こんにちは。

 

株式会社Aria(アリア)でございます。

 

「貸したお金を返してもらえない」「家賃や給料を払ってもらえない」など、お金に関する何らかのトラブルは日常生活において尽きません。

 

お金の貸し借りに限らず、いわゆる「契約事」や「約束事」については、口約束ではなく書面を交わしたうえで、お互いが対等な関係性で行われるべきものだと考えます。

 

しかし、いざ始まってみると、契約に定めた内容や約束した内容が守られなかったり、当初想定していなかった事態に遭遇することがあります。

 

弊社のような金融機関の場合、契約に基づいてお金を貸したはいいものの、何らかの理由できちんと支払がされないケースがどうしても出てきます。

 

中には、一旦は支払う約束をしたにもかかわらず約束が反故にされたり、連絡が付かない、挙げ句の果てにはお金を借りた人が雲隠れしてしまうなどに至るケースも残念ながらあります。

 

そうなってしまうと、貸したお金が返ってくる可能性は極端に低くなり、最悪の場合は泣き寝入りせざるを得ません。

 

当人同士或いは第三者が間に入り、話し合いで解決が図れるのであればそれに越したことはありませんが、何らかの理由で話し合いによる解決が難しい場合は、関係性がさらに悪化し、最悪泥沼化することにもなります。

 

その場合は、いわゆる「法的手段」を検討せざるを得ません。

 

本日は、法的手段のひとつである「支払督促」について詳しくお話ししたいと思います。

 

 

■支払督促とは

相手側の住所を管轄する簡易裁判所を通じて行う制度で、申立人の申立てのみに基づき、簡易裁判所の書記官が相手方に金銭の支払いを命じる制度です。

 

基本的には書類審査のみで手続きが進められるため、通常訴訟と比べて迅速に解決を図れるのと、相手方から異議申し立てがなされない場合は判決と同様の法的効力が生じ、そのまま強制執行(財産の差押え)の手続に着手できることがメリットとして挙げられます。

 

 

■支払督促の具体的な方法(手順)

①支払督促の申立て

支払督促の申立を行う場合、相手方の住所を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官宛に必要書類を提出します。

申立書の書式は裁判所のHP等でダウンロードが可能です。

 

記入方法に関しては、記入例を見ればある程度分かりますが、いざ実務を通じて行ってみると、記入例だけでは分かりにくい部分、間違いやすい部分があることに気づきました。

 

弊社が支払督促手続きを行う上で疑問に思った部分、実際に裁判所に問い合わせて聞いた部分を以下に列挙いたしますので、参考になれば幸いです。

 

・申立手数料(収入印紙)

訴額(相手に請求する金額)に応じた収入印紙を、申立書の右上部に貼付する必要があります。

※詳細はこちらを参照いただければと思います。

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file3/315004.pdf

 

・支払督促正本送達費用

支払督促正本を相手(債務者)に送達するために裁判所に納める郵便切手の料金です。

 

基本的には、「債務者の数×1,099円」となりますが、当事者目録と請求の趣旨及び原因の枚数、管轄の簡易裁判所によって変動します。

 

作成する際は念のため相手方の住所を管轄する裁判所に問い合わせて、納める金額の確認をしましょう。

 

・支払督促発付通知費用

裁判所を通じて支払督促が発付されたかどうかを債権者に知らせるための郵便切手の料金です。

 

基本的には84円で案内している裁判所が多いですが、これも裁判所によって金額が異なる場合があります。

 

また、裁判所によっては、後述する送達結果と合わせ、1枚のはがきにて一緒に通知してくれる場合もあります。

 

間違いのないよう、念のため事前に管轄の簡易裁判所に問い合わせるのがベターと言えるでしょう。

 

・申立書作成及び提出費用

申立書を作成するためにかかった費用及び申立書を提出する費用のことです。

 

申立書の枚数、提出方法、提出に伴う出費の有無及びその額に関わりなく、一律800円で請求できます。

 

・資格証明手数料

債権者が法人の場合は、登記に係る資格証明書(履歴事項全部証明書。3か月以内発行のもの)が必要になります。

 

原則として600円(取り寄せの場合は往復の郵便料金84×2168円も加算請求可)、オンライン請求であれば480円(窓口交付の場合。送付の場合は500円)請求できます。

 

また、債権者・債務者共に当事者が未成年者の場合は、戸籍事項証明書が必要になり、原則として450円となります(但し市町村により異なる場合有り。取り寄せの場合、往復の郵便料金84×2168円も加算請求可)。

 

・価額

相手方に請求する金額を記入します(50,000円であれば「50,000円」と記入)。

 

・貼用印紙

価額に応じて貼付する収入印紙の金額を記入します(50,000円であれば「500円」と記入)。

 

・郵便切手

支払督促正本送達費用と支払督促発付通知費用に使う郵便切手の金額を合わせた数字を記入します(支払督促正本送達費用に1,099円、支払督促発付通知費用に84円の切手を使用する場合、1,083円と記入)。

 

・葉書

支払督促の送達結果を葉書にて希望する場合は、「1枚」と記入します。

 

 

■同封する書類

①申立書、当事者目録、請求の趣旨及び原因 1

申立書は必要事項を記入の上、価額に応じた収入印紙を貼付し、上部に割印を捺します。

当事者目録、請求の趣旨及び原因についても、上部に割印を捺しておくことで、軽微な内容であれば簡易裁判所にて加筆修正してくれます。

提出する際は申立書、当事者目録、請求の趣旨及び原因をセットにして左上部をホッチキスで止めます。

 

②当事者目録と請求の趣旨及び原因のコピー 2

割印を捺す前の状態で、セットにして左上部をホッチキスで止めます。

 

③資格証明書(法人の場合は履歴事項全部証明書)原本 1

3か月以内発行のものになります。

 

④ 郵便切手

支払督促正本送達費用と支払督促発付通知費用に使う郵便切手を同封します。

 

⑤はがき

支払督促の送達結果を葉書にて希望する場合は、通常はがき(163円)を同封します。

 

これらを角型2号封筒に入れ、相手方の住所を管轄する簡易裁判所宛に郵送します。

 

 

以上となります。

 

法的手続と聞くと、聞き慣れない方からすると言葉の響きが何やら物騒に聞こえますし、初めての方にとっては、「何か難しそう」「専門家じゃないとできないのでは?」と思うかもしれません。

 

ネット等で調べてみても、具体的に何をどう書けばいいか分からず、自力では進められないという方もいらっしゃるかもしれませんが、コツさえ掴めば、作成に関しては誰でもできる内容だと思います。

 

ちなみに申立の肝となるのは、「請求の趣旨及び原因」です。

 

この内容の如何によって、申立が受理されるかどうか、債権者の言い分が正しく伝わるか(認められるか)どうかが決まると言っても過言ではありません。

 

これについては、次回以降で詳しく述べたいと思います。

 

 

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