自分に寛容というか甘いというか

 

関西も梅雨に入った。

 

久々の休日だけれども、

特に出費する気はなく

図書館に行こうと思っていた。

 

先週借りた5冊の本は読み終わったのでそれらを返し、

通勤時の電車のお供に何か借りようかな、と。

 

朝食をいつもよりゆっくりと済ませ、

ネットサーフィンを30分ほどした後、

外出のスイッチを入れるために歯磨き。

はねたショートヘアは

「帽子で隠せばいいか」と適当にくしを通す。

皮脂でべとついた顔を水で洗い、

これまた適当にベビーパウダーをはたく。

化粧をする気はさらさらない。

 

洗面所から自室に戻り、服を選ぼうと

クローゼットを開く。

 

聞こえる雨音。

 

図書館に行くためだけの服装を考える。

昨日履いたスニーカーはまだ雨で湿っている。

防水のブーツを出すか、と考える。

デニムは湿気を吸って重くなるから、それ以外だな。

 

大きくなる雨音。

 

そういえば、本の返却期限は6月30日だった。

あと一週間ある。

図書館ついでにラップと絆創膏も買うつもりだったけど

急ぎではないな。

 

雨音を聞きながらしばし動きを止める。

行くの、やめるか。

 

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外に行く意欲を失わせる雨の季節です雨

 

雨自体は嫌いじゃないけど、

 

低気圧に伴う頭痛とか、

湿気によるアホ毛やカビ、

靴に水が浸みたり、

傘のせいで荷物が増えたり、

隣り合って歩けなかったり、

雨音で声が遮られたり、

そういうのが不快ガーン

 

だからむしろ

傘を差さずに土砂降りの雨に濡れたい。

 

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外出を諦めた今日は部屋にこもって

トム・ハンクス主演の「ターミナル」

「ダンジョン飯」

「葬送のフリーレン」

「進撃の巨人」(2周目)

を観て過ごした等身大のありあです。

 

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家の中では

うっとうしい前髪をピンでとめ、

首もとがだらしないTシャツに

高校の体操服の赤いハーフパンツ。

 

洗面所の鏡に映る自分の顔は。

 

ある程度の毛流れを残しただけの

薄い眉毛。

さっき起きたのが丸わかりの

腫れぼったい目。

無意識におちょぼ口になる口。

毛穴とニキビの目立つ肌。

一週間前に処理したムダ毛、

生命力が強いからもう既に顔を出している。

 

全く手入れされていない自分の顔。

落胆するとともに、

仕事中はマスクするし

今月も来月も誰にも会わないからいいか、と

自分の美意識への無頓着さを

見て見ぬ振りする。

 

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植物や生物が好きな理系の子が多いサークルに所属。

男女混合の団体ではあったものの、

メイク、ファッションに関心のない

俗に「芋」と括られる男女も少なからずいた。


山・川・海で主に活動するので、

化粧をしたとしてもすぐに意味が無くなる。

活動の日の女子は化粧っ気がない。

 

そのサークルに所属しているときには

 

「今のトレンドのスカート似合うかな」

「骨格は?パーソナルカラーは?」

「あの子の誕生日にこのブランドのこのリップをあげよう」

 

といった会話をすることがまず無かったし、

たまにそういう発言をしたとしても

「なにそれ?」という質問が来るのが日常だった。

 

だから、私自身、

「自分磨き」や「垢抜け」に興味を持ち始めても

アドバイスをメンバーに求めることはなかったし、

会話が広がらないことを知っていたので、

話題にも出さなかった。

 

私たちが盛り上がったのは、

古代生物の話。

脳科学の話。

教授が飼っているモグラの話。

ジビエ肉の話。

たまに恋バナ。

そして、普段は話せない自分の中の

黒々とした負の感情、弱さ、しんどさの共有。

 

誰も否定しなかった。

自分の弱みを見せても誰も私を嫌いにならなかった。

むしろ「その弱い部分も含めて好きだよ」

受け止めてくれる仲間達だった。

 

私たちの関係には、

見た目がどうとか

流行に乗れてるかとか

この反応したらモテるとか

そういうものが必要なかった。

 

おしゃれしたければすれば良い、

興味ないならそれでいいし、

どっちだって君は君だ

どの君でも受け入れるよ。

 

そんな幸せな場所にいた。

 

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ただ私は自分なりに

ある程度の化粧を覚えて、

自分の骨格と似合う色を調べ、

ダイエットをしたり、髪を染めてみたり、

いち早く脱毛に通い始めたり、

メンバーの中では見た目に気を遣っている方だと思っていた。

 

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就職で大阪に来た。

同じ車両で通勤する人、

会社の同僚、

推しのライブに来ている同世代の女子達

キラキラキラキラ。

 

度ありカラコンピンクハート

ジェルネイルピンクハート

まつげパーマピンクハート

アート眉毛ピンクハート

バッチリ抜けのないメイクピンクハート

 

私の知らない、いや、インスタでしか見たことのなかった

「おしゃれ」を身につけている人がいる。

 

「この人たち朝何時に起きて準備してるん!?」

と思う日々。

 

少しばかり影響されて

ジェルネイルとマツパを予約し施術してもらうも、

1回の値段の高さ、維持の難しさ

圧倒的似合わなさに萎えるにっこり

 

そして、「普通に実生活に必要なくない?」

と思ってしまう始末。

1回きりでやめた。

 

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社会人になってからの忙しさと経済的な不安に

揉まれるまま

いつのまにか私は、

 

大学生のときに買ったアイシャドウ、

大学生のときに使ってたのと同じブランドの

眉ペンシルとクッションファンデ、

使用期限がとうに過ぎたコンシーラーやマスカラを

使う無頓着オンナになっていた。

 

(最低限のメイクはしているけれども。)

 

脱毛に通うのが面倒くさくなり、

生えてくる毛を毎回処理する方の面倒くささを選ぶ。

 

楽だからという理由でショートにする。

 

アート眉毛、きっと楽だろうなと思いつつも

施術の値段を見て諦める。

 

ニキビができても、甘い物を控えない

 

昨年買った日焼け止めを塗って満足、

日傘は持ってないから差さない

 

ダイエットは痩せる目的がない

そもそも標準体型だから痩せる必要ないでしょ

と開き直る。

 

それが故に、スリムな同僚の言う「痩せたい」に

「痩せた先に何かあるんですか?痩せる目的あるんですか?」

ただ純粋に気になって聞いてしまう(オワテルネガティブ

 

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女として終わってるのかなあ昇天

 

容姿よりも趣味ややりたいことに没頭する自分を

受け入れてるし、好きなんだけど

客観視すると結構やばいのかもって不安になる。

 

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祖母や叔父によく

「彼氏できたか?」

「結婚は?」

って聞かれるけど

 

料理もできるし生活力もあるし

アウトドアもインドアも楽しめる趣味があって

一人でも充実できるから束縛はしないし

 

いつかいい人で会えるでしょ。

自分ならまあ大丈夫でしょ。

ってどっかで思ってる自分がいる。

 

でも自分の今の容姿を客観視すると

実は生活力や性格なんて別に誰も重視していなくて、

美に無頓着なことがまず

彼氏や結婚から遠ざかっている理由なのかも?

少し危機感を抱く。

 

人は見た目が9割だもんな。

 

結婚願望強いわけではないが、

子どもは欲しいから、結婚は必要になるわけで。

もう出会っとかないと時間がない。

 

一方で、

海外留学や海外で働く夢をおざなりにはしたくない。

夢をおざなりにしないために

今すべきことは。

 

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私が今すべきことは

見た目をアップデートすることではない。

資格を取って

英語を勉強して

できるだけたくさんの海外に行くこと

自炊を続けること

毎日健康に前向きに働くために

趣味にも打ち込むこと

 

結局は彼氏、結婚、美の優先度が低いのだ。

(「自分磨き」を趣味にしたら話が早いとは思う。)

 

私の中では、まず自分の夢のために行動して

叶えて自分を幸せにすること第一優先事項だ。

 

それでいい。

私は私のしたいことをする。

好きな人でもできて、

気が向いたら自分磨きをすれば良いし、

しなくてもいい。

どっちだって私は私だ。

どんな私でも、私は私が好きでいる。

 

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私のだらしのない見た目の話から

壮大な自己肯定に終着した。

(終着できてた?)

 

最終的に、自分が好きな自分でいられれば良いと思ってる。

 

家ではだらしなくても、会社に行くときは

同僚ほどには及ばずともちゃんと小綺麗にする自分が好き。

 

ただ、いつまでもニキビが治らない顔と

それにもかかわらず、

ポテチのLサイズを一袋開けてしまった自分は嫌い

なので、今日から食事に気をつけます爆笑

 

おやすみなさい。

 

めちゃくちゃ綺麗に巻けただし巻き玉子を添えて。