3月10日、東京が黄色い砂煙に覆われてしまって大変でしたね。
お台場を襲った砂嵐
気象庁は、黄砂とは関係なく、強風が吹いてほこりが巻き上がった煙霧だとしていましたが、実際は違いました。
「モーニングバード」では、その検証をしていました。
この砂嵐は栃木県下野市(しもつけし)から来ていたようです。
先週は、北海道などの猛吹雪があったように今、低気圧が猛烈に発達している中、南からは春の暖かい空気がやって来ています。
10日は、午前中は夏日を記録するような暖かい南風が吹いていました。
それが午後になって一変、北風に変わったのです。
北風と南風のせめぎ合いが、ちょうど関東平野の下野市あたりで起こり、上昇気流となり東京の方に2時くらいに流れたのでした。
北風の吹く翌日は、東京では13度も低い気温となりました。
番組では、八王子の工学院大学で砂埃に含まれる微粒子の成分分析を依頼していました。
その結果、黄砂の主要成分のひとつであるカルシウムが検出され、これは黄砂の可能性が高い事が分かりました。
また、この砂埃からは塩素や石炭を燃やした時に出る硫酸も検出され、これは日本で付着したものではなく海を越えて来ている物質である事も分かりました。
日本では、燃料中の硫黄分を極力減らしたり、排ガスから硫黄酸化物の排出をストップさせ回収する技術が発達している為、これらの成分の発生源ではないと思われるのです。
つまり、これはPM2.5が含まれているという事なのです。
下の表は、10日の午後2時の各地のPM2.5の飛散を測定したものです。
国の環境基準値は一日平均、1m3あたり35マイクログラムですから、清瀬市などは一時それの8倍もの値となっています。
あの砂嵐が来る前の11時に、練馬区内に停めていた車体から、拭き取った埃を工学院大学で分析してもらった所、やはり黄砂とPM2.5が検出されました。
という事は、煙霧の時でなくても常に気をつけていた方が良いという事です。
もうひとつ、忘れてはいけないのは放射性物質です。
花粉・黄砂・PM2.5・放射性物質を吸わないように、高性能の専用マスクは必需品です。
当たり前のように吸ってきたキレイな空気は、もはや当たり前にあるものではなくなりました。
本当に3.11から変わってしまったのです。
これに、火山灰が加わらないように祈るばかりです。
元の澄んだ空気を誰もが吸える日が来る事を切に願っています。