「家」を持ちたい…という熱意と裏腹に…
あなたと現場の違いも大きくなっています…最大の原因は「情報」です…
高い買い物、この「情報格差」を無くすためのブログです…
いつまでもあなたの側が「不利」でいていいのですか?…
全体が小さめで秘密めいた典型的なコテージ・スタイルです…
特徴的な屋根はうねりをつけたシェイク葺きで、これもお約束です…
Lonepineでも有名な美しい海岸線の街、カーメルにあるそうです…
ウイルス騒ぎが落ち着いたら、こんな家に泊まってみるのもいいかもしれません…
物語が近づくかもしれません…
ひとり親方の終り近くに、ある「女性」と知り合いました…
彼女は聡明で人生にも前向きで、隣県のアパートを投資目的で所有します…それを管理・改修することで始まったのが、知り合ったキッカケです…
こう言うと投資専門の脂ぎった女性を想像しますが、実際に合った彼女は全くの正反対、物腰も会話も穏やかで、投資の話も独学で、それも離婚をした後から始めたということ、ヘッドハンティングされるほどの人生が、最初に選んだ選択肢の一つがこのアパートの投資です…
このアパートの近くにもう一軒、一部屋広い、言い換えれば大きなアパートがあり、そちらは同じ投資目的で「男性」が手に入れたものです…これに比べると彼女のは各戸の一部屋分、つまり大きさ=広さが多少小さくなります…それで折々に見比べることができました…
その対応の違いが、僕の仕事に男と女の違いを教えてくれます…
あの「見返り美人」みたいな…かな!
彼女が手に入れた物件は、2LDKに2つの階段室、合計8世帯です…ちなみに男性の方は3LDKで、同じ世帯数、ともに中古です…それぞれ同じ所有者だったので、この二つは外観が似ています…
仕事は詳細な点検から始め、耐用年数の問題もあってコロニアル屋根の清掃、再塗装と外壁のコーキングの打ち直しと塗り替えなど…その他住み良くするための幾つかの提案です…
まず全体的な建築的デザインを考え、小さな庭を利用してゴミ箱ではなくゴミ小屋の設置を提案しました…元々の建物に対比させることと、ゴミ出しという労働を少しばかり楽しくできればと、踏み石とその配列にも気を配りました…そして階段室、外壁の塗装を機にこれもそれぞれ違う色に塗ること…外の照明を整理すること、フェンスも変えることなどです…これらは主にセキュリテイ対策ですが…
彼女個人にはシンボルツリーを提案しました…これは自身の購入記念になるとともに、色づく花や散る葉でアパートに住む人も季節の移り変わりが意識できるはずです…アパートの目印=ランドマークにもなります…彼女が好きな白い花の咲く小さなハナミズキです…もちろん植木屋さんにも出かけました…
そのどれにも別予算が発生します…特に屋外照明は共用費に具体的に影響が出ます…
でもそのいずれも彼女は快諾しました…
理由はゴミ小屋周辺の庭園的なこと、住んでいる人に「おかえり」と応えるような階段室、フェンスと安全意識に直結する外部照明などです…そのすべてが人間格でありそこが自分の家だと感じられるからだと言います…実際ゴミ小屋で即決してくれた若夫婦がいます…! こんなこともオーナーの人柄を表します…
その後も部屋の改修で意見を述べ、例えば当時からあまり人気のない畳をフローリングに変えることに僕は反対します…大抵は不動産屋の勝手な思い込みですが…工事の進捗状況を見に来た不動産屋の代表が、畳でごろ寝、つい昼寝をして改めて畳の良さに気付いたという事実も…今ではいい思い出です…
そんな彼女のアパートへの関心の重点はたとえ短い滞在でも「自分の家」と思ってくれること…
そこが僕の建築的な主張の接点とピッタリ合ったようです…
色彩も多用されます…狭いぶんパーテーションも家具も作ります…
この主張が通ることで、アパートならではの見せる収納も増えます…例えばコートハンガーの小物ひとつでも個性的なものを選ぶことで部屋の個性を変えることが出来ます…色彩の導入やお勝手のタイルり替え、ガラス戸を壁に変えるなど…これらは女性独特の感性のようです…
このアパートの内装は、どちらかというと当たり前の昔のつくり…
飾りたい、収納したいという若い世代の要望を少しばかりお手伝いしました…
玄関脇の飾り棚は、はじめは住み手へのWelecomeの舞台です…
不安を与えるガラス部分は、なるべく減らします…
その分は飾り窓などを増やして「採光」を確保します…
小さなキッチンはタイルを張り替えることで、部屋全体の見がかりが良くなります…
このときの多くの小さな工事が、実は大きな工事にもつながっているのだということ…世代間の生活スタイルも家具も変わってきているということも実感します…
もちろん「情報」の大事さもです…要はあくまでも「借り手」の利益になるからです…!
その後彼女はより大きなマンションを所有し、その工事も請け負いますが、基本的にこのスタンスが変わることがありません…この大きなマンションは三階建で主に学生諸君が多く…やはり彼女はエントランスを改良します…その時の工事で増設部分の裏側に先のベーコンの言葉を彫り込んだのですが…さすがに学生諸君の何人かは意図をわかってくれたようです…
このヘッドボードの裏側にベーコンの言葉が彫りこんであります…
注意をしなければわかりません…親父の小言と冷酒は後で効く…っていうやつです…
正月で工事も中断…このあと手すり部分はもう少し装飾的になります…
一方で男性所有のアパートは、各戸の庭と駐車場の境もなく(舗装しないままなので)ゴミ集積所もハゲかかった塗装とゴミの臭いが残る鉄製で、アプローチの一部は雨でえぐられ土が流失したまま水路になっています…全体は雑然としている印象で借り手にはあまり魅力的に見えません…
ここで面白かったのは、本ブログのテーマである「男と女の違い」が見えたことです…
彼女=女性が管理するアパートは住む人の「利便性」を重視しているけれど、彼=男性は「管理」することを重視しているという発想の違いです…多くの「不動産」屋さんもこの考えのようです…
やがて彼のアパートの屋根には、太陽光発電のパネルが並びました…目的は「売電」です…
彼は管理の中で「利益」を追求し、彼女は「住み方」を優先します…
元々の理由、投資が目的ならそのどちらも正しいやり方です…
でもあっという間に売電コストは下がり、初期の設備投資が負担になりました…投資向けにはまだ無理があったようです…あるいは投資に最も大事な「時間軸」の読み違えとも取れます…
同じ選択でも「男女」の接し方にはこんな違いがあります…実は大きな差のようなのですが…
もし、僕が「男」の側を選んでいたなら?…ただの一人親方だったような気がします…
でも僕の神様は「彼女」を選んでくれました…幸運と言えます!
彼女は言ってみれば、地方の出身です…
離婚をきっかけに何度かのヘッドハンティングの中で、こうした投資話も選んだのでしょう…
感心するのは例えば屋根や壁などの危険な高所作業にも、なんら臆することなくハイヒールを脱ぎ捨てて登ってきます…それも楽しそうに…
全てに前向きです…他人の話をよく聞きよく本を読み、全てに行動的で積極的です…
それにも増して彼女のお母様の行動力にビックリします…
何せお歳は僕よりも上、透析を受けているとはいえ、今なお好奇な目は世界を見続けています…
人生にはたくさんの生き方があるといいます…一体人間が生きて死ぬまでの間にどれほどのことが成せるのでしょう…彼女の行動力が男と女の、それ上に生き方の違いを思い知ります…
その娘の彼女は年に数回の海外旅行を楽しみ、友人たちと会食を楽しみ、いつも笑顔でいます…
きっとお母様のDNAがそうさせているのだろうと思わせます…
生きることで大切なのは「人生を楽しむ」ことであり、その喜びを分かち合う友人に出逢えあることなのでしょう…
部屋選びがささやかれ始めるこの時期になると彼女のことを思い出します…
今では不動産屋の選ぶ物件はネットでも検索できます…でも選ぶ側の選択眼、ここで生活するのだという自覚、家賃の高騰を抑えるためには多少の不便=経年劣化を、経年変化に変える工夫と美意識、そうやって生活を楽しむことが大事だということを忘れてはいけません…
もちろん気の置けない友人はもっと大切です…
ここはあなたの人生の通過点だということも忘れてはいけません…明日こそ、という希望=成長が大事です…その上で生活を楽しんでください…!
どんな「家」もそこが「生活」の成り立つところです…
いわば祖母の代から使い古された鍋釜の傷やへこみや焦げ跡…その「味」があなたの生活の基本です…
モノは時に思い出まで見せてくれます…そこから新しいあなたの「味」付けを作ります…結局「生活」とはこういうことのなのです…どうか「明日」のために「足るを知って」ください…建物の「古い・新しい」はあなたの選択次第です…
部屋を選ぶあなたがむしろニュースで報道されたように、簡単に手に入る消臭剤を使うだけでン万円の初期費用を請求する不動産屋の餌食になっているという事実…すべては忘れっぽい性格なのか、あるいは寛大なあなたの側が引き起こしている「不利益」です…情報を共有しなければいつでもどこでも起きる「情報格差」あるいは「情報変差」です…このことが同じ失敗を繰り返させます…
注意すべきは、ここから今後のあなたの「家」作りに対して業者への妄信も始まります…
どんなことにも完璧はありません…失敗します、後悔もします…
家選びは家賃など価格に直結します…不満ところはあなたの美意識や工夫=センスが補います…
こうやってあなたの経験値も増え大人になります…当然ですが「人間」はこうやって心身ともにタフになるわけですが…どうか人生を楽しむのと同じように、もっと生活を楽しんでください…
今でもハナミズキは枝を伸ばし、小さな木陰を作っていますか…?
この広い世の中、あなたの「生活を建築で支える」彼女のようなオーナーがいます…
どうかそんな彼女に出会ってください…そこがあなたの「いい家」です…!
このブログは、お客の利益の側に立つひとり親方がもっと増えてくれるとイイと願って書いています…
特に女性こそこの分野へ興味を持ってください…あなたたちには特別な才能が眠っていると信じます…
日本だけじゃなく世界を知ってください…建築も世界を見せてくれます…!
そのためにも仲間と情報を共有してください…