こんにちは。
株式会社Aria(アリア)でございます。
手紙や小包等を送る場合、多くの人は郵便局や運送業者(ヤマト運輸、佐川急便など)を利用しますが、一昔前(江戸時代頃)は、「飛脚(ひきゃく)」という文書や金銭、小貨物などを送達する人たちがいました。
これは日本の配送業・運送業のはじまりのような職業で、江戸から京都までであれば最短3日走り続けて荷物のお届けをしていたようです。
「走る」ということのシンプルさと飛脚の驚異的なタフさに、個人的にはロマンを感じてしまいます。
今回はそんな飛脚についてブログを書きたいと思います。
■飛脚のはじまり
飛脚の歴史を調べてみると、古くは奈良時代までさかのぼるようです。
奈良時代には山陽道や東海道など7本の街道が新設・整備され、飛脚のルーツとなる「駅伝制」が敷かれるようになりました。
国内の主要道路に一定間隔で「駅」を置き、そこに人馬を備えて交通網を維持していたのです。
そうすることで、地方の産物を効率よく都へ運び、役人や軍勢の移動がしやすくなりました。
その後、平安、鎌倉時代と時代を経るにつれ、人や物の行き来に関する制度のあり方も変化し、江戸時代に入ると徳川幕府の手によって全国の街道の整備が本格的に行われました。
この時、「宿駅伝馬制」が確立され、それによって各宿場が用意する人馬の数も細かく決められるようになり、輸送や通信の手段としての飛脚が制度化されたのです。
■飛脚の走行距離・スピード・料金
飛脚はどのくらいの距離をどれくらいのスピードで走行していたのでしょうか。
調べてみると意外にもその距離は短く、幕府の公用飛脚の場合、東海道を57カ所の宿場で繋いでおり、ひとり当たりが走る距離はおよそ10㎞程とのことでした。
このようにして各地に「継所」と呼ばれる中継地点を設け、そこで荷物を運ぶ人が代わるリレー形式を採っていたそうです。
公用飛脚は24時間でおよそ200㎞の距離を走ると言われており、中継の時間もありますが、単純計算すると時速8キロくらいのスピードだそうです。
現在のマラソンランナーは時速18~19kmで走るとされていることから、両者を比較してみると、飛脚の走るスピードは決して速いとは言えません。
しかし、江戸時代の飛脚は現代と違い、山あり谷ありの難所を、足場は舗装されていない土や砂利道であるにもかかわらず、草鞋を履いて、かつ荷物を持ちながら走っていたことに留意しなければなりません。
そう考えると、現代のようにきちんと舗装された道路を、最先端の技術が施されたマラソンシューズで、言わば手ぶらで走る現代のマラソンランナーと単純比較するのは難しいと言えるでしょう。
なお、1回の配送料は、現在のレートに換算するとおよそ数十万円にもなるそうです。
一見するとかなり高いのでは?と感じますが、リレー形式で何十人もの人で運送していたことを考えると、それなりに妥当な金額ではないかとも思えます。
飛脚の終焉とその後
明治時代になると、西洋から新しい制度や文化が入ってくるようになりました。
その中でも日本に郵便の仕組みを築いた前島密(まえじまひそか)は、「飛脚では日数も掛かるし費用も高い。誰もが安価に信書を出せるようにすべきだ」と考え、日本の近代郵便制度を推し進めました。
そして日本にも郵便制度が根付き、奈良時代から続いてきた飛脚の歴史は幕を閉じましたわけです。
多くの飛脚が廃業を余儀なくされたものの、残った飛脚は「三度飛脚」と呼ばれる飛脚の業者仲間同士で出資して、「陸運元会社」という企業を設立しました。
その会社は鉄道敷設の広がりに合わせて、官営郵便物や一般貨物を輸送する運送請負業者として活躍しました。
その会社はやがて名を変えて、現代まで残ることになりました。それが現在の「日本通運」です。
いかがでしたでしょうか。
明治から現代までおよそ150年余りが経っていますが、飛脚の歴史を学ぶと、現在の配送業・運送業がいかに利便性に優れ、我々の生活に切っても切れない存在であることを痛感します。
走って物を送り届ける飛脚の存在は、現代からするとユニークな業種にも感じられますが、当時はその遅さや高い料金から不便に感じる人も相応にいたのではないかと思われます。
そこから新たに郵便制度が台頭し、幅広く普及していくわけですが、「便利に、より快適に」するための先人たちの努力や苦労を垣間見ると、時代を超えてもなお、学ぶべきことがあります。
飛脚に置き換わり広く普及した郵便制度も、今では携帯やスマホを介してのやり取りに置き換わりつつあります。
かつてはEメールのみであったやり取りも、SNSの普及に伴い、facebookやLINE等が台頭し、「より便利に、より快適に」やり取りができるようになりました。
一昔前は容量の大きいデータを送信するのもひと苦労でしたが、今では大容量の写真や動画データも、PCやスマホを介して一瞬でやり取りできるようになりました。
ここ数年の目覚ましい技術の発展は目を見張るものが多く、それに伴って新たに登場するPCやスマホは、まさに「文明の利器」と言えるでしょう。
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