分に生かせる方法を仕掛けてください…あんがい面白さを仕掛けた便利さが楽しめるかもしれません…元々の「遊び」に「面白い便利さ」を加えることができるのも…これが現代の家のエンターテイメントです…
それに家族のキャラクターだってそうかもしれませんよ…!
話は逸れますが…
昔知った地方の料理やさんには小さな中庭がありました…そこには苔むして、椅子と見紛う小さな岩が配されています…
その小さな庭を一年に一度だけ「夏至の日」の夜に中天を月が通り、その光が庭を照らします…オーナーはここを建てる時にこのたった一年に一度の天体ショーのためにこの中庭を作りました…その夜は小さな岩に腰を下ろして天に開いた穴から注ぐ月の光を楽しみます…スケールの大きくて贅沢な「遊び」と言えます…
今は街は明るく、家が真っ暗になることがありません…
電気のない頃は表の明るさが全てでした…夕方になり日が落ち、暗くなった室内を灯油やローソクを灯した行灯が部屋を明るくします…とは言っても、電気の明るさなんてありません…そのうえ人の動きの僅かな風に灯は揺らぎ影も動きます…
その明るさを壁に開けた丸や角窓がその陰の移ろいを利用します…細い竹や曲がりくねった細枝、あるいは一流の職人が手がけた細工などが室内に陰影の面白さを写します…
どの細工も「陰」を利用した「遊び」の妙です…しかもそのほとんどが自然=天然の「何処かにあるらしい」景色を想起させます…でもそれ以上にこんな景色を通して人々の想像力が養われます…
「遊び」の心の大切さは人の心に「想像と創造」の豊かさを与えました…
同時にこの国には巡り来る四季があることを…そしてそれを待つ喜びを、一輪挿しが静かに語ります…
「生活の豊かさ」なんて案外こんなものです…
あなたの心こそが創ります…それが「日々の暮らしや家族の心」を豊かにします…
子供の心にも永遠に刻まれる心象風景です…
これが「家族」を作るあなたのエンタテイメントみたいです…
それではそろそろ仕掛けを考えますか…?
案外忘れているのが天井です…
これは玄関をリノベーションした時に現れた,古い梁を化粧したものです…
そのときの間の抜けた天井に「東西南北」の表示をしたものです…
もちろん表示は正確です…それにしても、いっときのピラミッドパワーはどこへ行ったんでしょう…
これはある山中の和装の家をリノベーションした時のものです…
八畳の洋室ですが、障子を閉じると満月になるように壁紙を貼ってもらいました…
その裾は周囲の山を模したものです…障子はガラス戸越しに外の庭になります…
もちろん壁紙はそれに合わせて貼ってあり、全面とも面一(ツライチ)です…
意図を理解してくれるいい壁紙の職人さんに出会えました…
「遊び」は「ユーモア」に通じます…
これは手作りの物置のドアです…サインで「ここはなんなの?」と首をかしげます…
いわゆる「鉄ちゃん」のための書斎のドアです…
既存のドアに丁度Nゲージが入りました…
国鉄時代の最後の名蒸気C62ツバメ2号機です…これは現場で対応したものです…
キッチンに飾り棚を設けました…照明も入れて豪華そうです…
棚には思い出の品が並びます…主婦はこんな一角にホッとします…
コロナウイルスには負けないように…どうかご自愛ください!