しかしである。開発を進めるうちに、その選択が間違いだったことが明らかになっていった。彼のルールのおかげで、開発効率は悪く、コードの保守もしにくくなった。しかも、彼自身の技術力も決して高いわけではなく、ただ「妙なこだわり」を持っているというだけであることが分かった。
「妙なこだわり」をもつ人が偉そうに喋っていると、「できる人」のように見えてしまうことがあるのだ。騙されてはいけない。
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プログラマというのは、多かれ少なかれ、自分のやり方にこだわりを持っているものだ。コードの括弧の書き方や変数名の付け方から、設計方針、開発言語や実装技術の選択のようなものまで。
こだわりを持つこと自体は悪いことではない。しかし、それに固執するのは間違いだろう。どんなやり方にも一長一短があるものである。チームに必要であると思われることを提案していくのはよいことだが、それを最終的に採用するかどうかは、チームが判断することだ。個人的なこだわりを必要以上に主張すべきではないだろう。
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マーチン・ファウラー氏は、「プロのプログラマというのは、チームのために自分のスタイルを曲げる覚悟がある」と言う(※1)。「覚悟」というと、ちょっと気負って聞こえるが、「自分のスタイルを曲げる」ということにストレスを感じるようでは、プロとはいえない。
ルールを無批判に受け入れよと言うつもりもないが、ルールをルールとして受け入れるだけの度量の広さを持ちたいものである。
※1 bliki_ja 「コードがドキュメントだ」より
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