♪♪

 

アラームが鳴って、二人ともベッドから出る。

 

「ぐぅ、制服どこ置いたの?」

「今日は休んでここで仕事でしょ」

「あ、そうだ(笑)」

 

寝室を出ながら、後ろの僕を振り返って「へへ♪」って照れるのも可愛いだなんて…。

罪な人だよ、キミは。

 

とりあえずいつものソファーに座ると、てても僕の左に座ってきた。

直視できないほどの可愛さの笑顔に、数回瞬きして思わずため息をつくと

 

「どうかした?体調悪い?大丈夫?」

 

って心配そうに覗き込んできたから、心臓が飛び出そうになる。

か、顔が近すぎるんだよ~~!

10センチ、いや、数センチぐらい!?

 

「っ!へ、平気だよ」

 

息をのむのはごまかせたかもしれないけど、唾を飲んだのは聞こえたかもなぁ…。

 

「そう?ほんとに?」

「うん、ほんとに」

「なら、いいけど」

「うん。ありがと」

 

てては僕の返事に笑って頷く。

覗き込んできた真剣な顔も綺麗すぎるけど、にこってした顔も可愛すぎて…。

 

あ~~~~っ!もう、心臓に悪い!悪すぎるっ!!

神様、この人の顔、どうにかしてください。

じゃないと僕は、心臓が幾つあっても足りません(泣)

 

「じゃあ、そのためいきはなんなの?」

 

うっ。

 

急に来たちょっと強い視線に呼吸を絡めとられ、うまく言葉が出てこない。

だいたい、本人を目の前に、何て言えばいいのさ。

そんなに毎回毎回、馬鹿正直に本人へ言うことないんだし、黙った手前、今更もう言えない。

 

困ってゆっくり視線を外しながら、何て言おうか考えてると。

 

「…なんか…俺、気に障ること言った…?」

 

って、小さな声がした。

びっくりして顔を見ると、ちょっと俯いて下から見上げてくるような、不安そうな眼差しで僕を見ている。

 

てて…。

 

なんて言うか…。

これは実際に見た人にしかわからないけど、なんともいえない、切なそうな感じがして。

てて本人だけじゃなく、僕までも、心臓がきゅううっ!とした。

 

「そんな…」

 

違うよ、と言ったつもりが、全く違う言葉が出てきてびっくりする。

 

「?」

「そんな顔しちゃ、ダメだよ…」

 

心臓が締めつけられたまま、やっとのことで声を絞り出す。

 

「そんな顔?」

 

そのまま小首を傾げるなんて、てては罪以外の何物でもない。

 

うん、と僕はひとつ頷いた。

 

言葉を出そうと口を動かしたいのに、口元が固まってできない。

仕方なく、かわりにてての目を見て…

 

「…っ」

 

なぜか涙が滲んだ。

そんなの見られたくなくて、咄嗟に目の前のててを抱き寄せる。

 

「ぐぅ?」

 

てては驚いてるけど、構わずぎゅっと力一杯抱き締めた。

すると突然、ふっと口元の力が抜けて、やっと動かせた唇からこぼれたのは。

 

「消えないで」だった。

 

 

 

 

 

 

(つづく)